あなたには絶対に言えない私の秘密。 お願い、今日も気が付かないで__
そんなことを考えながら、 風邪に冒された私は天井を見つめる。
新汰
香苗、今は大丈夫か?
ほら、食材ときのこのお菓子買ってきたぞ〜!
ほら、食材ときのこのお菓子買ってきたぞ〜!
重たい瞼を開けると、両手にビニール袋を提げた彼を視界に捉えた。
きのこを象った菓子がギターを弾く姿を描いたユニークなTシャツ。 「相変わらず好きだね」と、思わず苦笑する。
新汰
もちろん、きのこは菓子界の王だよ!
あ、早速台所借りるな
_鍋はこの棚の中だよな
あ、早速台所借りるな
_鍋はこの棚の中だよな
"あなたには絶対に言えない私の秘密 お願い、今日も気が付かないで__"
香苗
__待って…!ダメ…!!
・ ・ ・ ・ ・ ・
2人の間に流れる凍てつく空気。 棚からなだれ落ちた、たけのこを象った菓子の箱が全てを物語っていた__