コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主
主
主
主
春の日差しが暖かいある日
ポートマフィアでは黒蜥蜴以上の上層部が会議室に集められていた。
森
森
一同は森の圧を感じ、気を引き締めた。
森
一同
先程の雰囲気とは打って変わった森の発言に一同は一瞬理解が追いつかず間抜けな声を出してしまった。
森
紅葉
中也
森
エリス
森
立原
立原
梶井
芥川
銀
樋口
広津
一同は次々と断りながら退室していく。
森
そうして森の声は誰もいない会議室に虚しく響き渡ったのだった。
そうして一同が会議室から出ると会議室の周りが構成員達で埋め尽くされていた。
構成員
中也
中也
ちなみに構成員達に花見の情報を流したのは森である。上層部が断ることを見越して活気ある構成員達に先に情報を流しておき、構成員達に上層部を誘わせる作戦だったのだ。しかしこの時の森は中也を巻き込んだ失態でこの後自分がどうなるかをまだ知らない。
構成員
中也
構成員
構成員
中也
構成員
中也
何を勘違いしたのかそれとも聞き間違えたのか分からないが、誰かが中也が花見に行くと宣言してしまった。
それを聞いていた立原は広津、芥川、銀に目配せする。
立原
そうしてポートマフィアの勇者パーティーの出動が決まったのだった。
ポートマフィアの勇者パーティーが誕生したのは、太宰がポートマフィアを去ったすぐ後。
今までは太宰が中也のすぐ側におり、中也に手を出せば即座に殺されるという状態だったが、太宰がポートマフィアを去ったことにより、中也に気がある構成員達はここぞとばかりに中也に話しかけるなりアピールするなりしていた。
構成員
構成員
中也
構成員
構成員
それを見ていた広津は自主的に塵の処分を始めた。なんと広津は、太宰がまだポートマフィアにいた頃に、中也に好意を持つ塵の処分を手伝っていたのだ。そして何より、太宰ならば絶対に中也を手放さないだろうことを理解していた。そのため、このまま何もしなければ必ず中也に被害が出る=太宰が激怒=何もしなかった自分に矛先が向かう、という予想をし、現在に至ったのだ。
そしてみるみる仲間は増え、いつしか勇者パーティーが出来上がっていた。
勇者広津 戦士立原 僧侶銀 魔法使い芥川 広津・・・作戦指示を出す、長年太中を見てきた為多少の事では動じない 立原・・・前衛、無茶振りを言われることしばしば 銀・・・全体のサポート役、情報収集など 芥川・・・後衛、すぐに殺しちゃうので後衛になった ※「中也本人にバレない活動」がモットー
この役職名にさほど意味は無いのだが、何故だか森とエリス、紅葉に名付けられていたのだった。
そして時は流れ現在
その後、中也はいつも通りに任務を終え帰宅し、太宰に今日の一件を話していた。
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
そう言って太宰が中也を見ると、中也は頬を赤らめて俯いていた。
太宰
太宰
中也
太宰
そう言うと漸く中也が控えめに太宰の目を見た。それを見た太宰は堪らず中也の顎を掬い、唇に口付けた。
太宰
中也
太宰
中也
そうして太宰と中也は甘い甘い夜を過ごしたのだった。
太宰から勇者パーティーと紅葉に連絡が来た次の日、5人は早速計画を練っていた。
紅葉
広津
立原
立原は過去に、太宰が中也の案件でブチ切れたところを見たことがある為、内心太宰に殺されないかヒヤヒヤしながら話していた。
紅葉
そこで銀が机にスッと束になった書類を置いた。
広津
芥川
すると芥川がそれを手に取った。
芥川
紅葉
広津
紅葉
立原
書類の写真を見る紅葉の顔には素敵な笑みが浮かんでおり、本物の金色夜叉のようだった。
紅葉
広津
紅葉
広津
そうして5人の作戦会議は幕を閉じたのだった。
そしてお花見当日
立原
一同
立原の音頭と共にお花見が始まった。しかし構成員達は「花より中也」のようで、桜など全然見ていない。この音頭だって中也にやって欲しいと言う声が多かったところを立原が立候補してやったのだ。本当はやりたくなかったのに。
構成員
構成員
中也
構成員
構成員
中也に断られた構成員達を見て、勇者一行はどうだ?心折れたか?と期待したのだが、実際は…
構成員
新人構成員
新人構成員
構成員
立原
なんて見当違いな思い込みをしているんだろうと正直引いていた。最近の若者はみんなこうなのか?俺らとは考え方が違うのか?とすら思ってしまう。そして、更に中也ガチ恋勢が増えたことにうんざりしてしまった。
中也
紅葉
中也
そう言って紅葉が気になるワードを出してみても気づく者や疑問に思う者はおらず、遠慮や警戒なしに再びガンガン話しかけて来る。そして、今回最も危険視されている構成員が中也に話しかけて来た。
構成員
中也より先に紅葉が答えた。
紅葉
構成員
その時紅葉がにこ〜と微笑んだ。あ、これはかなり怒ってるなと思った中也は内心ハラハラしていた。
中也
それを察した広津が立原と芥川に目配せした。
広津
芥川
立原
立原
構成員
そうして立原は中也の直轄部下のモブ郎を人気の少ないところへ誘導した。
構成員
立原
すると予想外にもモブ郎は言い返して来たのだ。
構成員
芥川
そう言って、物陰に潜んでいた芥川がモブ郎の喉笛に羅生門の刃を突きつけた。
構成員
芥川
立原の説教に芥川の圧も加わり、モブ郎は腰が抜けてしまい、地面にへたり込んでしまった。
立原
構成員
そうして立原と芥川はモブ郎を置いてみんなの元に戻ったのだった。
それからもしつこく中也に話しかけて来る構成員達を立原、芥川、銀の三人で片付けていった。しかし、ある程度経つと酒が回ってきた構成員達がとんでもないことを言い出し始めたのだ。
構成員
中也
構成員
中也
中也は驚きのあまり飲んでいたお茶を喉に詰まらせて咽せてしまった。
立原
中也
構成員
構成員達は中也の答えが相当嬉しかったようで、本人や上司にバレないようにコソコソと話している。しかしそれもガッツポーズがしっかり見えていてバレバレなのだが。
立原
そう、中也は「恋人は」と言ったのだ。旦那がいないとは言っていない。
そして更に畳み掛けるように中也を狙う構成員達が口を開く。
構成員
中也
構成員
立原
構成員
構成員
構成員
中也の話を最後まで聞かず、次々と希望者が声を上げる。その中には、先程立原と芥川に説教されたモブ郎の姿もある。芥川、銀、立原が止めに入ろうとしたとき、中也の横に金色夜叉が現れた。しかし、話に夢中になっている構成員達は気づいていない。
立原
芥川
銀
中也
そしてついに紅葉が刀を抜きかけたそのとき。
太宰
中也
立原
芥川
銀
中也の背後から太宰の声が聞こえ、太宰がひょいと中也のことを抱き上げた。
中也
太宰
そして太宰は構成員達に射抜くような鋭い視線を向けた。
太宰
構成員達は太宰の声、視線で立っていられなくなり、膝から崩れ落ちて震え上がっていた。
紅葉
太宰
そう、広津は中也が恋人がいるかと聞かれた頃に太宰に状況を連絡していたのだ。
立原
紅葉
広津
太宰
紅葉
そうして太宰と中也は帰宅したのだった。
手を繋いで帰っているとき、中也は太宰に話しかけた。
中也
太宰
中也
太宰
太宰が微笑んでそういうと中也は頬を赤く染めて俯いてしまった。そんな中也に優しく愛情が伝わるように話しかける。
太宰
すると中也は小さくコクンと頷いた。
太宰
致命傷の太宰に、更に中也がとどめを刺した。
中也
太宰の中でグサっとハートの矢が刺さる音がした。ちなみにプツンとなにかの糸も切れそうだ。太宰は糸の方が切れないように家への帰路を急ぐのだった。
主
主
主
主
後日談①
数日後、太宰と中也がリビングで寛いでいると中也がふと思い出したことを口にした。
中也
太宰
中也
中也は何故自分の為に探偵社員がそこまでしてくれるのか分からず混乱した。その様子を見て太宰が中也に話しかける。
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
中也は吃驚しつつも照れており、頬を緩ませていた。そんな中也に太宰は思ったことを口にした。
太宰
中也
そうして2人は幸せをひしひしと感じ、微笑みあったのだった。
後日談②
お花見のあと、立原は1人悶々と頭を悩ませていた。
立原
そして、その悩みは解決しないまま月日は流れ、太宰と勇者パーティーと紅葉でお花見で何があったか、それとその後の処置などを決める場が設けられた。
太宰
紅葉
一人一人話している間、ずっと立原はビクビクしていた。何故なら、太宰の視線が今にも人を殺しそうなのだ。立原は今日が自分の命日だと悟った。
そして全員が話し終えると、太宰は勇者一行に告げた。
太宰
立原
立原は心の中で精一杯叫んだ。だってもうそうするしかないのだ、怖すぎて。足がプルプル震えそうになるのを必死に堪える。そんな中、勇者広津が太宰に声をかけた。
広津
太宰
広津
太宰
立原
立原はもう色々怖すぎて逆に落ち着いてきてしまい、広津の勇者っぷりに感心していた。
その後話し合いは終わり、それぞれが自分の持ち場に戻った。このとき立原の頭からは当初の悩みは消えていた。しかし、ただ一つだけ思った。太宰治恐るべし、と。
更にその後恐るべきことが起こる。別件の任務の報告で首領室を訪れたところ、森が紅葉に金色夜叉の刃を向けられていたのだ。立原はもう一度思った。太宰治恐るべし、と。