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E.2

そういえば沙苗が言ってた 楽しみなことってなんだろう、

塾のない日の帰り道はどこか暇で、 帰る気になれなかった

家に帰っても親は仕事、 兄妹も元々いないし、

ジュースでも買って公園で ぼーっとしておこうかな、

つい2日前に来たばかりの公園の中に入ってベンチで時間を過ごす

夕方の公園は辺りがオレンジに染っていて

遊具の影が長く伸びていた

ぼーっとしているだけで刻々と時間が過ぎて

特に何もしていない、というか ただ公園を眺めている時間だった

だけどこの時間は苦ではなくて むしろ楽だった

あと10分くらいここにいようかな、

なんてスマホの時計を見て思っていた時、

「なーにしてるの?」

後ろから甘くて優しい キャラメルのような声が聞こえた

瀬戸内菜美

深澤くん、?!

深澤辰哉

やっほ〜

いつものようなラフな格好で少し猫背気味の深澤くん

片手には某水色も黄緑のコンビニの袋がかかっていた

瀬戸内菜美

何してるんですか??

私はベンチから立ち上がって 深澤くんの方を見る

深澤辰哉

ちょっと塾に用あってね

瀬戸内菜美

そうなんですね

深澤辰哉

あ、そうだ

深澤辰哉

講師らの差し入れだけど
多めに買ったから

深澤辰哉

1本なんか好きなのとって

そう言ってコンビニの袋の口を開けて中を見せてくれる

瀬戸内菜美

いいですよ、?私水筒ありますし

深澤辰哉

いいの!

深澤辰哉

あーほらミルクティーとか飲む?

深澤辰哉

お茶?ジュース?

青猫ロボットのポケットのように色んな飲み物が次々に出てくる

さすがに受け取らないのは 失礼だなと思い

瀬戸内菜美

じゃあミルクティーが欲しいです

そういうと

深澤辰哉

にひひ〜

深澤辰哉

はいどーぞ

目がとろーんと細くなって 口角も頬も上がって嬉しそうに ミルクティーを渡してくれる

瀬戸内菜美

ありがとうございます

深澤辰哉

どういたしまして

深澤辰哉

俺もなんか飲も〜っと

ふんわりと柔らかい笑顔でコンビニの袋を漁る深澤くんを見て つい釣られて微笑んでしまう

深澤辰哉

瀬戸内さんは?どうしてここに?

缶のブラックコーヒーをプシュッと開けてながら話し出す

私がここにいる理由、 なんて言うのが正解かな、

頭の中で模索しながら 一言ずつ話していく

瀬戸内菜美

なんとなく、ぼーっとしたくて

深澤辰哉

ふーん

まさか塾以外で会えるとは思ってなかったからどこか緊張しているかもしれない

だって普段なら対面なのに

今は真横に深澤くんが いるのだから、

深澤辰哉

俺もじゃあしばらくぼーっとしようかなー

深澤辰哉

って思ったけど色々話したいなぁ

深澤辰哉

喋るの我慢できないし

それは画面で見てた時から知っている

メンバー1お喋りが上手で

メンバーを見てしっかりボケにはツッコミを入れられて

自分もとことんボケちゃう

画面で見てきた時から 大好きな性格の推しが

そのまま画面から出てきたような というか出てきているのだけど 今も信じられないというか、

でも前に繋がれた手が、 手を乗せられた頭が

現実だよと言ってくれている気がした

瀬戸内菜美

深澤くんはなんで塾の講師をしようと思ったんですか?

前に似たような質問をしたけど あえて同じように聞いてみる

深澤辰哉

俺元々アイドルじゃなかったら

深澤辰哉

先生になりたいなって思ってたんだ、

深澤辰哉

勉強が好きとかそういうのじゃなくて

深澤辰哉

色んな生徒と向き合いたいって

深澤辰哉

でも

深澤辰哉

アイドルになった以上教師は無理だなって思って

深澤辰哉

塾講師としてやってきたんだけど

深澤辰哉

新人すぎるからとりあえず好成績の瀬戸内さんだけねって言われちった

オレンジの夕日を見ながら少し切なく話される、

瀬戸内菜美

先生ってイメージないかもです

深澤辰哉

だよな

深澤辰哉

俺もそう思う

深澤辰哉

絶対授業とか放置して他のこと話し始めそう

瀬戸内菜美

それ自分で言っちゃったらダメなやつじゃ

深澤辰哉

あ、ほんとだね

今度は私ににこやかな 目を向けて話してくれる

深澤辰哉

まぁでも塾で良い教え子たちに出会えたから既に幸せだけどね

瀬戸内菜美

え、?

教え子って私一人って言ってた、 よね、?

私のびっくりしている表情に気付いたのか深澤くんはまた私の目を見てさっきと同じような柔らかい顔をして笑う

深澤辰哉

さてと、家では暇かもしれないけど

深澤辰哉

そろそろ帰りな

深澤辰哉

暑い季節と言ってももう6時だぞ

深澤辰哉

課題追加しようか?

さっきの笑顔とはまた違う 優しい顔をする塾講師に変わった

瀬戸内菜美

テキスト5ページまでなら…

深澤辰哉

じゃあ5ページ追加ね

瀬戸内菜美

わかりました!

どんなに難しい問題でも

深澤くんが出す課題なら いくらでもこなせる気がした

だけどさすがに多すぎると前日にあたふたする気がしたからページを指定してしまった

瀬戸内菜美

じゃあ失礼します

深澤辰哉

ちゃんと課題やれよ〜!

瀬戸内菜美

わかってます!

私は深澤くんに手を振り公園を出て行く

何故か最初は緊張していたのに

まだ離れたくない、もっと話していたい、そんな気持ちになった

これが、

恋なの、?

また会いたいそう思う私は、

深澤くんのことを好きになってしまったんだ、

本当に推しに恋をしてしまったんだ

手のあるミルクティーが宝物のように煌びやかに光っていた

E.3まで ❤450以上

❤連打と感想💬沢山待ってます❣️

ー推しが私の“担当”になりましたー

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コメント

6

ユーザー

やっと追い付いたー!ずっと読めてなくてごめんね🙇💦💦続き楽しみ!!

ユーザー

もう最高ですッ✊🏻♡ 続き楽しみにしてます🙌🏻🎶

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