自殺サポートセンター
そこは
自殺者数が年々増えている今を 嘲笑うが如く
志望者の理想の死を実現させる
残虐で冷たい場所
こんにちわ…
もうダメ
そう思った矢先に知った 自殺サポートセンター
ここって…
建物の中に入ると そこは光1つなくて
はい、自殺サポートセンターです
ツンと澄ました声が響く
く、暗いですね?
プライバシーの保護のためそうさせていただいております
電気お付けしましょうか?
いえ、構いません…
早速ですが
どのような死を希望されますか…?
いきなり聞いてくるとは 思ってなかった
けど
私、彼氏に不倫されたんです
だから
そいつが死んでから死にたいんです
どうしても叶えたい、死の理想
こちらはあくまでも、理想の死を提供させていただいております
殺人のサポートはしておりません
でもね
あいつが苦しみながら死んだ後で死ぬ
それが理想の死なんです
わかりました
顔は見えてない筈なのに
ニヤリと冷たく笑ってる気がした
「貴方の言った人はもう居ません」
「後は貴方がこの薬を飲めば」
理想の死が
あれ、でも可笑しいな?
その言葉で安心して死ねるのに
最後にうっすらと見えた貴方は
貴方は
冷たく笑ってた
そういえばお伝えしてませんでしたね
自殺サポートセンターの目的を
「理想の死を提供する」
表向きはそうなんですが
知っていますか?
人のカラダを売れば
何億にもなるんですよ?
それで考えたんです
殺人をしなくても人のカラダを手に入れる方法を
そこで考えたのが「自殺サポートセンター」なんです
貴方は理想の死が
私はありったけのお金が
まさに一石二鳥じゃないですか?
あの、すみません…
ここ、自殺サポートセンターで合ってますか?
すがりつくように来た
もう、こんな自分を葬りたくて
はい、自殺サポートセンターです
そこは真っ暗で
よく見えない
よく見えないけれど
声の主は
冷たく笑っている気がする







