美琴母
お母さんが美琴と同じ歳のころね
美琴
うん
美琴母
好きな人がいたの
美琴
それって!お父さん!?
美琴母
ちがうわ。別の人だった
美琴
え、そうなの!?
美琴母
そうよ。でね、お母さん、勇気を出して告白したの
美琴
それでそれで!
美琴母
あっけなく振られたわ。
美琴
えぇ!なんで!?
美琴母
背が高すぎるって。
美琴
え…
美琴母
お母さん、その時初めてこの身長を嫌だと思ったわ
美琴母
今ままで他の子に負けてないこの身長をとても自慢に思ってたのに
美琴母
あの告白で背が高いことが嫌いになった。なんで私はこんなにも背が高いの?って
美琴
…
美琴母
でもね、そんなとき慰めてくれた人がいたの
美琴
お父さん!
美琴母
そうよ。
美琴
お父さん、なんて言ったの?
美琴母
『美里は美里だ。背が高いとか低いとか関係ない。それが美里なら俺はそれでいいと思う。だって俺は今の美里を好きになったから』って
美琴母
お母さん、その言葉に救われたの。身長が高いとか関係なく好きになってくれる人がいる。
美琴母
そんなお父さんをお母さんは好きになったのよ。
美琴母
そして付き合って、結婚して、美琴が産まれたのよ
美琴
そっか、そうだったんだ
美琴
お母さんにも、そんなことがあったんだね
美琴母
そうよ。だから美琴。今の自分を好きになってね
美琴母
自分の嫌いなところがあっても、きっとその嫌いなところまで愛してくれる人がきっといるから。
美琴
うん。ありがとう!お母さん!!
美琴
私、この高い身長を好きになるよ!それでいい人をみつけるね!
美琴母
えぇ。美琴、いい人を見つけるのよ。お母さんみたいにねっ
美琴
うん!
美琴父
ただいまー
美琴母
おかえりなさい
美琴
おかえりー!
美琴父
どうしたんだ、二人して。ニコニコと。
美琴母
別になにもないわよねー?美琴?
美琴
うん!!
美琴父
ふーん。なんか怪しいけどなー
美琴
思い出話しをしてただけだよ!
美琴母
そうね
美琴父
思い出話し?
美琴
うん!お父さんとお母さんのエピソードを!
美琴母
ふふふっ
美琴父
え、エピソード?
美琴
うん!私もお父さんみたいな人みつけるね!
美琴父
ま、まて、美琴。いい人とは…?
美琴母
あなた、美琴だってもう高校生よ?
美琴父
だ、だが。
美琴母
あら?もしかしたらもう見つけてるかもしれないわよ?
美琴父
え、そーなのか?美琴。
美琴
いないよ笑笑おおげさだなー笑笑
美琴父
そ、そうか
美琴母
ふふふ
美琴
あははっ!(私にもいつかそんな人がいたらいいな)
美琴
じゃー今日はもう、お風呂入って寝るね
美琴母
そう。おやすみ
美琴父
おやすみ
美琴
おやすみなさい!お父さん、お母さん!