次の瞬間。
私は空を飛んだ。
美葉
あ…
掠れた声と共に私は宙を舞う。
柊先生
おっと!
美葉
え…?
柊先生
口説く前に死なれちゃ、
柊先生
困るんだけど?
太陽の光に照らされた貴方は
とても綺麗だった。
グイ!!
美葉
(ちから強…)
1度空を飛んだ私。 あっという間だったけど 1度離れた地面。
もう2度と着くことはないって 思ってた。
でも、
柊先生
んで、返事は?
美葉
え、あの…
美葉
えっと…
柊先生
ま、いいよ
美葉
え?
柊先生
これからイヤってほど口説きにいくから
美葉
///っ…
美葉
(取り乱したらダメ…!)
美葉
(冷静に!)
美葉
(冷せi…)
柊先生
覚悟しろよ
ニカッと笑った笑顔。
いつぶりだろう。 こんなに眩しい笑顔を向けられたのは
こんなに温かい眼差しを 向けてもらえたのは。
ジワっと目頭が熱くなった。
柊先生
おいっ、大丈夫か⁉︎
『大丈夫』なんて言葉も 言ってくれたのはいつぶりだろう。
普通、どこでも聞きそうな言葉。
普通か。
罵声、暴力が当たり前だと思ってた。
私が何が悪い事したから怒られるんだ
でも、何をしたのか分からない。
それがダメなのかもしれない。
2年前。私がまだ中学3年の時。
学校帰り、私は拉致された。
美葉
(今日はテスト返しでいい点数取れてたから殴られないかも)
キキー!!
美葉
え?
??A
こっちに来い!!
美葉
イ、イヤ!!
美葉
離して!!
??A
静かにしろ!
ドン!!
美葉
うっ…
私の意識は消えていった。
??A
はぁ、はぁ、
??A
珍しく可愛い女の子を見つけたぜ
??B
やったな!
美葉
(だ、誰?)
??A
俺が見つけたんだ
??A
先にヤらせろよ
??B
チッ…まぁいいさ
??B
次は俺だからな
??A
分かってるよ
??B
ちょっとコンビニ寄ってかね?
??A
あー、必要な物もあるしな
??A
ククッ
??A
おい、行くぞ
??B
おう
??B
このガキ置いといていいのかよ
??A
大丈夫だろ、
??A
しかし、強く殴り過ぎたかな
??B
でもコイツアザだらけだぜ?
??B
こんなんで勃つのかよ
??A
成長期のガキの身体は興奮するんだぜ
??B
うっわ、性癖きっつ
??A
うるせーよ
バン!
美葉
ん…
美葉
(出て行った?)
美葉
(逃げなきゃ)
本能でそう思った。
車のドアに手をかけた時。
バン!
美葉
ひっ!
??
何やってんだ?
美葉
え?