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時刻は午前12時すぎ
私は夫の帰りを待つ妻。普通の奥さんなら、12時もすぎれば食卓に並べた夕飯にラップをかけ、とこについてしまうだろう。
しかし私にはそれができない
夫が帰って来る前に寝てしまうと、殴られるから
眠い目をこすり、リビングのソファーで夫の帰りを待つ
冷めた夕飯を何回レンジにかけた事か
良平
やっと帰ってきた。どうやら飲んできたらしい
ここで、帰りが遅い事や飲んできた事を咎めたらダメ。確実に殴られる
玲奈
良平
良平
玲奈
せっかく用意した夕飯を夫が食べない事は日常茶飯事
でも、用意しないと殴られる
良平
やった!「風呂入って寝るわ」この言葉をどれ程、望んだであろう。どうやら今日は殴られなくてすみそうだ
夫が暴力を振るようになったのは、結婚してすぐの事
結婚する前はとても紳士的で優しかったのに、別人の様に変わってしまった
なぜ、DV夫と離婚しないかと言うと、主婦業をこのまま続けたいから。殴られると言っても軽くだ。そこまで痛くない。それより、憧れの主婦業を手放す方が辛かった。
私は昔から専業主婦を夢見ていた。主婦業が大変なのは母の姿を見れば一目瞭然だったが、とても憧れていた。
昔からおままごとを用いて、主婦の真似事をする事が大好きだった。
しかし30を過ぎても結婚相手が現れない。きっと男性とコミニケーションを取るのが苦手なのが原因だろう
もう主婦にはなれないと諦めていると、母からお見合いの話を持ち出された
これ千載一遇のチャンス。
どんな相手でもいい…とにかく結婚したいと思った。
幸いな事に、お見合いした当時の良平は優しくて、真面目で、おまけに仕事ができる、非の打ち所がない男性だった。
良平の方も私を気に入ってくれて、3ヶ月の交際を挟み結婚した。良平のDVに気がついたのはその後だ
良平
風呂場から声がする。嫌な予感がした。
良平
良平
近所まで、聞こえるのではないかと思うぐらい大きな声だった。
玲奈
良平
今日の怒り方は普通ではない。
良平は真っ裸のまま、私の頰を殴った。いつもの倍強い力で
玲奈
私は風呂場のタイルにしゃがみ込んだ
良平
良平
良平
良平は水が張ってあるバスタブに私の顔を押し付けた
玲奈
息ができなくて苦しかった。必死でもがく私を見て、良平は呟いた
良平
良平はそのまま私の髪を引っ張って、バスタブから顔を引き上げた
良平
震える足で風呂場を後にする
このままではいつか良平に殺される。私は家を飛び出した
そして、実家に逃げ込んだ