俺の彼女は

21歳の俺には彼女がいる

少し素っ気ない所もあるが 優しい女の子だ

付き合って明日で1年である

しかし、 俺は

まだ彼女の顔を見たことがない

年齢も声も知らない

つまり、1年付き合っていて 1度もあったことがない

しかし、俺の彼女は過去に俺と同じ高校だったと言う

それを聞いて卒アルを見返すが やはり同じ名前はない

卒アルを見る度に目に止まるのは

｢若宮さくら」

高校の時片思いしていたクラスメイトだ

告白しようと決めていた

でも遅かったんだ

彼女は交通事故で死んでしまった

もう少し早く伝えていれば なんて

ずるずる引きずった結果 成人するまで 彼女が出来なかった

すみれ、彼女と知り合うまでは

俺と同じくらいの歳の 綺麗な女の人が立っていた

俺とすみれは初めてあった割に かなり会話が弾んだ

すみれも最初ぎこちなかったが 今ではとても楽しそうだ

しかし、緊張しているのか喫茶店に行ってもあまり飲まず食わず

ほとんど口にものを入れない

やはりまだそこまで打ち解けれないか…

赤い夕日が見えてきて そろそろ帰ろうか？ と、すみれに言ったら

あの高校に久しぶりに行きたいと言った

そこでちょっと話したいと

なんだか少し険しい顔をしていたのが気になった

珍しく、すみれが積極的に 手を握ってきた

すみれは何も言わずに微笑んでいた

すみれは黙って俺の胸に 手を置いた

そう言ったすみれは 下ろしていた髪をたくしあげ

うなじを見せてきた

すみれが切れ込み部分を押すと その部分が開いた

中にはUSBがさせるようになっていた

さくらは泣きながら 優しく笑っていた

あの素敵な思い出から 何年経っただろうか

さくらはお寝坊さんだから

なかなか起きてくれないんだ

手は冷たいけど いつもの事だ

顔も肌もずっと綺麗なままだ

あと、俺は今大忙しなんだ

また一緒に歩けるように

機会の勉強を…

だから、ちょっと待っててな

さくら