テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

第28話 - 2度目

450

2023年04月19日

#青春恋愛

#小悪魔

#生徒会

#仮面

#猫かぶり

#一次創作

しふぉん

わたしは逃げた

でもわたしにとって、大切な友達だったから

ちゃんとわたしを見て好きになってくれた人だったから

月

（…だから、ごめんって振っただけなのに）

サイッテー

燐咲月ってさー、イケメンだったら優しく振るわけ？

あーしの彼氏には誰？とかむりとか言ってきたくせに

月

…だって、誰か知らなかったから

月

ていうか付き合ってたのにわたしに告白とかしてたの…

っせーな！

謝れよ！

月

うるさいな、じゃあ言っときなよ

月

燐咲月は男たらしでサイテーだから好きになんなよって！

は！？開き直んなよ、その態度を直せっつってんの！

月

わたしなんもしてないでしょ、勝手に好きになってきてんじゃん

おまっ…！それ、男らにも言うからな！

月

いやわたし言ってるし

月

（…さいきんはこういうのも少なかったのに、面倒…）

バーカ！！！もう護ってくれるスパダリくんもいないんでしょうが！

そーじゃん！！あんたもあいつの追っかけでしょ？置いてかれててざまぁ！

月

…何それ、誰のこと

しらばっくれんなよ笑、遊馬くんじゃん！！あんたも好きだったんでしょ！

月

なに置いていかれたって、陽くんは───

どうせ転校のことも知らなかったんでしょ！笑

月

………は？

月

なに、転校って

へ？

え、まさか知らないの？笑

遊馬陽くんはーぁ、もうこの学校にいませーん！笑

月

………え、なんで？

ぎゃはははははは！！！

やべー、クソ笑える、なんで？だって！！！

どんな声も、耳には入らなかった

ただ陽くんは、わたしを本当に何も言わず置いていったんだって…それだけ

茜くんとも気まずくて話せないままで相談できる人もいない

そして、その日からわたしは女の子にいじめられるようになった

月

…っわたし、サイテーだ

月

（……陽くんがどういう考えだったかはわからないままだけど）

月

（茜くんのこと、忘れるなんて…）

茜くんの告白したあとの寂しげな笑みと、あのときの笑顔が重なった

それまでだってどんなに哀しかっただろう

月

（わたしが陽くんに忘れられてたら…そんなの、嫌だ）

月

（……でももしかして）

月

（陽くんもあのときのわたしみたいに、わたしのこと…親友みたいに思ってたら？）

月

（そしたらわたしも、報われない恋なのかな…なんて）

茜くん

あ！月せんぱいおはよう！

月

…え、あ、茜くん

茜くん

うん！

茜くん

…なんで話しかけてくるんだろうって顔してるー？

月

…まあ、ちょっとすごいなって

茜くん

あはっ！おれ、だってせんぱいがやっとネコ被らなくてもよくなったなら

茜くん

昔と同じように、はっきりした月せんぱいと話せるのかなって

茜くん

そしたら話しかけずには、いられないもん！

月

…げんき

ぽつ、と呟くとばいばいと通り過ぎていく茜くんに手を振った

影くん

あれ、ねえ今茜って…

茜くん

うん、月せんぱい思い出してくれたよ、おれのこと

影くん

ふーん、うそじゃなかったんだ、知り合いだったの

茜くん

うそじゃないよ！？

茜くん

でもせんぱいはやっぱりおれとは話したくなさそうだ

茜くん

（忘れてたのは）

茜くん

（それ以上に、何かあったからだよね）

茜くん

（だからネコも被るようになったんだよね）

茜くん

（そんなとき側にいられなかったおれに、まだ気を遣ってくれてる）

茜くん

（…っやっぱ、好きだ、けど…）

茜くん

ちゃんと、終わりを見つけなきゃね

影くん

…ふーん

陽会長

はい、今日はこれで終わり、帰っていいよ

月

あ、陽くん今日は───

陽会長

ごめんね、予定あるんだ

月

っ、待っ────

茜くん

…月、せんぱい

月

っ、え？

茜くん

ちょっとだけ…いい？

茜くん

ごめんね、迷惑ばっかしで

月

ううん、ぜんぜん、わたしこそごめん、忘れたりして

茜くん

んーん

月

…髪の毛、似合うよ

茜くん

！

茜くん

…せんぱーい、それはズルくない？

月

…

茜くん

せんぱいが似合うって言ってくれたから

茜くん

…染めて、みたんだよ

月

…うん、覚えてる、よ

茜くん

……せんぱいにまた会いたくて、あんなんで終わりたくなくて…

茜くん

だから、この学園に…生徒会に、来た

月

…うん

茜くん

今でもずっと…ずっと、好きです

分かっていた

この子が本当にわたしを見て好きになってくれてることも

今もずっとわたしのことが好きだってことも

月

…ごめん

月

わたしは陽くんが、好きだから

茜くん

…うん、知ってたよ

茜くん

もうちゃんと…ちゃんと、後輩でいるから

茜くん

だから今度は…またたまには、話しかけてね

月

…うん…っ

月

茜くん！

茜くん

ん？

月

好きになってくれて、ありがとう…っ！

茜くん

！…うん、だーいすきです！

小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

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桃尾くんと気まづい雰囲気になって辛い思いをしてたのにそこから女子たちのいじめって辛いの壁を通り越してるよ……そりゃ猫被りたくなるわ……💦 桃尾くんにとって月さんは今も昔もずっと大好きな先輩だったんだな、って伝わってきた💭 陽センパイと月さんの関係も少しずつでいいからいい方向に進んでいって欲しいな……