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最高です(*≧∀≦*)
石原 乃亜
前田 智矢
何、この空気。
黙ってコーヒーを飲む音だけが
規則的に響く。
ていうかいつ帰ればいいの?
服が乾くまで?
……少なくとも今日1日は
ここにいるってことか。
下着無しで……
ボッと赤くなる頬。
もうっ…どうしたらいいのよー!
前田 智矢
前田 智矢
石原 乃亜
バサッと音をたてて
あたしを押し倒した智矢を
下から見つめる。
前田 智矢
石原 乃亜
石原 乃亜
石原 乃亜
前田 智矢
理由になってない……
でも一目惚れ?智矢が?
前田 智矢
うるっとした瞳で
あたしを見る智矢。
ズルいから……
石原 乃亜
あと少しで
流されそうになった時。
あたしの頬の横に転がる
真っ赤なネイルが目に入った。
そうだよ。智矢は他にも
こんな風にする女がいる。
騙されちゃいけない……
石原 乃亜
石原 乃亜
石原 乃亜
前田 智矢
石原 乃亜
手を伸ばして赤いものを
智矢に見せる。
前田 智矢
石原 乃亜
石原 乃亜
ツンッとそっぽを向いて
智矢が降りるのを待った。
何でこんなのに
一目惚れしちゃったんだろ。
…あたしもバカ。
かなりのバカ。
でも、あたしの上から
避けようとしない智矢が
愛しい。
……離れないで。
他の女なんて見ないで。
何でこんな短時間で
好きになっちゃってるんだろ…
前田 智矢
そう言うと
あたしの上が軽くなった。
そして携帯をいじり始めた智矢。
石原 乃亜
前田 智矢
前田 智矢
口の端をにっと上げて
携帯を耳に当てて
そのままあたしに近付く。
石原 乃亜
口に人差し指を当てて
あたしに静かにするように促す。
ピタッとあたしの
左耳に携帯を当てた。
簡単に言えば、あたしの左耳と
智矢の右耳の間に
携帯があるって状況。
なかなか近いんだけど……っ。
『…もしもし?智矢?』
前田 智矢
女の人の声が携帯から聞こえる。
それだけで
嫌になるあたしは重症。
『智矢からって珍しいわね』
前田 智矢
前田 智矢
そこであたしを見つめる智矢。
"好きなやつが出来たから"
とか言うの?
"だから別れて"みたいな?
……それはそれで嬉しいけど。
でも信じられるかな…
そんな言葉を
想像していたあたしは
次の智矢の言葉に耳を疑った。
前田 智矢
前田 智矢
『智矢が女連れ込むなんて
珍しー。あ、そのへんに
散らばってるネイルとか
片付けとかないと疑われるよ』
前田 智矢
『じゃ。仕事中だから切るわよ』
ピッと呆気なく切れた電話。
あたしは呆然として
智矢を見つめる。
前田 智矢
前田 智矢
石原 乃亜
石原 乃亜
前田 智矢
……じゃあ、あのメイクブラシも
かわいいマグカップも
全部お姉ちゃんの…?
石原 乃亜
でも安心して
智矢に笑いかけると
ガバッと抱き締められた。
前田 智矢