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やべぇ控えめに言って好き
4月、桜がまだ舞う季節。
青葉城西の教室に、彼女は現れた。
先生
教壇の前で静かに頭を下げた少女は
まるでガラス細工のように繊細だった。
柔らかな黒髪、真っ直ぐな姿勢。
そして_
どこか作り物のような笑顔。
天音 夜空
その笑顔にクラスの誰もが、
『いい子そう』
と感じた。
だが、及川徹だけは違和感を覚えていた。
岩泉 一
隣で聞こえたのは岩ちゃんのぼそっとした声。
及川 徹
及川 徹
冗談めかして返す及川だったが
その瞳には彼女の
"仮面"
が確かに映っていた。
自分と同じ匂いがする。
昼休み
私は誰かと打ち解けるでもなく、
屋上へと続く階段に腰を下ろしていた。
及川 徹
及川 徹
気配もなく現れたのは、
クラスで1番目立つ男子
"及川徹"
天音 夜空
天音 夜空
及川 徹
及川 徹
及川 徹
"いい子"
及川 徹
突き刺すようなその問いに
表情が一瞬だけ止まる。
天音 夜空
及川 徹
ニヤリと笑う及川の瞳は冗談めいていたが、
その奥には確かに"同じ"ものを抱えていた。
だから、私は、初めて
仮面の奥で
ほんの少しだけ微笑んだ。