テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

Escape from the past

第18話 - 第18話　成敗

265

2025年01月04日

#ウォーターチャレンジ

#２次創作

#ミスターレッド

ステラ

ミスターレッド

家族の………写真？

ミスターレッドは目の前の青年が発した言葉を聞き返す

兵士の青年

あ……ああ…

兵士の青年

鬼島の奴に……奪われちゃって…

ミスターレッド

にしても、何で鬼島の奴はわざわざ写真なんか………

兵士の青年

…………嫌がらせだよ

ルカ

嫌がらせ……？

兵士の青年

俺さ……元々中級兵なんかになりたくなかったんだ…

兵士の青年

だから……鬼島の訓練は嫌だったし…

兵士の青年

下民の取り締まり業務なんてやりたくなかった…

兵士の青年

でも……そんな時心の拠り所になったのは…

兵士の青年

家族の写真だったんだ…

兵士の青年

また……家族に会いたいから…

兵士の青年

その一心で……頑張ってきたのに…

兵士の青年は目を落とし、ため息を吐く

兵士の青年

ある日……俺はいつもの様に写真を眺めていたんだ

兵士の青年

鬼島の訓練なんかに……参加したくなくって

兵士の青年

そしたら……訓練に行くのが遅れたのが鬼島にバレて……

兵士の青年

写真が奪われて…………

ミスターレッド

……そうなんだな

ルカ

じゃあ、それを俺達に取り戻して欲しいって事か？

兵士の青年

う……うん…

兵士の青年

俺って……ほんとに情け無いよね…

兵士の青年

鬼島を怖がってばっかりで……

兵士の青年

自分で動く事すらできなくって……

ミスターレッド

大丈夫だぜ

ミスターレッド

そりゃあ、あんな暴れ牛みてぇな奴は怖いさ

ルカ

それに！！俺達なら鬼島をぶっ倒すくらい余裕だからな！！

ミスターレッド

いや、ぶっ倒しはしないけどな

兵士の青年

あ……あの…！

兵士の青年

ありがとう……！

ミスターレッド

別に、なんて事ないぜ

ルカ

じゃあ、その鬼島の住んでる場所ってのを教えてくれるんだろ？

ミスターレッド

じゃあ、早速教えてくれるか？

兵士の青年

勿論……！

ミスターレッド

此処が鬼島の部屋へと続く通路なんだな………

ルカ

みてぇだな

ミスターレッド

あいつの言う通りだと……鬼島はこの時間帯、外出していて居ないらしい

レッドは試しに廊下の前後を確認してみる

ミスターレッド

人影みてぇなのは見当たらねぇな

ミスターレッド

鬼島は兵士から奪った物は自分の部屋に隠すらしいからな…

ミスターレッド

きっと……俺達の通信機もある筈だ

ルカ

もう本当に今日は運が悪いなぁ………

ルカ

めっちゃぶん殴られるし………通信機奪われるし…

ルカ

まぁ、最悪通信機は取り戻さなくても良い様な気もするけど…

ミスターレッド

でも、作戦実行時に必須のアイテムだからな

ミスターレッド

さ、早速行こうぜ

レッドとルカは足音を立てない様、抜き足で鬼島の部屋へと向かう

ミスターレッド

それにしても此処……暗いな…

ミスターレッド

電気ぐらい点けてもいいんじゃねぇか？

ミスターレッド

まさか……電気代も払えない程金がねぇ訳じゃないだろうな……

ミスターレッド

鬼島の部屋ってのは………

ミスターレッド

此処か？

ルカ

あの兵士の言ってた通りのドアだと思うよ

ミスターレッド

だよな………

ミスターレッド

ちゃっかり鬼島が中で寝てる、なんて事がねぇと良いけどな

ルカ

まぁ……多分大丈夫でしょ！！

ルカ

早速開けちゃお〜

ガチャ

ルカがレッドへの確認も無しにドアを開く

ミスターレッド

ちょっ！？勝手に開くなよ！？

ミスターレッド

！？

ミスターレッド

んだこれ………！？

ミスターレッド

少し汚すぎやしねぇか……？

ドアの先に広がった景色は、足の踏み場のない様なゴミ屋敷

流石のレッドも後退る

ミスターレッド

おいおいマジかよ………

ミスターレッド

この中から通信機を探せってのか？

ルカ

こんな場所に放り投げられてるんでしょ……？

ルカ

汚れたりなんかしてないよな………

部屋は汚れているだけでは無く、異臭もする

ミスターレッド

どうやってこんな場所で暮らすんだよ………

ミスターレッド

って……そんな事言ってる場合じゃねぇよな

ミスターレッド

さっさと通信機と写真を見つけて、アジト内の探索を再開しようぜ

ルカ

だな

ミスターレッド

じゃあ、ルカはそっちの窓側を探してくれ

ミスターレッド

俺は玄関側を探す

ルカ

了解！！！

ミスターレッド

くれぐれも、通信機が壊れたり写真が破れたりする様な探し方はするなよ

ルカ

そんな変な探し方しないって〜

そう言って、2人は各々探す場所へと歩いて行く

ミスターレッド

はぁ………折角やべぇ組織との戦いが始まるのかと思いきや…

ミスターレッド

始まったのはゴミ漁りかよ………

レッドはカップラーメンのゴミや、ペットボトルを寄せながら物を漁る

ミスターレッド

ほんとに……この島に来て良い事なんてありゃしない…

ミスターレッド

でもまぁ、始まったからにはやるしかねぇよな

レッドは脱ぎ捨てられたタンクトップや床に落ちているゴミを必死に寄せながら物を探す

ルカ

あ！！！

突然ルカが歓喜の声を上げる

ミスターレッド

何か見つかったのか！？

ルカ

う……うん…！！

ルカ

すっげぇカッコいいキーホルダー！！！

ミスターレッド

……………

レッドはルカが掲げたキーホルダーを見る

そのキーホルダーのデザインは禍々しい色をした剣に黒龍が巻きついているという物だった

ミスターレッド

…………何だよお前

ミスターレッド

厨ニ病か…？

ルカ

ちゅうにびょう…？

ミスターレッド

こりゃあ自覚無しの重症だな……

ミスターレッド

まず、余計な物で喜んでないで通信機と写真を探そうぜ

レッドも再びゴミ漁りを始める

約30分後………

ミスターレッド

嘘だろ…………

ミスターレッド

全く…………見つかんねぇ…

ルカ

こっちも見つからないよ………

ミスターレッド

まさか此処には無いのか？

ミスターレッド

そもそも処分済みなのか？

ミスターレッド

はぁ………

ミスターレッド

もう……探すのも面倒くせぇよ…

ルカ

レッド……諦めるのはまだ早いよ…

ルカ

でも……見つからないし…

ミスターレッド

はぁー

レッドはゴミの山にゴロリと寝転がる

ミスターレッド

何で俺、こんなのに巻き込まれてんだ

ミスターレッド

連れ去られて無ければ今頃………

プルルルルルルルルルル

突如耳元で爆音が流れ出す

ミスターレッド

なぁっ！？

ミスターレッド

うるっさ！？

ルカ

れ……レッド！？

ルカ

この音って………

ミスターレッド

…………はっ！？

ミスターレッド

これ……通信機の音じゃねぇか！？

レッドは急いでゴミを掘り返し、音の元を探る

プルルルルルルルルルル………プルルルルルルルルルル……

そんな音を発しながら震える通信機が2つ掘り出される

ミスターレッド

よし！！！ビンゴだな！！

レッドは通信機を掴み、片方の通信機をルカに投げ渡す

ルカ

やったな！！！

ミスターレッド

だな！！

レッドとルカは拳を交わし、喜びを分かち合う

プルルルルルルルルルル……プルルルルルルルルルル…

相変わらず通信機から音が発せられている

ミスターレッド

…………うるせぇな

レッドは応答ボタンを押す

アマラ(通信)

はいどーも！！！こちらアマラでごz……

ピッ

いつものあの声が聞こえてきた瞬間、通話終了ボタンをタップする

ミスターレッド

これでよし

ミスターレッド

後は写真だけだな

ルカ

だな！！

ルカ

じゃ！！またゴミ漁り再開だn………

鬼島

何だ？今の物音

ドアの奥から鬼島の声がする

ルカ

ひっ！？

ミスターレッド

る……ルカ…！

ミスターレッド

隠れるぞ…！

レッドはルカを引っ張り、ゴミの山の後ろへと隠れる

ガチャ…………

静かに扉の開かれる音がする

鬼島

誰かいるのか？

鬼島は目を凝らしながら部屋を見渡す

鬼島

………んだこれ…

鬼島

部屋が……荒らされてるだと？

鬼島は掘り返されたゴミの山を見て、怒りのこもった声を漏らす

ミスターレッド

いや……元々部屋は荒れてただろ…

鬼島

クソが………誰がやりやがった！！！

鬼島

出てきやがれ盗人がぁ゛！！！

鬼島はゴミを蹴り上げ、威嚇する

ルカ

ま…ままま……

ルカ

マズいってレッド！？

ルカ

このままじゃ見つかっちゃうって……！

ミスターレッド

ちっ………見つかるのも時間の問題だな…

ミスターレッド

もしも此処で見つかったら………

ミスターレッド

何とかして………この部屋から脱出しねぇと…

鬼島

だぁぁぁぁ………クソゥ！！！

鬼島

何処に隠れてやがる！！！

鬼島はドカドカと足音を立てながら歩く

鬼島

よくも俺の部屋を荒らしやがったなぁ゛！！！

鬼島

見つけたら……ぜってぇ殺す…

ルカ

れれれレッド！？

ルカ

マズいってこれ！？

ルカは何度も小声でレッドにピンチだという事を伝える

ミスターレッド

(何とかして………この状況を脱する方法………)

ミスターレッド

(走り抜けて脱出したところで……姿は見られてしまう…)

ミスターレッド

(そうなっちまえば……元も子もねぇ…)

ミスターレッド

(じゃあどうする？)

ミスターレッド

(どうにかして………この状況を利用して…)

レッドは鬼島の足元を見る

ミスターレッド

(鬼島の足元には服がある……)

ミスターレッド

(この服を引っ張っちまえば鬼島の野郎はすっ転ぶ………)

ミスターレッド

(すっ転ばして………どうするか？)

レッドは鬼島の周辺にある物に目を付ける

ミスターレッド

(あのでけぇ棚………)

ミスターレッド

(体に倒れて来たら相当重いだろうな……)

ミスターレッド

(…………そうか)

ミスターレッド

(俺が鬼島をすっ転ばした後に……棚で身動きをできなくしちまえば良いんだ………)

ミスターレッド

ルカ……ちょっといいか？

ルカ

なななななに！？

ミスターレッド

俺は今から鬼島を地面にすっ転ばす

ミスターレッド

鬼島が転んだら、お前はあそこにある棚を倒せ

ミスターレッド

分かったか？

ルカ

わわわわわわ分かんないけど……

ルカ

やってみる！！！

ミスターレッド

ほんとに分かってんのか……？

ミスターレッド

とにかく…………試してみるしかねぇ

ミスターレッド

行くぞ！！！ルカ！！！

レッドは鬼島の足元へ走り出し、鬼島が踏んづけている服を狙う

鬼島

だぁぁぁぁぁぁ！！！イラつくぅぅぅぅ！！！

ミスターレッド

勝手にイラついてろよ、暴れ牛

鬼島

…………は？

鬼島

誰だよ……今の声…

ズルッ

レッドが思い切り足元の布を引っ張る

鬼島

なぁっ！？

鬼島がまるで漫画家の様な見事な滑り方をする

ダンッ

鬼島は頭から地面に倒れ、頭を抱え込む

鬼島

い………いってぇ…

ミスターレッド

今だ！！！やっちまえ！！！

ルカ

おう！！

ルカが鬼島に向かって棚を思い切り倒す

ガッシャァァァァン

鬼島

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？

鬼島に棚が倒れ被さる

ミスターレッド

よし！！！

鬼島

……………

鬼島は完全に意識を失い、気絶している

ルカ

これで作戦完了だな！！！

ミスターレッド

後は鬼島がぶっ倒れてるうちに、写真を探しちまおうぜ

レッドは地面に倒れている鬼島に目を向ける

ミスターレッド

クッ………惨めな顔だな…w

ミスターレッド

って………

レッドはふと、鬼島のポケットに差し込まれている写真が目に付く

ミスターレッド

これ……………

ミスターレッド

あいつの写真じゃねぇか？

レッドはポケットに差し込まれて居た写真を抜き取り、確認する

ミスターレッド

間違いない………

ルカ

もしかして………写真見つけたのか！？

ルカ

や………やったな！！！

ルカ

これであいつに鬼島の居場所を教えてくれたお礼が返せるぜ！！！

ミスターレッド

だな！！

ミスターレッド

早速戻ろうぜ

そう言って、レッドとルカは部屋を立ち去る

兵士の青年

あいつら………大丈夫かな

青年兵士は食堂のテーブルで息を吐き、2人の帰りを待つ

兵士の青年

もしも……鬼島なんかにやられてたらどうしよう…

兵士の青年

お願いだ………戻って来てくれ…！

ミスターレッド

よっ

兵士の青年

！？

レッドが青年兵の肩を叩く

ミスターレッド

戻って来たぜ

ルカ

ちゃんと、写真も取り戻して来たからな！！！

兵士の青年

……………！！！

兵士の青年

本当に……本当に…

兵士の青年

何とお礼をすれば良いのか…！

青年兵は涙ぐみながら何度も何度もお礼をする

ミスターレッド

別に、お礼なんて要らないぜ

ルカ

俺らの探し物のついでに見つけて来ただけだからな！！！

兵士の青年

でも………

ミスターレッド

あ、強い言うなら………

兵士の青年

なんでも言ってくれ……！

ミスターレッド

腹が減ったから…飯をくれるか？

兵士の青年

飯？

ミスターレッド

ああ………

レッドは腹を摩りながら唾を飲み込む

ミスターレッド

この食堂に居たら、ついに空腹が耐えられなくなってな

兵士の青年

ぜ………全然良いよ！！！

兵士の青年

と言うか、俺が用意した鍋食べて良いよ！！！

青年兵は目の前の鍋をレッドとルカに差し出す

ミスターレッド

ま……マジかよ！！

ルカ

ありがとな！！！

ルカ

じゃあ……早速いただきまーす！！！

兵士の青年

本当に……こんなお礼でいいのか…？

青年は少し困惑しながら2人に尋ねる

ミスターレッド

別に……問題ないぜ…！

レッドはガツガツと肉や汁を食べながら答える

ルカ

すっげぇ………美味しい…

ルカ

食べ物が……腐ってない…

ルカは感動のあまり震えながら鍋を食べている

兵士の青年

本当に……何でもお礼するぜ？

兵士の青年

何か”知りたい事”でもあれば聞いてくれ……！

ミスターレッド

知りたい事…？

レッドの鍋を食べる箸が止まる

兵士の青年

あ……ああ…！！

兵士の青年

見た感じ……君達の顔見た事なかったから…

兵士の青年

新入りなのかな……って

兵士の青年

だから鬼島の訓練の時も………

ミスターレッド

本当に……聞いてもいいのか？

レッドの目が食事を楽しむ目では無く、真剣な目つきに一瞬で変貌する

兵士の青年

早速聞きたい事でもあるのか？

兵士の青年

何でも良いよ！！！

ミスターレッド

その……聞きたい事ってのはな…

ミスターレッド

街の監視カメラの……管理室ってのは何処にあるんだ？

兵士の青年

管理室………？

兵士の青年

珍しいな……そんな質問するやつなんて

兵士の青年

まぁ、質問されたからにはちゃんと答えるよ

兵士の青年

と……言いたいところなんだけど…

兵士の青年

俺も………分からないんだ…

ルカ

え………？

兵士の青年

管理室でのカメラ管理をするのは……

兵士の青年

中級兵の中でも”優れた”兵士しか入る事ができないんだ

兵士の青年

俺みたいな一般兵士じゃ到底入れない……

兵士の青年

場所自体も国家機密なのか……俺達の仲間は誰1人知らない

ミスターレッド

じゃあ……優れた兵士ってのになれば良いのか？

兵士の青年

それが、そう言う問題じゃ無いみたいなんだよね

兵士の青年

そもそもの生まれが”エリート一家”の人達しか入れないんだ

ルカ

エリート一家………

兵士の青年

まぁ、簡単に言えば政府に認められた血筋の人間しか入れないって事……

兵士の青年

努力して入れるもんでも無い……ね

ミスターレッド

そうなのか………

兵士の青年

あ……気持ちが落ち込んだりしちゃったならごめんね…？

ミスターレッド

全然大丈夫だぜ

ミスターレッド

詳しく教えてくれてありがとな

兵士の青年

いやいや、これはお礼だからね

兵士の青年

聞きたい事は他に何かある？

ミスターレッド

後は………特に無いな

兵士の青年

そっか……

兵士の青年

また聞きたい事があったら聞いてくれよな！

兵士の青年

これからは俺がお前らの先輩だし！！！

兵士の青年

じゃ！！またな！！

青年兵は此方に手を振りながら去って行く

レッド達も手を振り返し、再び鍋を食べるのに戻ろうとするが…

今はそれどころでは無かった

ミスターレッド

おい……嘘だろ…？

ルカ

はは………嘘だと言って欲しいよね

ミスターレッド

俺達じゃ……管理室に入れないのか？

ルカ

今の話を聞くと……そうみたいだよな

ミスターレッド

じゃあ……どうするんだ？

ミスターレッド

優れた中級兵ってのになりきるのか？

ミスターレッド

そんなの……無理に決まってるだろ…

ルカ

カメラを停止させなきゃ………脱獄計画は実行できないんだよね？

ミスターレッド

ああ………

ミスターレッド

停止させなければ、脱獄の途中で監視システムに撃ち殺されるな

ルカ

そっか………

ミスターレッド

これ………詰んだんじゃねぇのか？

ルカ

……………

ミスターレッド

…………

ルカ

あんまり頼れるか……分かんないけど…

ルカ

アマラに電話してみる？

ミスターレッド

あいつか…………

ミスターレッド

すっげぇ電話掛けたくねぇけど……

ミスターレッド

するしかねぇよな

レッドとルカは食堂を立ち去り、人目のつかない場所へと移動する

ガチャ………

ミスターレッド

この部屋なら大丈夫そうだな

ミスターレッド

見た感じ、使われてない会議室みたいだしな

ルカ

じゃあ、早速掛けよ！！！

ミスターレッド

お……おう…

レッドはアマラに向けて電話を掛ける

プルルルルルルルルルル………プルルルルルルルルルル……

アマラ(通信)

はいはーい！！！此方アマラでございまーす！！！

ミスターレッド

あ………アマラ…

ミスターレッド

ちょっといいか？

アマラ(通信)

おっと〜？何だか深刻そうですねぇ

レッドは先程の話について説明し、困った事になったと話した

アマラ(通信)

ほほう…………

アマラ(通信)

んじゃ！！詰みって事だな！！

ミスターレッド

えぇぇぇ！？

ミスターレッド

な……何か方法は無いのかよ！？

アマラ(通信)

詰みは詰みだ！！！仕方ない！！！

ルカ

こ……ここまで頑張ったのに…？

アマラ(通信)

まぁ、そうだな！！！

ミスターレッド

いやいやいや………

ミスターレッド

お前の事だから……他にもっと無いのか…？

アマラ(通信)

うーん………無いな！！！

ミスターレッド

な……何だよ…

ミスターレッド

じゃあ……この島で一生暮らせって事なのか？

ミスターレッド

弟にも……仲間にも会えずに死んでけって事か…？

ルカ

じゃあ……脱獄作戦も諦めろって事なのか…？

ルカ

そんなの……そんなの…

アマラ(通信)

………………………

アマラ(通信)

なーんて……………

アマラ(通信)

嘘だよ〜ん！！！

アマラ(通信)

そんな簡単に諦める訳ないだろう！！！

この瞬間、レッドは通信機を叩き割り掛けた

だが、ここまで叩き割っては解決策を聞く事ができない

レッドはギリギリ踏みとどまった

ルカ

ま……マジで！？

ルカ

何かあるのか！？

アマラ(通信)

ああ！！！あるとも！！！

アマラ(通信)

解決策…………それは…

アマラ(通信)

エリート中級兵に媚を売る事だ！！！

ミスターレッド

……………はぁ？

ルカ

え……？

アマラ(通信)

今から詳細を教えますからねぇ……

アマラ(通信)

まずはエリート共に自分らの活躍を見せつけるんだ

アマラ(通信)

見せつければ、お前らの事を気に入るだろうな！！

アマラ(通信)

そしたら、政府に不満を持ってそうなチョロっそうなエリートと仲良くなるんだ

アマラ(通信)

仲良くなって、そいつを内通者にするんだ…

ミスターレッド

内通者？

アマラ(通信)

作戦実行時に協力させる……いわば政府に対する裏切り者を作り出すんだ…

アマラ(通信)

そうすれば、わざわざお前さんらが管理室に入らなくても良いだろう？

ミスターレッド

そう言う事か……！

ミスターレッド

でも、どうやって媚を売るりゃあ良いんだ？

ルカ

だって……そんなエリート達と会う機会なんて無いだろ？

アマラ(通信)

それがあるんですよねぇ……

アマラ(通信)

月に一回、エリート共との合同での仕事ってのがあってな…

アマラ(通信)

その時に、お前らが活躍すればエリートに気に入ってもらえるって訳だ！！！

アマラ(通信)

ま、詳しい日時はフェデラーの野郎から聞けるだろうな

ミスターレッド

そうか……！

ミスターレッド

ありがとな！！アマラ！！

アマラ(通信)

あー、でもな

アマラ(通信)

この作戦、二つだけ欠点があってな……

ルカ

欠点……？

ルカ

失敗すればヤバいとか？

アマラ(通信)

まぁ……そんな感じだ

アマラ(通信)

作戦に協力してくれる内通者に裏切られれば、1発アウトだからな

ミスターレッド

じゃあ、後もう一つってのは何なんだ？

アマラ(通信)

後もう一つは……

アマラ(通信)

エリートとの合同での仕事ってのは……

アマラ(通信)

かなり苦痛を伴う内容の労働でな………

アマラ(通信)

精神的な苦痛……だな

ミスターレッド

精神的な苦痛？

ミスターレッド

それって何だよ……

アマラ(通信)

あまり事前に話せば、お前さん達も行きたく無くなるだろう…

ミスターレッド

な……何だよ…

ミスターレッド

そうやって勿体ぶられた方が…

アマラ(通信)

っ………………

珍しくアマラが黙り込む

ミスターレッド

………何だよ

アマラ(通信)

いや………気にしないでくれ…

ミスターレッド

はぁ……？

アマラ(通信)

ともかく、頑張れよ

ツー…………ツー………

ミスターレッド

はぁ？

ミスターレッド

何だよこいつ……

ミスターレッド

さっきまでヘラヘラしてたかと思えば……

ミスターレッド

急に変な態度取りやがって…

ルカ

風邪でも引いたんじゃ無い？

ルカ

あ……やっぱりそれは無いかも

ミスターレッド

…………まぁ

ミスターレッド

また俺達の事を揶揄ってるだけだろうな

ルカ

そうだな！！

ミスターレッド

取り敢えずはアマラが言ってた「エリートとの合同での仕事」ってのの話が出るまではアジトの探索でもしてようぜ

ミスターレッド

でも今日は……

ミスターレッド

ふぁ……………

ミスターレッド

もう眠いから寝ちまおうぜ

ミスターレッド

此処、人が来る気配もねぇし

ルカ

そうだな！！！

ルカ

んじゃ！！そこら辺にある段ボールでも敷いて寝ようぜ！！

ミスターレッド

だな！！！

そんな会話を交わして、俺達は眠りについた

この時も、地下ではあんな悲劇が起こっているとは知らずに

Escape from the past

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

265

5件

五日間謎のアプリ落ちで入れなかった間に神小説の更新があっただと！？((( やっぱりあの中級兵はいい人で安心した、やっぱり鬼島教官が悪い人で逆に安心した←は段々アマラに対する謎が深まっていく…過去に何があったのか…… 伏線の回収が楽しみ！

青年兵士さんに裏切られなくてよかった……中級兵にしては珍しく良い人だったねにしても精神的苦痛……ただでさえ精神擦り減らしてるあの二人大丈夫か……？大丈夫か（自己完結）中級兵の中にもエリートとそうじゃないやつ居るのか　めんどくさっ…… この島本当どうなってるんだ？あとアマラさん！思わせぶりやめて！あとフラグ立てないでよね！？とりあえず鬼島成敗完了！このままフェデラーぶっ倒そう！

ステラ

プロフィール