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コメント
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この第3話、めっちゃ良かった…! 席替えで壱也の後ろから離れた絃花の切なさと、代わりに隣になった榛野くんの優しさが対照的で、胸がギュッとなった。特に「イチゴオレ」のやり取りとか、冗談混じりだけどちゃんと気遣ってくれてる感じが最高に甘い。壱也とは違う鼓動、これからどうなるんだろう…続きが気になりすぎる🔥
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担任の先生
担任の気の抜けた声とともに、教室中が一気にガタガタと騒がしくなった。午後のホームルーム。 突然告げられた席替えに、クラスメイトたちは一喜一憂の声を上げている。 私は、手の中の小さな紙切れを見つめて、静かに息を吐いた。 『中央列、後ろから二番目』 (……離れちゃったな) これまでは、壱也の真後ろの席だった。 授業中、先生の話を聞くフリをしながら、彼の広くて逞しい背中を眺めるのが、私の密かな、そして唯一の特等席だったのだ。 その壱也はというと、窓際の、一番後ろの席を引き当てていた。
御影壱也
窓の外に向かって嬉しそうにVサインを掲げる壱也。 廊下の向こうのクラスから、それを見つけた紗花が「壱也いいなー!」とガラス越しに身を乗り出して手を振っている。 窓を少し開けて、楽しそうに笑い合う二人。 (これでいい。これで、やっと前を向けるはず……) そう自分に言い聞かせるけれど、やっぱり胸の奥のちくちくとした痛みは消えてくれない。 私は小さくため息をつきながら、新しい席へと荷物を運び、机の上の筆箱を整えた。その時だった。 トントン、と私の机の端を、長い指が軽く叩いた。
榛野吏玖
低くて、どこか心地よいおだやかな声。 驚いて顔を上げると、私の右隣――廊下側の一番後ろの席に、荷物を置いたばかりの榛野くんが立っていた。 いつものように、少し気怠げで、何を考えているのか読めないクールな瞳。けれど、私を見つめるその目元は、ふわりと優しく緩んでいる。
山中絃花
緊張で声が少し上擦ってしまう。 隣の席。 手を伸ばせば届きそうな距離に、壱也の親友である榛野くんがいる。 お弁当の時の「山中さんが作ったやつ、食べてみたいな」という優しい声が脳裏をよぎり、急に顔が熱くなった。 榛野くんは椅子を引いて腰を下ろすと、少しだけ上体をこちらに傾け、周りに聞こえないような低い声で囁いた。
榛野吏玖
山中絃花
思わずクスッと笑ってしまうと、榛野くんは「そっか、真面目だね」と、悪戯が失敗した子供のように愛おしそうに目を細めた。
榛野吏玖
山中絃花
榛野吏玖
どこまでが冗談で、どこからが本気なのか掴めない。 けれど、気怠げな態度の中に、私を緊張させないための柔らかい気遣いが隠れているのが、今の私にはよく分かった。 壱也を見つめていた時は、いつも胸が締め付けられるように苦しかった。 なのに、隣で静かに微笑む榛野くんと話していると、不思議と心がぽかぽかと温かくなっていく。
榛野吏玖
チャイムが鳴る直前、榛野くんはもう一度だけ、私にしか届かない優しい声でそう言った。 隣から伝わってくる榛野くんの体温と、その掴めない優しさに、私の心臓は壱也を想うのとは全く違う、激しい鼓動を刻み始めていた。