司の部屋
司
……よ、よし
司
え〜っ…と
えむをデートに誘うと決めた司は、えむにLINEを送ろうとしていた
司
『えむ、今度の日曜日に…
司
ああああなんて打ったらいいんだ!!!
司
遊びに行かないか?
司
ここにいかないか…
司
いや、うーん…
咲希
お兄ちゃーん!
そんなことに悩んでいると、妹の咲希の声が下の階から聞こえた
咲希
ごはんだよー!
司
あぁ!今行く!
司
…はぁ
司
やはり、ここは…『たい焼きを
ブーッブーッと司のスマホから音が出た
司
うおっ誰だ?!
司
……えむ?!?!
司
も、もしもし
えむ
あ、司くんもしもーし!
いつもの元気な声で、えむは答えた
司
えむ、突然どうしたんだ?
えむ
あ、えっとね
えむ
あたし司くんと行きたいところがあってね!
司
えっ、あ!?
司
(ま、まさかえむも…!)
えむ
穂波ちゃんのお誕生日プレゼント買いに行きたいんだ!
司
は、
えむ
あとメイコお姉さんにも!
司
そ、そうか
変に期待した自分がやけに恥ずかしくなった
司
それでは、来週の日曜はどうだ?
えむ
うん!その日は空いてるよ!
司
じゃあ、詳細はまたあとででいいか?
えむ
うん!ありがとう司くん!
えむ
ばいばい!
司
あぁ、またな
えむ
…さ、誘えちゃった〜!!
ベッドの上にあったぬいぐるみを抱き抱え、ゴロゴロと転がった
えむ
プレゼント選びだとしても、これは…!
えむ
デートだよね…!!
えむ
んふふ〜!
えむ
日曜日…
えむ
楽しみだなぁ…
司
え、む…と
司
デート…!
司
いやでもえむにその気はないかもしれない…が!
司
デート…だよな
司
はああああ…
咲希
お兄ちゃん!おそいよー!
司
あぁ!
司
今行く!
なんとも言えない不思議なこの気持ちが、たまらなく心地よかった
咲希
……ゃん!
咲希
お兄ちゃん!
司
…!?
ビクッと体を震わせ、驚いたような顔をした
咲希
ぼーっとしてたよ?大丈夫?
司
あ、あぁ…
えむとのデートで頭がいっぱいだとは言えず、何もないふりをして箸を進めた
司
…?類?
司
ご馳走様でした
司
すまん咲希、食器の片付け、あとででいいか?
咲希
いいよお兄ちゃん、アタシが片付けとくから
司
すまんな咲希!ありがとう
咲希
うん!
類
えむくんから聞いたのだけど
類
2人で出かけるのかい?
司
ああ!オレからは誘えなかったが…
類
よかったじゃないか
類
応援しているよ
司
ありがとうな類!
類
ところで司くん
類
…いや、やっぱりなんでもないよ
司
む、そうか
司
じゃあまたな
類
あぁ
類
……
えむ
『あたしね!好きな人がいるの!』
類
言うべき…だろうか
類
応援するよなんて
類
どうして…
寧々
……
寧々
どうしよう…!
寧々
えむ絶対類のこと好きじゃん…!
寧々はえむが類に好きな人がいる、と話していたところを目撃していた
ただ会話は聞こえなかったため、類と話す時に恥ずかしそうに顔を赤くするえむを見て、類が好きなんだと思っている
寧々
でも類とわたしは付き合ってるのに、
寧々
類は渡さないけどえむに悲しい思いはしてほしくないし…
寧々
どうすれば〜〜!