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廃旅館

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廃旅館

1 - 廃旅館

♥

4

2020年06月18日

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無限

おい漢字。来週の事忘れてないよな?

漢字

ええ、行くのかよあそこに…

無限

もしかして、ビビってんのか?w

漢字

別に、ビビってねーし。

無限

相変わらず強がりだな笑

漢字

もうめんどくさいなw、誰だって怖いものはあるんです〜

無限

なんだよ、開き直りやがってwま、そんな事は置いといて…

無限

あの廃旅館本当に出るんかな〜

その廃旅館は色々な怖い噂があるそうだ、例えば一般的なのでは写真に女が映り込んだり、勝手に物が動いたりするそうだ、でもこの廃旅館は他とは違う特別な事が起きるらしい。

ま、よく分からないがそれがどうしても知りたくて無限は行ってみたいらしい。

漢字

ま、噂程度だし嘘の可能性もあるんじゃね?

無限

ま、そうかもだけど、うちの学年で一回その廃旅館に行って酷い目に遭ったらしいぞ。

漢字

酷い目って例えばどんなの?

無限

詳しくは先生から教えてもらえなかったけど、かなりヤバイらしい…

漢字

なんだよそれ笑。

無限

だからこうして廃旅館に行ってその現象がどんなのか確かめに行くんだよ。

漢字

おい、俺まで巻き添え喰らうじゃねーかw

無限

でも、どうせ信じてないんだろ?

漢字

いや、まぁ信じてないけどさもし酷い目に遭ったら責任とれよw

無限

と、いう事で明日の深夜3時にお願いな。

漢字

いきなりだな笑、分かった了解。
集合場所は?

無限

いつもの駅でよろしくでぇす!

漢字

了解。

深夜の3時にて、いつもの駅に行ってみたが、どうやら俺が先のようだ。

遅かったので俺は無限に電話を掛けた。

漢字

通話終了

通話
00:00

漢字

おい、遅いぞー

無限

あ、ごめん部活で疲れて寝落ちしちゃった笑

漢字

急いで来いよー

無限

オッケー!

そして10分くらい経った頃ようやく無限が来た。

漢字

言い出した本人が遅れてどうすんだよ笑

無限

本当にごめん笑

漢字

ま、いいよその代わり、帰りに何か奢れよ。

無限

分かった。

そして無限が来たところで、俺たちはその廃旅館に向けて歩き出した。

そして何十分か経ち、ようやく着いた。

この廃旅館はかなり山奥にあった、途中で熊が出るか心配だったが、着いた途端にその心配は徐々に恐怖に変わった。

漢字

こんな山奥なんて聞いてねーぞ。

無限

すまん、すまん言い忘れてたw

漢字

何で言い忘れるんだよ…

無限

ま、そんな事はさて置きようやく着いたな。

漢字

来てみたら結構不気味だし、行く途中で熊が出るか心配だったんだぞ。

無限

ここ熊が出るとか聞いたこと無いから大丈夫だと思う。

漢字

なら良かった…、しかし本当にボロボロだなこの旅館。

無限

それは廃旅館なんだから当たり前だろw

今目の前にある旅館は本当に不気味で、いかにも幽霊が居そうな場所だった窓が割れ、所々ツタが絡まっている。

漢字

しかし、ここで何があったのやら。

無限

そういえば、そんな事聞いて無いな、俺もそこまでは分からん。

漢字

中に入ってみるか。

無限

おっじゃまっしまーす!

玄関はそこまで酷くは無かったが、入った瞬間腐ったような異臭がした。

割れたガラスや、紙や色々な物が散乱している、よくテレビで見るような廃墟だった。

無限

中めっちゃ汚いなw

漢字

テレビで見た廃墟まんまだなw

無限

取り敢えず探索開始!

漢字

了解!

無限

じゃ、俺右行くからお前左に行ってこい。

漢字

早速だなw

無限

朝になる前にチャチャっとやるぞー!

漢字

了解!

内心かなり怖かったが、またからかわれるのが嫌だったので黙って左の方に探索しに行くことにした。

さっきの玄関の近くに比べてあまり物が散乱していなかった、だが不気味な感じは変わらない。

道は廊下になっていて右側に部屋が何個かある、これを一つ一つ探索するのはかなり怖い。

俺は震える足で一つ一つ部屋を探索しながら、歩いて行った。

漢字

しかし本当に不気味だな、この言葉も何回言った事か、まずは一つ目行っくぞー!

そしてドアを開ける、古いドア特有のあのギギという音がなる。その音がさらに不気味さを増していく。

漢字

暗いな〜、やっぱり来なかったら良かった、しっかしツタ生えすぎだし物散らかりすぎw

漢字

なんでこうなるのかな〜、廃墟って決まってこうだもんな〜。

俺は廃墟は何でこうなるのか、疑問に思いつつ探索をして行った。

するとある物を見つける。

漢字

何だこれ?日記か?

それは日記のような物で、ページをめくってみると何か書いてある。

○○○○年○月○日 今日はお父さんとお母さんで旅館に泊まりに行きました、この時を楽しみにしていたのでワクワクしています。

子供のような字で書いていたので、恐らく小学生だろう旅館に泊まる事をよっぽど楽しみにしていたみたいだった。

次のページにも何か書いてある。

○○○○年○月○日 2日目も楽しかった、だけどお父さんとお母さんが何か喧嘩をしている、私は泣きながら止めに入って何とか治ったけど、まだ仲直りを出来てなさそう。

漢字

親同士で喧嘩か、この子も災難だったな。こういうのってよくある事なんかな。

次のページをめくる。

お父さんがお母さんを黙らせた。 お母さんから血が出ている、お母さん私が声を掛けても何も返事しない、お父さんはなんだか焦っている。

漢字

え、まさか…そんな訳ないよな誰かが悪戯で書いたに決まっている笑

次のページをめくる。

助けて 助けて助けて助けて助けて助けて。

漢字

な、なんだよ!これ!!

大きい文字で助けて無数に書いてある、俺は驚いて思わず尻もちを着いてしまった。

その瞬間横から。

助けて。

そう聞こえた、間違いなく。

漢字

うわあああ!!

そう叫ぶとともに、玄関から勢いよく飛び出し無限のところに走って行った。

漢字

はあ、はあ、はあ、なんなんだよ。
もう帰った方がいい、絶対に。

走った事で息苦しくなり、呼吸が荒くなる。

そして俺は無限の所に着いた。

無限は驚いた顔をしてどうしたんだ?と問いただす。

漢字

おい、もうここから出るぞ!

息が荒くなって上手く話せない。

無限

おい、一旦落ち着け何があったんだ?

漢字

そんな事言ってる場合じゃない!、早く逃げるぞ!このままじゃあいつが来る!

無限

おい待ってて!

漢字

いいから逃げるぞ!

無限は頑なに出ようとしないだから俺は無限を引きずるようにして玄関まで走った。

俺は走って山の下までダッシュで駆け下りる。

そして、さっき待ち合わせた駅に着いた。

無限

おい、一体何があったんだよ。

漢字

もう帰ろう、正直今話す気になれない。

無限

お、おう。分かった。

無限は突然の事に困っているようだった、その後は解散してお互い家に帰った。

学校にて。

無限

おい昨日はどうしたんだ?

漢字

ああ、昨日は急にごめんな。

無限

別にいいって笑。

漢字

実はな。

俺は無限にあの日記の事、日記の内容全てを話した。

無限

マジかよ…

無限は驚いた顔でそう言った。

無限

嘘じゃ無いよな?

漢字

全部本当の事だ。

無限

あ、そう言えば写真撮るの忘れてたな笑

漢字

あ、本当だな笑

無限

しかし、噂になってたのと全く違うな、もしかしたら特別な現象ってこの事なんじゃ無いか?

漢字

分からないけど、そうかもな笑

俺もこの時特別な現象はこの事だったんだろうと確信した。しかし、無限はまだ何か言いたそうな顔をしている。

漢字

おい、まだ何か言いたいことあるのか?

無限

え、何で?

漢字

だってお前まだ言いたそうな顔してるからさ。

無限

何だよそれ笑

漢字

本当に言いたいこと無いのか?

無限

うーん………

無限は俯いて何か悩んでいる、気になって聞いてみた。

しかし、俺は公開した。

漢字

おい、早く話してくれよ。

無限

お前後悔しないな?

漢字

何でだよ?

無限

それほど、ヤバイ事だからさ……

漢字

いいから話してくれよ。

無限

いいんだな?

漢字

しつこいな早くしてくれよ。

俺は中々言ってくれない無限にイライラして早く話せと急かせた。

無限

分かった、お前がそう言うなら言うなら言うよ。後悔しても知らないからな。

漢字

おう、頼んだ。

無限

お前が急いで俺の所に来たじゃ無いか、その時。

無限

居たんだよ。

無限

無限

お前の背中にまたがっている女の子が。

漢字

あれから10年ぐらい経った。

漢字

あの頃の俺はヤンチャだったな。

漢字

今でも俺は無限といい親友だ。

漢字

もうあんな目には二度と会いたく無い、俺はそう思っている。

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