デート前日
天馬家浴室
司
はーー…
司
デート…明日…えむと…
顔半分を浴槽の湯に沈め、息を吐きぶくぶくと音を立てた
司
楽しみだな…
えむの部屋
えむ
明日だ…
えむ
えへへ…
えむ
司くんとデート、楽しみ…!
黄色いペガサスのぬいぐるみをぎゅうっと抱きしめ、えむは眠りについた
ショッピングモール
司
早く来すぎてしまった…
司
まだ20分もあるし、少し見て回るか?
えむ
あっ!司くーん!
えむは司を発見すると、こちらに走ってきた
司
うおっ!?えむ!?
えむ
えへへ、早くきたの、あたしだけじゃなかったんだね!
司
あ、あぁ…
司
(えむも楽しみにしてくれてたのか…!)
頭の中ではしゃぎながら、なるべくいつものように振る舞った
司
じゃあ行こうか、えむ
えむ
うん…!
司を見上げ、やっぱり好きだな、と実感した
隣にいるだけで、幸せな気持ちになるんだ
えむ
穂波ちゃんは〜こういうのが似合うと思うんだ!
司
なるほど、それもいいな
司
だがえむ、これはどうだ?
えむ
わあぁ!かわいい!
えむ
司くんすごいね!
かわいいのもすごいのもお前だと思いながら、ありがとなと返した
司
穂波へのプレゼントは決まりだな
えむ
うん!お会計してくるね!
司
…こういう時は、男が奢るものなのだろうな
えむ
う〜ん…難しいなぁ…
司
メイコへのプレゼントは服なのか?
えむ
ううん、帽子をあげようと思ったんだ!
えむ
でも…なにがいいのかなぁ…
司
帽子か…オレもよく分からんが
司
メイコに喜んでもらおう、と思うのではなく、似合うと思うものを渡したらどうだ?
えむ
似合うと思うもの?
司
えむからのプレゼント、という時点でもう十分すぎるほど嬉しいんだ
司
だったら、似合うものを渡した方がいい
えむ
…!そうだね!
えむ
じゃあ、この赤いベレー帽にしよう!
司
あぁ、いいんじゃないか?
えむ
うん!じゃあ買ってくるね!
司
あ、えむ、!
えむ
ほえ?
司
…その、昼飯
司
一緒に食べないか?、その
えむ
うん!
えむ
司くんとご飯食べる!
司
……!
司
あぁ
やっぱりオレは
えむの笑顔が、大好きだ
ファミレス
司
デミグラスハンバーグセットのご飯並、烏龍茶で
えむ
あたしは海鮮パスタ大盛りとオレンジジュース、それからジャンボパフェください!
店員
ご注文は以上でよろしいでしょうか
えむ
はい!
店員
では、少々お待ちください
司
えむ、そんなに食べられるのか?
えむ
うん!ここのパフェ美味しいからまた食べたかったんだー!
司
……ん?
司
あれ、寧々か?
えむ
えっ!寧々ちゃん?
司
えむ、ちょっと待っててくれ
司は席を立ち、寧々の方は小走りで近寄って行った
えむ
あ…司くん
えむ
行っちゃった…
ファミレス入り口
司がなぜ、えむをおいて寧々の方へ行ったのか
気になってしまい、えむは窓越しで2人を見ていた
司
ーーー、ーー!
寧々
ー?ーーー、ーー
司
ーー!!!
会話は聞こえなかったが、司が、すごく楽しそうに見えた
えむ
あ…
えむ
司くん、すごっく楽しそう…
えむ
あれ、
えむ
なんでこんなに
えむ
おむねがぎゅーってするのかな…?
えむ
そっか…
えむ
司くんは寧々ちゃんが
えむ
でも、寧々ちゃんは類くんがいるから、
えむ
司くん、辛いんだなぁ…
えむ
片思いって
えむ
すっごく嫌だよ…
そのころ、司と寧々の会話
司
おい寧々!!
寧々
げっ…
司
げっ、とはなんだ!!
司
それに、なんでついてきている!
司
お前"達"!!
えむからは見えない、看板のちょうど陰に、類は隠れていた
類
おっと、バレてたんだね
司
なんで着いてきたんだと聞いている!!
寧々
上手くやれてるか心配だって、類が
類
あぁ、今の所順調そうで安心したよ
類
ついでに、僕は寧々とデートだからね
寧々
えっ
類
おや?寧々はデートだと思っていなかったのかい?
寧々
別に…司立ち見に来ただけでしょ
司
相変わらずだな…
司
えむを待たせてしまっている
司
オレは戻るから、なるべく邪魔しないでくれ
類
あぁ、楽しんで
寧々
頑張ってね、司
司
悪いなえむ
司
…えむ?
司
目が赤いぞ、大丈夫か?
えむ
…うん、大丈夫
えむ
ほら、お料理どっちも来ちゃったよ
えむ
食べよう?
司
あ、ぁ?
司
ご馳走様でした
えむ
ごちそうさまでした
司
えむ、会計してくるから外で待
えむ
これ、3千円ね
司
?えむ…?
えむ
ごめんね、なんか体調悪いみたい
えむ
帰るね
司
あ、おいえむ!
鳳家
執事
おかえりなさいませ、お嬢様
執事
…お嬢様?
えむ
執事さん、ごめんね
えむ
いまはほっといてほしいなぁ
執事
お嬢様!?
えむ
……応援しなきゃ
えむ
なのに…!
えむ
うぅ…
えむは黄色いペガサスのぬいぐるみを、ベッドからおろした







