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津田未来

ずっと目立たなかった私

津田未来

でも

津田未来

コックリさんのおかげで人気者になれた!

津田未来

それなのに……

津田未来

あいつのせいだ……

津田未来

あいつが余計なことを言ったから……

津田未来

中村美和のせいでなにもかも台なしになった

津田未来

そう考えた私は、美和に復讐することにした

津田未来

お見舞いのふりをして、美和の家に行ったが

津田未来

誰にも会いたくないといって断られてしまった

津田未来

けれど 近所で話を聞いたら

津田未来

どうやら美和はときどき獣のようになって暴れまわるようになったらしい

津田未来

いい気味だ

津田未来

きっとコックリさんの祟りに違いない

津田未来

私は美和の友達から彼女の連絡先を入手して、こんなふうに言ってみた

津田未来

中村さん、大丈夫?

津田未来

もしかしたら私なら呪いを解けるかもしれない

中村美和

どうしたらいいの?

案の定食いついてきた

占いとかを否定していたのに、賤しい女だ

そこで私は、夜家を抜け出して会いに来るようにいった

もちろん呪いを解いてやるつもりなんてないけれど

中村美和

津田さん?

中村美和

約束通り来たよ

津田未来

馬鹿ね!

津田未来

中村さん、あなたはコックリさんに呪われたの

津田未来

もう助からないわ

津田未来

あなたは、獣になってしまうのよ!

中村美和

いやぁ!

彼女の精神を不安定にしたら、突然、彼女は獣のようにふるまいだした

私はそれをみてげらげら笑っていた

さらに面白いことに

正気に返った美和は、獣になっていた前後の記憶を失っていた

だから私は

呪いが解けるよう治療をしているのだ、と嘘をついて

何度も彼女を呼び出し、獣にして遊んでいた

けれどある日

いつものように美和をからかって遊んでいたときのことだ

精神が不安になった美和は、ふらふらと歩きだし

ベンチに腰をおろすと、また獣のようになって暴れはじめた

そのとき

カシャ、カシャと何度か閃光が走った

誰か撮影していたようなのだ

津田未来

やば

と思って私はすぐに逃げ出した

あれは何だったんだろう?

とにかく

また撮影に来られたら困るから、もうあの公園には行けない

他のどこかいい場所はないだろうか

そこでふと閃いた

津田未来

あそこはどうだろう?

その数時間前――

美月

次に狐憑きの人が現われそうな場所は……

優花

ねぇ、ここは?

美月

どこ?

優花

学校

優花

学校と公園から近い場所を探していたけど

優花

学校自体が人目につかない場所じゃない?

美月

あ なるほど

護法童子

可能性はありますね

津田未来

私が思いついた場所は学校だった

津田未来

ここならまず外からは見えない

津田未来

これはいい思いつきだ

津田未来

私はさっそく学校に美和を呼び出すことにした

津田未来

そうだ、せっかく外からは見えない場所なんだ

津田未来

いつもよりもっと思い切ったことをさせてみよう

中村美和

津田さん 来たよ

津田未来

中村さん、あなたの呪いなかなか解けないわ

津田未来

だから、今日はいつもより強い儀式をしようと思うの

中村美和

どうすればいい?

津田未来

まず、服を脱いで。全部

中村美和

!!

中村美和

……わかったわ

津田未来

それから、足を開いて、手を地面について

中村美和

こう?

津田未来

あっはははははは

中村美和

な、何、どうしたの、突然?

津田未来

そのかっこ、まるで犬みたいね

津田未来

もう人間のときも犬になってしまったんじゃない?

中村美和

そんな……、いやあぁぁぁ

また美和は正気を失い、犬のように走り出した

いい気味!

このまま朝まで人間に戻らなかったら、 クラスメートにこの姿を見せてやれるのに

美月

そこまでよ!

津田未来

!!

美月

あ 逃げた

優花

美月ちゃん でも今は……

美月

そうね 狐憑きの人優先!

中村美和

ぐるるるる……

美月

あ こっちも逃げた

美月

待て!

中村美和

ハッ ハッ

美月

早い!

美月

追いつけない!

美月

でも……

出発前――

護法童子

よいですか、狐憑きを解除するには

護法童子

大量のお札で囲む必要があります

美月

でも、また逃げられちゃうんじゃない?

護法童子

そうですね

護法童子

ただ、今回の場所は閉鎖空間です

護法童子

人間なら出口を見つけて逃げられるでしょうが

護法童子

獣状態になって思考力が落ちているなら、外には出られないでしょう

護法童子

そこで、一人が追い詰めながら

護法童子

もう一人はあれを使ってください

美月

あれ?

護法童子

そこの壁の、今開けますね

プシュ、といって工場の片隅の壁が開いた

美月

そこ、倉庫になってるんだ

優花

これは……

護法童子

ドローンです

美月

ドローン!

美月

でも、私達使い方わかんないよ

護法童子

大丈夫です

護法童子

現場に持っていって、カメラを向けてもらえば、私が遠隔操作します

美月

そんなことできるんだ!

そして今、私が追いつめる役をやっている

今頃優花がドローンを準備して……

美月

来た!

美月

空を飛んでるだけあって早い!

ドローンは狐憑きの人の進路を予想して壁に追いつめた

中村美和

グウウウウウ……

プシュッ

美月

お札がドローンから発射された!

それは狐憑きの人の頭上で広がり、全身を覆うように舞い落ちた

中村美和

ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………

すごい悲鳴が聞こえて、 狐憑きの人は地面に倒れてもがき苦しむように動きまわり、 やがて動かなくなった

美月

やったの!?

優花

美月ちゃん 行ってみよう!

美月

うん!

そこには、地面に横たわる、裸の女の人が倒れていた

中村美和

…………

さっきまで苦しんでいたようだったのに、今はとても穏やかな顔をしている

美月

これなら大丈夫そうだね

優花

うん 文字通り、憑き物が落ちたみたい

私と優花は事前に用意してあった毛布をお姉さんにかけ、 落ちていた服を拾ってきてそばに置いておいた

お姉さんはそのうち目を覚まして自分で帰るだろう

私達も引き上げることにした

後日

護法童子

先日はおつかれさまでした

美月

これで事件は解決なの?

護法童子

あとひとつやっておかなければいけないことがあったんですが

護法童子

それはわたしが処理しておきました

美月

えっ?

護法童子

工場の外に配達された荷物が置いてあると思うので、取ってきてくれませんか?

美月

はーい 行ってくる

美月

で、これは何?

護法童子

ウィジャボードですね

美月

ウィジャボード?

護法童子

海外のコックリさんで使う道具です

美月

ああ、なるほど

優花

……けど、これは一体どういうことなんですか?

護法童子

学校が特定できたので、お二人に狐憑きを祓ってもらっている間に

護法童子

SNSなどで情報を集めていたんです

美月

そんなことしてたんだ

護法童子

そしたらどうやら

護法童子

あの高校でこっくりさんをめぐるトラブルがあったようでした

優花

あっ!

美月

もしかして、狐憑きの人はコックリさんで狐に憑りつかれたってこと?

護法童子

そのようです

護法童子

そして、昨日逃げていった女性がコックリさんの主催者のようですね

護法童子

さらに調査するうち、その女性が何か特別な道具を使っていたことがわかりました

護法童子

普通にコックリさんをするだけでここまで大きな事件にはならなかったでしょう

護法童子

その「特別な道具」というのが、今回の事件の原因になっているのではないか、と推測しました

美月

その特別な道具がこの……ウィジャボード?

護法童子

そうです

優花

でも、それがどうしてここに?

護法童子

まあその……

護法童子

コックリさんの主催者を特定した上でですね

護法童子

ちょっとだけ脅すようなことを言って、送らせたのです

美月

ひえー

優花

えー

護法童子

引かないでください

護法童子

非常事態だったので、やむなくですよ

美月

それにしても、あの狐憑きは本当に狐の霊が憑りついていたの?

護法童子

それなんですが

護法童子

そのウィジャボードをちょっとそこの台に置いてみてください

美月

ここ?

護法童子

――検査中――

護法童子

やはりそうか

美月

どうしたの?

護法童子

このウィジャボードには、人間の精神に働きかける薬品が使われています

護法童子

これを使っていると、暗示にかかりやすくなるようです

優花

ええっ!?

美月

そんなの手に持っちゃったよ。大丈夫なの?

護法童子

ええ。普段はそこまででもないので

護法童子

ただ何度も擦っていると、薬品が気化して吸い込んでしまうようです

美月

ああ じゃあコックリさんをやっているうちに……

護法童子

そういうことですね

護法童子

おそらく「狐使い」の女性本人も

護法童子

暗示にかかってどんどんおかしな考えに突き進んでしまったのでしょう

優花

なるほど

美月

で、これはどうするの?

護法童子

封印しておきましょう

護法童子

今地下室の扉を開きますので、運んでくれますか?

美月

地下室まであるんだ

護法童子

危険なものはそこに封印しています

護法童子

さあ、お二人とも今回はご苦労様でした

護法童子

また何か異変があったら教えてください

美月

まかせておいて!

優花

えぇ~

優花

こんなこと、またやるの!?

美月

そんなこと言わない!

こうして、私と優花と護法の、この町を守るという使命が始まったのだった

終り

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