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アメリカのとある宇宙人研究所

上司

おい

人に対して何なんだその言い方は!と、思うだろう

確かに、人に対しておいと言うのは良くない

けれど僕は仕方がない

彼らと仲間じゃないんだから

エリック

はい…何ですか

今日は部屋で待機だった筈だ

食事は運び込まれるから実質部屋から1歩も出るなという意味だが

上司

本日、新たな異星人を捕獲した

エリック

そう……

上司

本日の午後から尋問を始める

エリック

タイプは?

エリックはどの血の異星人かを問う

また、同胞かもしれない

それは少し嫌だな

上司

ブラッドタイプグリーン、今までに二体が捕獲されている

エリック

ああ、奴らか

おそらくオリオン星人だ、とエリックは断定した

上司

どこの星のヤツか、分かるか?

エリック

知らないね

そう、嘘をつく

自分は事実以外喋らないから助けてくれって言って

助かったのだから、深くは追及されない

上司

そうか

エリック

尋問なら行くよ

エリック

時間になったら教えてくれ

上司

言われくても、そうするさ

どうしてこんな監禁されてるみたいな生活なのか

それはきっと、あの日から

決められていたのだろう

200年前

シャルル

本日から配属になりました、シャルルと申します!

今の名前は後でアメリカ人につけられた名前だ

本当はシャルルという名で呼ばれていた

フェリシア

私はフェリシアだ。よろしくな

シャルル

はい

フェリシア

では、全員揃ったようなので

フェリシア

今回の計画を説明する。

その時の計画は、あまり覚えていない

ただ、多くの異星人を虐殺した事だけが印象的だ

沢山の屍が折り重なって倒れている中

僕達は、ゲマイン星の旗を地に死体を貫き

突き刺した

フェリシアも、他の仲間も、勿論自分も

疲れ切っていた

フェリシア

皆…よく頑張ってくれた

フェリシア

これからは、この星の浄化活動に入る

フェリシア

青く美しい星を、取り戻そう

僕らは、はい!と強く返事をしたはずだ

本当はこんな事が正しいとは思わなかった

むしろ、僕らゲマイン星人は何も罪を犯していないという考えがおかしいと思った

そんな事を言ったら、国家反逆罪で即効死刑または流罪だ

フェリシアはそんなこと微塵も思っていないのだろう

早速仲間達に指示をしている

フェリシア

シャルル!返事をしろ!

ずっと呼ばれていたようだ

シャルル

はい…すみません

フェリシア

全く…余韻に浸ったしまう気持ちも分かるが、指示は聞くように

シャルル

すみません

余韻になんか浸ってないさ

流石典型的なゲマイン星人だ

フェリシア

シャルルをリーダーとしてお前ら三人は……

自分はこの後指示通り死体を焼き尽くした

こんな事正しいのだろうか?

この星の生態系を壊しているだけじゃないか

ただでさえ危険な状態なのだから

知的生命体を絶滅させるのは絶対おかしい

言い出せないのが辛くてたまらない

それから50年

僕はいつまでも言い出せぬまま

フェリシア指揮官の言うことを聞いていた

彼女にとってあそこまで忠実な部下は居なかっただろう

それがいきなり逃げ出すなんて、想像しなかっただろうな

エリック

んん……

エリックはベッドから起き上がる

いつの間にか眠ってしまったようだ

時計を見ると、もう9時だ

上司が来たのは朝の6時だったから

3時間眠っていた事になる

エリック

フェリシア指揮官……か

エリック

久しぶりに思い出す名前だな

150年前

シャルル

もう限界だ!

シャルル

出て行ってやる!

50年もの間、他の星の人を虐殺してきたが、

やっぱりもうやってらんない

それなら、新天地を探して

そこに永住した方がマシだ

両親と兄弟に会えないのは辛いが

なんの罪もない人を殺すことの方が辛い

僕は、その一心で

宇宙移動用の飛行機に乗り込み

星の空へ飛び立った

シャルル

取り敢えず、どこへ逃げれば……

レーダーを使い、星の位置を確認する

青く表示される、ゲマイン星人の住める星は近辺には見つからない

シャルル

長旅になりそうだなぁ

レーダーを眺めていると、不意に

ゲマイン星人の飛行機の番号と、緑色の光点が表示された

シャルル

嘘だろ……

自分を追ってきたのだ

映像を確認すると、白色に赤い字で『4218』と書いてある

フェリシア指揮官率いる部隊だ

シャルル

指揮官……!

ブーストを使い、速度をあげる

大量の燃料を放出しながら

飛行機は飛ぶ

光線弾が飛んでくる

避けるすべはない

シャルル

機体の2割損傷か…

もうどこに向かってるのか分からないが、取り敢えずフェリシア指揮官から逃げるのが先決だ

それからどれ程の時間が経ったのだろうか

取り敢えず、フェリシア指揮官から逃げるのに精一杯だった

そして今、かなり遠く離れた星に墜落している

いつの間にか、エンジンを破壊されていた

こんな所で死ぬのか

でも、これで僕は解放される

虐殺なんてしなくていいんだ

この上の無い幸せだった

シャルル

ここは……どこですか

気がつくとベッドに寝かされていた

目覚めた自分に気付くと、近くにいた白い服の人は遠巻きに自分を見ながら話し始めた

やがて、一人の人が近づいてきて

研究者

♡♪☆「「&☆♡→☆☆「~#…^」」」

シャルル

はい?

いきなり意味不明な言葉を話し始めた

同じ閉音節の言語なのは分かるが、内容は理解できない

シャルル

えっと……なんですか?

研究者

♡→→,♡♪→,##♡♡………

白い服の人は考えるような素振りを見せると、他の人の方へ戻って行った

その後、昔の軍隊みたいな服を着た人がやってきた

軍人

私の言っている事柄を理解できますか?

少し違う所もあるが、殆どかゲマイン語に似ていた

シャルル

はい、分かります!

白い服の人、研究者が軍人に耳打ちをしていた

軍人

では、今から私の質問に答えてください

シャルル

分かりました

軍人は研究者に渡された紙を見ながら

軍人

まず、あなたの名前を教えてください

シャルル

シャルルと言います。

軍人は紙にペンでメモしていく

軍人

次に、あなたは何処から来たのかを教えてください。

シャルル

それは、私たちの規則に反するためお伝え出来ません

僕がそう答えると、軍人は研究者を呼んで何か話した

研究者が身振り手振りで何かを伝えると、軍人は僕に向き直った

軍人

あなたは何歳ですか?

シャルル

今年で、102歳になります

軍人は驚いた顔をした

何かおかしい事を言っただろうか?

因みにこの後に知った事だが、ゲマイン星人の102歳は地球人だと、25〜27歳程度らしい

軍人

あなたは、人間ですか?

シャルル

あなたにとっての人間の定義は分かりませんが、私の人間の定義から答えを出すと、はいです

研究者が軍人に再び何か伝えた

軍人

分かりました。これで検査を終了します

シャルル

はい……

何となく、自分が他の星に来てしまったことは理解出来た

その日の夜

研究者

ハインの調査によって分かったことを説明すると、

研究者

宇宙人と推測される人物の名はシャルル

研究者

歳は102歳と言った事から

研究者

我々より寿命の長い人だと考えられます

研究者

どこから来たのかについては解答を拒否しました。

研究者

あと、ドイツ語に似た言語を話すようです。

研究者

多少の解釈の違いはある様ですが、彼との話はドイツ語で出来るでしょう

研究員

あれ、どうします?

研究者

どうする、とは?

研究員

実験台にするか、民衆の見世物にするか

研究員

伝染病の治療実験に回すか

研究者

そうですね…解剖以外の実験をしてみましょう

研究者

同じ奴らを手に入れておきたいので

研究者

出身地は絶対的に聞き出しましょう

シャルル

そんな……

隣の部屋で、シャルルは翻訳装置を使って会話を聞いていた

何としても防がないといけない

けれど、ゲマイン星人の皆が捕獲されれば

浄化行動を辞めるかもしれない

あと、実験台は怖いな

そう思ったことが印象的だった

翌日、研究者と軍人(前日彼らにハインと呼ばれていた人物)がやってきた

シャルル

おはようございます

軍人

おはようございます。本日から貴方に協力して頂くことに決定しました

シャルル

実験台にするんですよね

研究者が何かを軍人に伝えた

軍人

いつそれについて理解したのですか?

シャルル

昨日聞こえてきました

軍人

貴方は私を除いた全ての人の言語が理解出来ないと解釈していましたが

シャルル

皆さんとコミュニケーションをとるために翻訳装置の実験テストを行っていたんです

シャルル

その時に聞こえてきました

研究者

どこまで聞いていたの?

シャルル

話の全てです

研究者

……

シャルル

あの、僕の知ってる事は全て話します!

シャルル

なので、頼むので実験台だけは辞めてください!!!

僕は、全てのプライドを捨てることを決意した

その後、自分がどこから来たのか、どんな人が居るのか、どんな文化があるのか

その全てを話した

僕は愚か者だ

自ら奴隷になるなんて

シャルル

知っているのはこれだけです

研究者

情報提供、感謝します

研究者

では、あなたにはこれから仕事をしてもらいます

シャルル

何ですか?

研究者

あなたの話によると、この星は資源が宇宙有数の量を持つため多くの宇宙人が狙っているんですよね?

研究者

その割には着陸は難易度が高く、失敗することが多い

シャルル

そうです

この後この研究者から言われた事は何年経っても忘れる事はないだろう

研究者

貴方には、地球に墜落してきた宇宙人の、

研究者

拷問をしてもらいます

僕はこの言葉に絶句しかけた

研究者

一応、あなたが私たちに協力する証明として

研究者

今までの名前は捨ててもらいます

シャルル

分かりました

長年親しんできた名前を捨てるのは悲しいが、あの星に戻るよりはマシだ

研究者

では、あなたの名前は今からエリックです

研究者

エリック、よろしくお願いします。

現在

上司

調査は終わった

上司

前に捕らえたグリーンタイプと同じだろう

上司

尋問しろ

エリック

分かったよ

そう言って、僕は尋問室へと向かった

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