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この物語は、全身全霊で一夏を生きたセミの回顧録である。 彼は魂のすべてを燃やし尽くし、ただひたすらに鳴き続けた

セミ

オラァー!!

セミ

オラァー!!

セミ

はぁ〜

セミ

殻を破るの疲れたー

セミ

脱皮マジ消耗

セミ

さて

セミ

余命1ヶ月、何するかな

セミ

セミ

今日は疲れたし

セミ

とりあえず寝るか

セミ

は!!

セミ

朝になった

セミ

あれが太陽か〜

セミ

赤いって聞いてたけど白いし!!

このセミ、偶然にも居酒屋[鳥公家]にある鉢植えの土で育ち、ホモ・サピエンスの会話から様々な知識を身につけていた

しかし、それはすべて酔っ払いの話である

小学生A

やめてよ〜

小学生B

うるせー

小学生B

先生にチクりやがって

小学生B

痛い目にあわしてやる

セミ

なんだ?

セミ

子供のケンカか

小学生B

このカッターナイフよく切れるんだぞ

セミ

ただの脅しなんだろうけど

セミ

ガキがやるには背伸びしすぎだ

セミ

周りの大人も無視かよ

セミ

人間様は人情が無いねぇ

セミ

子供のケンカに大人が入るのもあれだけど

セミ

俺が助けてやるか

セミ

まずはあの木まで!!

一気に飛翔

セミ

いで!!

セミ

早すぎて頭からぶつかった

セミ

グビン!グビン!
グビビィ〜〜!!

セミ

グビン!グビン!
グビビィ〜〜!!

小学生B

うわ!

小学生B

急に横で鳴いたからビックリした〜

小学生B

なんだセミか

小学生、予想外のすばやさでセミをキャッチ

セミ

おわ!!

セミ

いてぇ〜!!

セミ

こいつすげぇ力で握ってきやがった

小学生B

やった!!

小学生B

おい、何か入れるものある?

小学生A

うん。このビニール袋はどうかな

小学生B

よし、じゃあ袋を開けておいて

小学生B

すばやく閉めろよ

小学生A

分かった

小学生B

よし!入った!
セミゲット!!

小学生A

すごい暴れてる

小学生B

俺んちママがうるさいから虫は無理なんだ。それあげるよ

小学生A

うん、ありがとう

小学生A

ちょっと大人しくなってきた

セミ

ふっ

セミ

このガキは危機を脱したようだな

セミ

しかし、俺が絶体絶命のピンチ

続く

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