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今度こそ、
終わりです。

さぁ、
覚悟しなさい。

ボワッ

夜桜猫

バンッ!

ッ!?

バコンッ!

夜桜猫

ッ!?

それは突然の事だった。

近くで何かの発砲音がなり、

女性のいる地面で 何かが刺さり爆発した!

一体、何ですか…

次から次と…

女性はいち早く後方に 下がり、回避していた。

先程、女性の立っていた 地面を確認すると、 黒い剣が突き刺さっている。

夜桜猫

(これ、
館の時に見た…)

スタッ

夜桜猫

ッ!

夜桜猫の目の前に 何者かが上から降り立つ。

夜桜猫

(…この人が…)

……。

第56話

『正体不明』

……。

夜桜猫の前に立つその者は 黒いフードを覆い 被っている。

長髪らしく首の左から 胸下まで黒い髪がまとまって 降ろされており、

左手には銃が握られている。

夜桜猫

(…全く知らない人だ。)

夜桜猫

(性別も
よく分からない…)

そちらの方の
仲間さんですか?

…ここで貴様と
会うとはな…

はい?

ダッ!!

ブンッ!

ドカッ!

がっ!?

夜桜猫

ッ!?

フードの人物は 瞬時に女性に近づき、 彼女の腹部を蹴りつけた。

かはっ…

女性は勢いよく 後方に立つ樹に背中を ぶつけると、

フードの人物は 間もなく女性の頭に、 銃口を突きつける。

…痛っ、

…また騒ぎを
起こしに来たか?

はい?

最近、各地域の
騒動だ。

夜桜猫

(騒動?)

人間に願いが叶うと
デタラメを吹き込み
魔具を渡し、

その人間を
闇へと落とさせて
街を破壊させる。

それをしているのは
お前だと聞いたが、

一体、何の事やら…

私はただ探し物を
してるだけですよ。

そんな構ってる暇
なんてありません。

……。

ところで、
本当に貴方は誰です?

天界や魔界の奴らでは
なさそうね?

それと、
人間とは思えない
程の…

あれをこちらに渡せ。

…はい?

2つ集まれば、
門が完成し災いが
現れる…という物だ。

その欠片を
お前は持っているだろう。

それを渡せ。

……。

お前は創ったものが
必ず従うと
思っているだろう。

だが、それは
大間違いだ。

創られた者達は
貴様のした行いに
深く傷つき、

憎しみや怒りに
抱いている。

貴様らと
平和なこの世界もな、

特に奴は
中でも一番だ、

奴?

知らないだろう。

貴様らにとって
想定外の存在だ。

貴様が幸福感に
満たされる前に、
奴は貴様を殺し、

計画を乗っ取り、
復讐を始めるだろう。

夜桜猫

(…話に
ついていけない。)

夜桜猫

(この人達は
一体、何の話を
してるの?)

別に貴様が
どうなろうと
どうでもいい。

だが、
奴の望みどおりには
なってはならない。

破壊して
使えないように
してやる。

…ハハッ、

聞いてれば、
面白い冗談を
言いますね…。

私が殺される?

計画が乗っ取られる?

女性はニヤニヤと笑っていたが、 不意に笑顔が消え 真顔となる。

…我が計画は
必ず成し遂げる。

邪魔者なら
全て始末すればいい…。

……。

スッ

ッ!

突然、フードの人物と 女性に何か黒いものが 飛びかかる。

二人は離れて、 飛んできたそれを避けた。

…これは…

ガルルルッ…

…先程、
襲って来たから
仕込んだ物達か。

まぁ、
上手く馴染めなかった
ようだな…

二人のいた場所には 野犬がおり、 二人を威嚇している。

夜桜猫

(友好的に見えない。)

…これ以上の
時間ロスはできん。

早く魔の森に…

スッ

ッ!

女性の背後から 別の野犬が襲いかかる。

しかし、女性は 瞬時に上空に浮かび避けた。

やはり、
コントロール不可か。

まぁ、だが
貴様らを
始末するには
十分であろう。

ウゥッ…

ガルルッ!

夜桜猫とフードの女性の 前方から続々と 野犬が現れる。

夜桜猫

(沢山いる…)

ボワッ!

夜桜猫

ッ!

二人と野犬を囲むように 黒炎の壁が出現した。

夜桜猫

(最悪だ…)

……。

おや、この気配…

…ククッ、

女性は遠くを見て、 怪しく笑う。

…今までの偽物
ではないな。

この地は確実に
滅びへと向かうだろう…。

では、さらばだ。

せいぜい苦しみながら
死ぬといい。

女性は上空に浮かびながら この場を去っていった。

…すぐに
始末すべきだった。

夜桜猫

(一体、何が
起きてるのか
分からない。)

夜桜猫

(ここが滅ぶって
どういう事?)

…北西の方角か。

夜桜猫

え、えっと
貴方は…。

…知る必要ない。

知れば、
私はお前を殺す。

夜桜猫

殺すっ!?

夜桜猫

(この人、怖っ!?)

私がこいつらの
相手をしよう。

その間、
この森から出て、
東か北に逃げろ。

この街いれば、
確実に騒動に
巻き込まれるようだ。

夜桜猫

え、でも仕事が
ありまして…

仕事?

夜桜猫

えっと…その…

ダッ!

バンッ!

女性は襲いかかってきた 野犬の胸元を瞬時に撃ち抜く。

すると、 撃ち抜かれた野犬は その場に倒れた。

バンバンッ!

続けて他の野犬にも 向かって撃った。

だが、野犬は軽々と避ける。

夜桜猫

なんか普通の犬より
素早くないですか?

あの女の魔法で
本来以上の
力が出てるのだろう。

話してる暇はない。

早く行動しなければ…

夜桜猫

で、でも
出口が…

夜桜猫

(あ、もしかして
魔法だから
これも壊せるんじゃ…)

…後方の道を
開ける。

炎が消えたら
あっちに飛び降りろ。

夜桜猫

え、

夜桜猫

(後方って
崖なんだけど…)

前方に逃がしても
まだ他にもいる
可能性がある。

先にやつらを
始末しても炎の処理が
間に合わず焼け死ぬ。

だから、
逃げ道は
後ろしかない。

夜桜猫

い、いやでもっ、
この高さは…さすがに…

大丈夫だ。

下に落ちても
お前は死なない。

夜桜猫

(その確証は
どこから来るの!?)

夜桜猫

(あ、もしかして、
ここで死ねって
言ってる?)

夜桜猫

(殺すとか言ってたし、)

…死にたいか?

夜桜猫

死にたくないですよっ!

夜桜猫

(私はまだ
やる事が沢山ある!)

夜桜猫

(今、読んでる
漫画最後まで
完結してないし、)

夜桜猫

(まだ行ってない
行きたい猫様カフェや
タピオカ店沢山あるし、)

夜桜猫

(事務所の仲間に
心配かけたくないし、)

夜桜猫

(何より…)

なら、
それでいい。

今はまだ、
その時ではない。

夜桜猫

え?

ガチャッ

バコンッ!

銃口から出た黒剣が 後方の炎の壁に刺さり、 爆発した。

そして、 炎の壁が壊れ 後方の崖へと道が開く。

ほら、行け。

夜桜猫

ちょ、ちょっと
待って下さい!

夜桜猫

今のどういう意味ですか?

夜桜猫

その言い方、
私はいつか死ぬ
みたいな…

ドンッ!

夜桜猫

ッ!?

…忘れたままでいろ。

殺されたくなければ、な。

フードの人物は 夜桜猫の肩を勢いよく押した。

押された夜桜猫は バランスを保てず、

シュッ!

重力に従い 崖から落下する。

夜桜猫

うわあああぁぁぁぁぁっ!!

~夜猫依頼事務所~ 事務員室

青影

…帰ってこないですね。

青影

追跡装置も
バグってて詳しい場所
がわかりません…

夜桜

あれから
時間か。

夜桜

何か起こって
なければいいが…

青影

どうしますか?

青影

探しに行った方が
いいのでは…

夜桜

あの森は
特殊な場所らしい。

夜桜

逆に俺達が
遭難するだろう。

夜桜

最悪、
すれ違いになる
ケースもある。

青影

(確か入ったら
出るのが困難とか
聞いたな。)

夜桜

まだ24時間
経っていない。

夜桜

捜索は帰って
からだな。

青影

(大丈夫だろうか。)

夜桜

そろそろ時間だ。

夜桜

あの二人を
起こしてくる。

青影

分かりました。

夜桜は事務所を出ていった。

青影

(…今夜か。)

パキッ

パキパキッ

青影は上着の中ポケットに 手をいれ、貝殻のペンダントを 取り出した。

そして、貝殻を開き 中を見つめる。

青影

……。

…1週間前、

白樹

現在の名前は
立浪 義信
(たつなみ よしのぶ)。

白樹

施設の地下で
住みながら
働いてるようだ。

白樹

外出はあまりせず、
幹部以外と会う事も
あまりないようで、

白樹

見つけるのに
時間がかかって
しまった。

青影

…今回の件に
加担してるんですか?

白樹

残念ながら
加担している。

白樹

彼の担当は
薬剤の制作、実験。

白樹

主に彼が作った薬は
被験者に使われたようだ。

白樹

そして、今回、
「狂化事件」に
使われた注射器の液体も…

青影

……。

白樹

刑罰は
免れないだろう。

白樹

終身刑、
あるいは死刑…

青影

…そうですか。

青影

調べていただき
ありがとうございます。

白樹

弾圧時、
私達が彼を含めた
幹部の逮捕を
担当するが、

白樹

もし、事態が
急変すれば
彼に会うことに
なるだろう。

青影

(悪い方向へ
進んでしまった。)

青影

(取り返しの
つかない方に…)

青影

(あの時、
もっと警戒するべき
だった…)

青影

(そうすれば、
止められてたはずだ。)

青影

(母さんも…)

トントンッ

青影

ッ!

突然、青影の肩を誰かが 優しく叩き、 彼は振り返った。

青影

…あ、おはようございます。

闇桜

……。

青影

(全然気づかなかった。)

闇桜

サ…イ

青影

ん?

青影

(何か言った?)

闇桜

サ、サムイ…

青影

(寒い?)

パキパキッ

青影

ッ!?

青影は音を聞き、 周りをみる。

事務所内は 氷が広がり、気温が かなり下がっていた。

青影

す、すいませんっ!!

青影

すぐ戻しますっ!!

青影は慌てて、 元に戻した。

青影

(またやってしまった…)

青影

大丈夫ですか?

闇桜

ダダダイジョウブジャナイ…

青影

(凄いガタガタ震えてる…)

青影

何か暖かい飲み物を
入れましょうか?

闇桜

コ、ココア…

青影は上着のポケットに 貝殻のペンダントをしまい、 ピンク色のコップに 温かいココアを用意した。

青影

どうぞ。

青影が机の上にコップを そっと置くと、 闇桜はコップを持ちゆっくり と飲み始めた。

闇桜

あ~、生き返る…

青影

(もしかして、
寒いの苦手なのか?)

青影

(今まで見た事ない程
ブルブルしたけど…)

闇桜

そうなのよ。

闇桜

私の住んでた地域は
一年中心地よい
暖かさでね、

闇桜

極端な気温の
場所は苦手なのよ…。

青影

そうですか…。

青影

(そんな所あるんだな。)

闇桜

青君はさっき
寒くなかったの?

青影

なかったですね。

青影

魔法の影響か
寒さに耐性がある
みたいで…

闇桜

へぇ〜、いいわね♪

青影

ただ暑いのは
全然駄目なんですよ。

青影

出身地は
暑い地域なんですが…

闇桜

もしかして、
北の街?

青影

はい。

青影

最近は観光場所で
有名みたいですね。

闇桜

いい街よね~♪

闇桜

街の人も優しいし、

闇桜

海鮮物やフルーツは
新鮮で美味しいし、
時間を忘れてのんびり
過ごせる。

青影

(確かに
いい地域だったな。)

闇桜

青君はどうして
この街に来たの?

青影

えっと…

青影

来たと言うより
流れ着いた
感じですね…

闇桜

流れ着いた??

青影

まぁ、
色々ありまして…

闇桜

それがさっきの
原因だったりする?

青影

……。

青影はきまずそうに 視線を逸らした。

闇桜

最近、調子が
悪いよね?

闇桜

1人の時は
冷気が発生してて、
ボーッとしてるし、

闇桜

事務所の医務室で
寝不足で寝てる事多い。

青影

…すいません。

青影

(傍から見れば
不真面目な態度だよな。)

闇桜

そういう事じゃないわ。

闇桜

ただ、その状態だと
今日は危険よ。

闇桜

魔法使ったら、
コントロールが
効かなくなる可能性
がある。

青影

(そうなると、
まずいよな。)

青影

(周りに
迷惑がかかる。)

闇桜

周りもそうだけど、
青君自身が一番心配よ。

闇桜

魔力の使い過ぎは
命に関わるでしょ?

闇桜

だからその、
死んじゃうん
じゃないかって…

青影

(…死か。)

闇桜

……。

青影はふと 闇桜の方を見る。

彼女の顔からは 不安げな表情が伺える。

青影

(結構、心配を
掛けてしまってたん
だろうか?)

闇桜

おかげで
最近は全然
寝れなかったわ…。

闇桜

寝ても変な夢で
すぐに目覚めるし…

闇桜

まぁ、
さっきはさすがに
眠くて寝たけど…

青影

(そんなに…)

青影

(俺、闇桜さんに
かなり迷惑を
かけてるな。)

青影

なんかすい…

スッ

青影

ッ!?

青影が言いかけた瞬間、 闇桜は彼の口を 手の平で塞いだ。

闇桜

…謝らなくていいわ。

闇桜

謝らなくていいから
何に悩んでるか
話してほしい。

闇桜

本当に心配だから…

青影

……。

夜猫依頼事務所~厄災の魔女~

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