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人間恐怖症の私、と先生

第1話 - 人間恐怖症の私、と先生Ⅰ 「事の発端」

2021年08月16日

#不登校

#恋愛？

さつき

コンコン”

お母さん

ひな〜朝ごはん出来たわよ〜

渋谷美葵

今行くー

私は渋谷美葵(しぶやひな) 現在高校2年生で絶賛不登校中！

お母さん

お腹空いてるでしょ？
だからいっぱい作ったの

この人は私のお母さん、渋谷礼子(しぶやれいこ)って言います栄養士だから、1日に採らなきゃいけない摂取量？ってのを知ってるから毎回作る量が多いの。

渋谷美葵

お腹空いてるけど、作りすぎ！
こんなに食べれないよ！

お母さん

あら、そうかしら？
また作りすぎちゃったわ

渋谷美葵

(昼も夜ももう作り置きみたいになってるじゃん)

このまま平穏に卒業すると思っていた。あの“男”が来るまでは、、、

始業式

ガヤガヤガヤ………

工藤先生

皆さん静かに！
始業式が始まりますよ！

校長先生

えー、では、これから始業式を始めます

校長先生

えー、まずは…本校に新任の先生方が来ております

校長先生

新任の先生方、壇の上に

校長先生

まず、1番右側の先生から
養護教諭の泉優希先生

泉優希先生

泉優希(いずみゆうき)です
養護教諭になって2年、不登校になった子や非行と言った子を、見たことがありません
あ、因みに私の趣味は人間観察です

女子たち

(人間観察とか、きっしょ笑)

女子たち

(いちいち見られるのかなぁ？)

女子たち

(いやいや、人の行動勝手に見てくんなし笑プライバシー侵害だって笑)

校長先生

えーでは次、外国語担当、
ベノム・ケビン先生

ベノム・ケビン先生

Good morning everyone！
(おはようございます！)
My name is Kevin Venom
(私はベノムケビンです！)
Please call me Kevin！
(ケビンと呼んでください！)
My hobby is to speak with everyone！
(私の趣味はみんなと話すことです！)
ヨロシクオネガイシマス！

女子たち

(早すぎて何言ってるか全然分かんない笑)

女子たち

(それな〜笑)

女子たち

(日本語片言だから早口で言えばなんて言ってるか分からないんじゃない？笑)

女子たち

(確かに！笑)

校長先生

えーでは最後に生徒指導担当の、
寿尚弥先生です

寿尚弥先生

おはようございます
寿尚弥(ことぶきなおや)と言います
大学院まで行っていたので、この高校が初めてとなります
よろしくお願いします

女子たち

(ねぇかっこよくない？)

女子たち

(うん、かっこい〜❤)

女子たち

(毎日あの人が授業でいいのに〜)

女子たち

(まじそれな！そしたら高得点取れるのに〜)

女子たち

(……………)

校長先生

えーでは、これで始業式を終わります

始業式後……

工藤先生

あっ寿先生！ちょうどいいところに！

寿尚弥先生

？…何かご用ですか？

工藤先生

はい、実は私のクラスに渋谷美葵と言う生徒がいましてね

寿尚弥先生

(美葵………いや違う違う、勘違いすんな)

寿尚弥先生

その生徒が何か？

工藤先生

不登校なんです

寿尚弥先生

不登校、ですか……

工藤先生

はい、私自身授業は受けなくていいから学校だけでも来ないかと言ったんですが………

工藤先生

それでも来ず……

寿尚弥先生

つまりは、その生徒を来させれば良い、と言う訳ですね？

工藤先生

はい、とりあえず学校だけでも来てくれると助かります

寿尚弥先生

分かりました
では説得してみますね

工藤先生

はい、ありがとうございます！

お母さん

美葵、今から少し出かけるけど、昼くらいになりそうだからもし郵便が来たら受け取ってくれるかしら？

渋谷美葵

うん、分かった

お母さん

じゃ、行ってくるわね

渋谷美葵

行ってらっしゃ〜い

ガチャ、バタン…

渋谷美葵

昼まで時間あるし、少し寝ようかな……

渋谷美葵

お母さんの作る料理、美味しいんだけど食べきれないし、しかも結構お腹に溜まるからすぐ眠くなっちゃう…………

渋谷美葵

ふわぁ〜。。。

数分後………

プルルルル、プルルルル………

渋谷美葵

ん、ん……？電話、？

プルルルル…プルルルル……

渋谷美葵

まいっか、出るなってお母さんに言われてるし

プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル……

渋谷美葵

(いや、しつこくない？)

プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル、プルルルル

渋谷美葵

(いやいや、さすがにしつこすぎ！早く電話切ればいいじゃん！)

渋谷美葵

(ん？てか待って……！、留守電にするの忘れてた！！)

未だなり続けている約30分が経とうとした……

渋谷美葵

(そろそろ出た方が良い？)

渋谷美葵

(なんか可哀想になってきた……)

渋谷美葵

(出る？……出てみる、、？)

美葵は受話器を取った。

渋谷美葵

も、もしもし………？

寿尚弥先生

もしもし、そちら渋谷さんのお宅でお間違えないでしょうか？

渋谷美葵

………は、はい、、そっそうです

寿尚弥先生

？あの、渋谷美葵さんに代わっていただけますか？

渋谷美葵

？！
(居るっていうこと、知られてる、、？)

寿尚弥先生

あの、代わっていただけますか？

渋谷美葵

あ、すみません、美葵は今出かけていて居ないんです

渋谷美葵

か、帰ってきた時にまたかけ直させますね

渋谷美葵

それでは……

寿尚弥先生

ちょっと待て

渋谷美葵

！！はっはい、なんでしょう？

寿尚弥先生

お前が渋谷美葵だな？

渋谷美葵

！？ちっ違います！

寿尚弥先生

当たりだな

渋谷美葵

人違いです！ほんとに私は美葵の母です！

寿尚弥先生

じゃあ今からそっちに行くから、反論はその時にして？

渋谷美葵

え？！ちょ、来るって、

ポツ、ツー、ツー、ツー……

渋谷美葵

(切られた……！)

渋谷美葵

そっちに行くって……うちに来るって事だよね？

渋谷美葵

(チェーンと鍵しなきゃ！)

渋谷美葵

よし、これでおっけー

ピンポーン🎶

渋谷美葵

(！！来た！)

寿尚弥先生

渋谷美葵さーん、居るんだろ？
居留守使っても無駄だぞ〜？

数十分後……

渋谷美葵

(……あれ、いなくなった、？)

美葵はチェーンと鍵を外して外を見てみる、、

渋谷美葵

(………？)

渋谷美葵

(いない……？)

渋谷美葵

ふぅ、やっと居なくなった……

渋谷美葵

ゲームでもしよっかな

トン、トン、トン……

ガチャ

その男はベランダから美葵の部屋に侵入していた。

渋谷美葵

！！？

渋谷美葵

えっ…………、？！

渋谷美葵

なん、でっ………！

渋谷美葵

お、と、、こ……の、人っ………！！

寿尚弥先生

！！

美葵は震えだし、徐々に呼吸が浅くなっていく。

寿尚弥先生

(パニックになってる、、！)

寿尚弥先生

大丈夫だから、落ち着け

渋谷美葵

寿尚弥先生

(あーこれ聞こえてないか……)

渋谷美葵

(、、！！)

美葵は話そうとするが、身体に力が入って上手く話せずにいる。

寿尚弥先生

落ち着け、無理に話そうとするな

渋谷美葵

(〜、、、！！！)

寿尚弥先生

……はぁ、、、

寿尚弥先生

ちょっと口元塞ぐからな

渋谷美葵

っ！！！！！

寿尚弥先生

苦しいと思うけど我慢しろ

寿尚弥先生

呼吸しようとすんな、吐け

渋谷美葵

寿尚弥先生

(ダメだ、全く耳に入ってないな……)

渋谷美葵

！！

ギュー

渋谷美葵

(！！、〜〜！！！)

寿尚弥先生

いいから

寿尚弥先生

逃げようとして力入れると余計に苦しくなるぞ
死にたいのか？

渋谷美葵

っ………

渋谷美葵

………ぐすっ……。。

寿尚弥先生

大丈夫だから

美葵は力が入っている手を頑張って見せる。

寿尚弥先生

っ…！(力入りすぎて爪がくい込んでる…)

寿尚弥先生

ちょっと手触るぞ

寿尚弥先生

渋谷美葵

っ！

寿尚弥先生

痛いよな……痛かったよな、でももう大丈夫だから

寿尚弥先生

ほら、こうやって俺の手握ってれば安心

寿尚弥先生

しんどくなったら俺の手握ればいいから

美葵は小さく首を振る。

寿尚弥先生

気にすんな

渋谷美葵

ギューーっと尚弥は強く抱きしめた。

渋谷美葵

っ……！！

寿尚弥先生

別に怖がんなくてもお前に危害を加えたりしないから……って言っても、十分お前にとって危害を加えられてるのか、、🤔

寿尚弥先生

悪いな、俺のせいでこんななって……

ぽん、ぽん

渋谷美葵

っ…………ぐすっ…。

渋谷美葵

寿尚弥先生

(お、だいぶマシになった)

寿尚弥先生

そうそう、ゆっくり吐いて

渋谷美葵

寿尚弥先生

落ち着いた？

渋谷美葵

(｡_｡`)ｺｸ

寿尚弥先生

じゃあなんで嘘ついたか言い訳を………って、

寿尚弥先生

この写真………

その写真には小さい頃の尚弥と、見覚えのある女の子が写っていた

寿尚弥先生

なんでここに小さい頃の俺と美葵の写真があんの？

渋谷美葵

え、？

渋谷美葵

今、なんて……

寿尚弥先生

だから、小さい頃の俺と美葵の写真がなんでここにあんの

渋谷美葵

私……？

寿尚弥先生

あっ！そっか、お前も美葵って言うんだった……

寿尚弥先生

小さい頃、お前より年上のやつとよく遊んだりした？

渋谷美葵

分からない……事故に遭って小さい頃の記憶が無いの……

寿尚弥先生

えっ事故？

渋谷美葵

うん
トラックに撥ねられて3ヶ月意識が無くて

寿尚弥先生

3ヶ月も…？！

渋谷美葵

トラックにぶつかった衝撃で、脳の記憶する部分に傷が入っちゃって昔の記憶がほとんど無いの……

寿尚弥先生

そうか………
じゃあ、昔から持ってるものはある？

渋谷美葵

昔からあるもの………

渋谷美葵

これ、とか……

寿尚弥先生

うーん…これは違う…………これも違う………他にもある？

渋谷美葵

他には……

渋谷美葵

寿尚弥先生

！！、それ…！

寿尚弥先生

この宝箱………

渋谷美葵

そう言えば……でもこの宝箱、4桁の数字を入れないと開かなくて……

渋谷美葵

でもその4桁の数字を覚えてなくて開けられないの

カチ！

渋谷美葵

え……？

寿尚弥先生

どこが開けられないって？

渋谷美葵

え？でもなんで……！

寿尚弥先生

………

その宝箱にペンダント、たくさんの手紙、そして最後に撮った写真が入っていた。

渋谷美葵

寿尚弥先生

？、どーした？

渋谷美葵

寿尚弥先生

おい、聞いてる？

渋谷美葵

尚…兄……？

人間恐怖症の私、と先生

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さつき

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