梅宮一
桜……目離してごめんな…
梅宮一
(そっと手を握る
あの後柊さんから連絡を受けて梅宮さんは急いで桜くんのもとへ来たのだ
梅宮一
にしてもあの獅子頭連が…
梅宮一
…………
梅宮一
許せねぇ……
梅宮一
桜を傷つけたやつは俺が探し出して……
桜遥
んぅ………
梅宮一
桜?
桜遥
……う、うめ、み、や
梅宮一
よかった…目覚ましてくれて
梅宮一
お前、運ばれてるときずっと意識なくて
梅宮一
俺が名前呼んでも反応しなくて…
梅宮一
楡井にも謝っておけよ?
梅宮一
アイツ大泣きしてたんだからな?
梅宮一
「このままじゃ桜さんが死んじゃいます」ってな
梅宮一
蘇枋も心配してたし梶も謝ってた
梅宮一
「俺がちゃんとそばについてれば」ってな
桜遥
俺が…勝手にはぐれたのに…皆、心配してたのか?
桜遥
なんで?
梅宮一
そりゃ…桜が好きだからだ!
梅宮一
皆桜を信じてるんだよ!
桜遥
(何でだろう…)
桜遥
(梅宮に笑いかけられる度に心臓が痛いほど主張してくる)
桜遥
(今までこんな気持ち感じたこともない…)
桜遥
(そっと梅宮の頬に触れる
梅宮一
………
梅宮一
(そっと自分の手を重ねる
桜遥
ねぇ…梅宮……
梅宮一
ん?
桜遥
梅宮…俺…お前のこと……
梅宮一
それだけは言うな
桜遥
え?
梅宮一
その気持ちは捨てた方がいい
桜遥
な、なんで…まだ何も言ってないだろ
梅宮一
その先の言葉はこの先俺たちを苦しめるものだ
梅宮一
その言葉は運命の相手にしか使っちゃいけねぇ…
桜遥
運命の…相手…
梅宮一
桜…お前のその気持ちはこの先絶対に壁になる
梅宮一
知ってるだろ?
桜遥
っ……
梅宮一
それにもしお前の気持ちを受け入れてもだ……
梅宮一
俺じゃお前を幸せにはできない
梅宮一
今日みたいなことが起こったら
梅宮一
お前を守ってやれない…
梅宮一
自分を許せなくなる……
梅宮一
またお前が傷ついたら今度こそお前を失いそうなんだ
梅宮一
もう…誰も失いたくねぇんだ…
梅宮一
そしたら俺は……
"お前をどっかに閉じ込めて誰にも会わせねぇようにするしかねぇ"
梅宮一
それは幸せじゃないだろ?
梅宮一
こんな酷いことする奴がお前みたいな優しいやつの番なわけねぇよ
桜遥
待てよ……
桜遥
なんでそんな一方的なんだよ…
桜遥
俺の話聞かねぇで…
桜遥
なんでそんな突き放すようなこと言うんだよ!
桜遥
『好き』になっちまったもんはもう後戻りできねぇんだよ!
桜遥
お前の過去がどうであれ…俺はお前が好きなんだよ!
桜遥
お前なんかに…出会わなきゃよかったんだよ!
桜遥
あん時も…!今回も…!
桜遥
はぁ……はぁ……
桜遥
…………帰る
桜遥
(保健室を出る
ただ梅宮に『好き』って2文字を伝えたかっただけなのにな…
そもそも梅宮と一度会ったきりのアイツを何重ねてんだ…
梅宮一
……桜、ごめんな