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さよならを知らない君へ

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さよならを知らない君へ

2 - 転校生は、笑わない

♥

12

2025年05月24日

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4月、桜がまだ舞う季節。

青葉城西の教室に、彼女は現れた。

先生

今日からこのクラスに転入することになった、天音夜空さんです。

教壇の前で静かに頭を下げた少女は

まるでガラス細工のように繊細だった。

柔らかな黒髪、真っ直ぐな姿勢。

そして_

どこか作り物のような笑顔。

天音 夜空

よろしくお願いします。

その笑顔にクラスの誰もが、

『いい子そう』

と感じた。

だが、及川徹だけは違和感を覚えていた。

岩泉 一

なんか、無理して笑ってるぽくない?

隣で聞こえたのは岩ちゃんのぼそっとした声。

及川 徹

んー、そう見える?

及川 徹

可愛い子じゃん、俺は全然ありだけどね〜

冗談めかして返す及川だったが

その瞳には彼女の

"仮面"

が確かに映っていた。

自分と同じ匂いがする。

昼休み

私は誰かと打ち解けるでもなく、

屋上へと続く階段に腰を下ろしていた。

及川 徹

ここ、よく見つけたね〜。

及川 徹

俺のお気に入りなんだけど?

気配もなく現れたのは、

クラスで1番目立つ男子

"及川徹"

天音 夜空

あ、ごめんなさい。

天音 夜空

場所、邪魔だったかな…?

及川 徹

んー、別に。

及川 徹

むしろ歓迎かも。

及川 徹

天音ちゃんってさ、なんでそんなに

"いい子"

及川 徹

やってるの?

突き刺すようなその問いに

表情が一瞬だけ止まる。

天音 夜空

…そうゆう風に見える?

及川 徹

見えるよ。俺、そうゆうの、ちょっと詳しくてさ

ニヤリと笑う及川の瞳は冗談めいていたが、

その奥には確かに"同じ"ものを抱えていた。

だから、私は、初めて

仮面の奥で

ほんの少しだけ微笑んだ。

さよならを知らない君へ

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