貴方へ贈る最後の愛を

私はゆっくりと口を開く

でも、本当は

そうだよね、マイキー

でもね、

黒くて汚い、私の愛

そう言いナイフをスっと引く

眉間に眉を寄せ苦しそうに叫ぶマイキー

だって

もう、この世にいる必要はない

幼なじみ？仲間？

ずっと我慢してたんだよ、？

でも、それじゃあ

...

苦しかったの

ずっと

その時千冬が前へ出た

違う

捨てたいなんて思ってない

...

もう、嫌なんだ

みんなが嫌いない訳じゃない

初めから

私は少し後ろへさがり

ナイフを自分へ向けた

私は静かにマイキーを見つめる

そう微笑んで

ナイフを振りかざした

ｸﾞｻｯ

私は自分の腹部にナイフを刺した

赤い液と共にじわじわと痛みが広がって行く

みんなが酷く歪んだ顔で私を見ている

そんな顔しないでよ、

私まで苦しくなっちゃうよ...

体がフラつき倒れそうになる

マイキーが私を支えみんなが寄ってくる

みんなして、焦った顔をしている

私は本当は謝りたかったのかもしれない

私の嫉妬のせいで千冬や夕空ちゃんを傷つけた

ダメだよ、もう

ﾎﾟﾀｯ

何か冷たいものが当たる

これは、雨と...

マイキーの涙

よく見るとみんな泣いている

泣いて謝るマイキー

いいんだよもう、

段々と体が動かなくなっていく

みんなの顔がぼやけている

あぁ、でも

貴方の顔は見えるよ

これが貴方へ贈る最後の愛

もう何も見えないし聞こえない

きっともう私は死んでしまうのだろう

ねぇ、マイキー

もし来世があるのならば

今度こそ、貴方の隣を歩きたいな

それまでは

どうか、貴方が幸せになりますように。

さようなら。万次郎

懐かしい声

ギュッ

懐かしい匂い

もう、大丈夫

私は1人じゃないよ