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DV夫vs DV嫁

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DV夫vs DV嫁

1 - DV夫vs DV嫁〜 DV夫編〜

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2020年03月05日

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時刻は午前12時すぎ

私は夫の帰りを待つ妻。普通の奥さんなら、12時もすぎれば食卓に並べた夕飯にラップをかけ、とこについてしまうだろう。

しかし私にはそれができない

夫が帰って来る前に寝てしまうと、殴られるから

眠い目をこすり、リビングのソファーで夫の帰りを待つ

冷めた夕飯を何回レンジにかけた事か

良平

ただいま

やっと帰ってきた。どうやら飲んできたらしい

ここで、帰りが遅い事や飲んできた事を咎めたらダメ。確実に殴られる

玲奈

お疲れ様。夕飯できてるわよ

良平

いらねえ

良平

風呂は?

玲奈

沸かしてある

せっかく用意した夕飯を夫が食べない事は日常茶飯事

でも、用意しないと殴られる

良平

ああ、疲れた。風呂入って寝るわ

やった!「風呂入って寝るわ」この言葉をどれ程、望んだであろう。どうやら今日は殴られなくてすみそうだ

夫が暴力を振るようになったのは、結婚してすぐの事

結婚する前はとても紳士的で優しかったのに、別人の様に変わってしまった

なぜ、DV夫と離婚しないかと言うと、主婦業をこのまま続けたいから。殴られると言っても軽くだ。そこまで痛くない。それより、憧れの主婦業を手放す方が辛かった。

私は昔から専業主婦を夢見ていた。主婦業が大変なのは母の姿を見れば一目瞭然だったが、とても憧れていた。

昔からおままごとを用いて、主婦の真似事をする事が大好きだった。

しかし30を過ぎても結婚相手が現れない。きっと男性とコミニケーションを取るのが苦手なのが原因だろう

もう主婦にはなれないと諦めていると、母からお見合いの話を持ち出された

これ千載一遇のチャンス。

どんな相手でもいい…とにかく結婚したいと思った。

幸いな事に、お見合いした当時の良平は優しくて、真面目で、おまけに仕事ができる、非の打ち所がない男性だった。

良平の方も私を気に入ってくれて、3ヶ月の交際を挟み結婚した。良平のDVに気がついたのはその後だ

良平

おい、玲奈ちょっとこい

風呂場から声がする。嫌な予感がした。

良平

お湯、沸いてないじゃないか

良平

冷たくてびっくりしたわ!どうしてくれるんだよ?

近所まで、聞こえるのではないかと思うぐらい大きな声だった。

玲奈

ごめんなさい。追い炊きして。ね?

良平

ふざけんな。クソが

今日の怒り方は普通ではない。

良平は真っ裸のまま、私の頰を殴った。いつもの倍強い力で

玲奈

いたいっ

私は風呂場のタイルにしゃがみ込んだ

良平

お前は抜けてるんだ

良平

お前よりいい女は他にもいっぱいいる!

良平

顔を洗って、出直してこい

良平は水が張ってあるバスタブに私の顔を押し付けた

玲奈

んんんんんんんっ

息ができなくて苦しかった。必死でもがく私を見て、良平は呟いた

良平

醜いな

良平はそのまま私の髪を引っ張って、バスタブから顔を引き上げた

良平

今から風呂に入る、さっさとあっちに行け

震える足で風呂場を後にする

このままではいつか良平に殺される。私は家を飛び出した

そして、実家に逃げ込んだ

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