すとぷり　短編集②

さとみくん。

嘘が面白いくらい下手なのに…www

隠せてないんだよ

それでも

それでも嫌いになれないなんて…

なんて酷くて残酷な

魔法(呪い)

なんだろうね。

あーぁ、これで何回目だろう。

きっと、またるぅちゃんの所にでも…

なんて

考えてもしょうがないよね

なんにも考えたくないなぁ…

今は、午後の2時かぁ

･

･ ･ ･

･ ･

さとみくんが帰ってきても、

僕は寝たフリをする。

今は多分11:30くらい

今日は早かったんだね。

いつもは12時を回るのに

あーぁ、さっきまで違う人を抱いてた人の横で寝るなんて、居心地が悪いなぁw

それに、そんな人の事見たくなんてない。

ましてやそれが好きな人なら尚更に

ｺﾞﾛﾝ

“また”キスマが付いてる。

暗くてもわかるもんだね

最近、僕とはしてくれないくせに。

………

ｷﾓﾁﾜﾙｲ

あー。もう終わりかなぁ…

首、絞めたら僕も少しはこの気持ちから開放される？

なら___。

たった一言で

魔法が溶けていくような…

今は12時

もう、いいか。

終わったとしても。

僕は頑張ったよ。

魔法が…解けて世界に色がついていく。

でも、僕の心は透き通ったガラスのように澄んで、気持ちもクリアになっていく。

12時が過ぎれば僕は、魔法が解けて、

僕を見つけることが出来る。

新しい世界で生きていくんだ。

まるで、シンデレラみたい。

いや、シンデレラの真逆だね

シンデレラは12時になって魔法が解ければ、現実の世界に戻されるけど

その後には王子様が迎えに来てくれる。

でも、僕は12時を過ぎても一人ぼっちで、王子様なんか来ないし。

でも、でもね？

本当の僕を探しに行くんだ、

でもね、不思議と悲しくはないんだ。

ありがとう。

さよなら、僕

さよなら。愛しい人

愛していました。