ライアンは気を取り直したように力強く剣を構え、アメリアに向く。
その瞬間、だった
アメリア
アメリアだけではない。
"その瞬間"、そこにいる全員がそう感じたはずだ
本来なら"アメリアとアッシャー以外の全員"が。しかし、アメリアはそれに気がついてしまった。
死ぬかもしれない。
…そう思った。しかし。
アメリアに、迷いはなかった。
アメリア
くるりと体を翻したかと思うと、素早くそちらに銃発を放つ。
その拍子に、申し訳程度にライアンの方へも撃ってはいた。
しかしその発砲が意味を持つことなどないとは分かっていた。
そう、分かってはいた。それでも…
アッシャー
アッシャー
アッシャー
アッシャーを貫いたのは、当然弾丸であ る。
横で戦っていたテヘル・アイザック・サ ミュエル
そこに、おそらく敵を倒し、アメリアたちに加勢しようとしたミュール。
そうして盤面が変化するその一瞬の"隙"、アッシャーが一旦区切り剣を構え直すそのとき───
生まれたその"歪み"を、見逃さなかった。
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリアはギリ、と歯を食いしばる。
アメリア
アメリア
アメリアはぐっと背筋を伸ばす
アメリア
ライアンの背後、その影から──青い煌びやかなバラがチラチラと見える
ミュール
ミュールはその銃口をライアンの背後から押しつけていた。
ミュール
ミュール
ライアン
戦場は一瞬止まった
しかし、仲間たちがこのチャンスを逃すわけは当然…なく。
テヘル
サミュエル
アイザック
ミュール
メラ
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
勝たなきゃいけない。
今一番欲しいのは…ただ欲しいのは、勝利である。
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アメリアはそこまで考えて、ふと気がつく
そして、呆れたように、気を抜いて…やわく笑った。
アメリア
そこからの流れはもう、完全にアメリア一行のものだった。
あんなに強かったアッシャーは、その傷一つで心を挫かれたのか、いや、それとも…
仲間たちが皆、より想いを強くしたのか
ともかく、アッシャーたち3人に対して、アメリアを欠いた5人は圧倒的に優勢だった。
アメリア
アメリア
そうして、ついに───。
アッシャー
トン。
王・アッシャーの背に、ダンと片足が乗る
アッシャー
それをぐり、と踵で少しだけ痛めつけると、男は顔を上げる。
アイザック
彼はアメリアの方を見てそう言った
アメリア
アメリア
アメリア
アメリア
アイザック
アイザックは俯いてアッシャーを見つめる
アッシャー
その瞬間、アイザックは今までと違う顔をする
いつものやる気ない目でも、冷たい目でもなく、そして鋭く殺意を持った目でもなく
ただ、真っ直ぐに。そして彼は、隣にいる人間を見る。
テヘル
アッシャーは最後まで戦意を失ってなどはいなかった。
最期のその一瞬、剣を振り下ろすアイザックにでさえ…もう一度剣を構えようとしていた。
しかしそれは敵わない。
アッシャー
たった一瞬。綺麗な軌道で…アイザックはその命の灯火を消した。
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