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橘靖竜
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夜の帳が深く降りた町外れの古びた神社。 朱塗りの鳥居は幾度も塗り重ねられ、色褪せながらもなお威厳を放っていた。
ナナセはゆっくりと境内へ足を踏み入れた。 背中の印は激しく熱を帯び、まるで皮膚の内側から燃え上がっているようだった。
狐面の存在
——狐面の声が頭の中で囁いた。
闇の中から白い狐面が現れた。だが、その姿はいつもと違った。
狐面の存在
狐面は、ゆっくりと面を外す。 そこにあったのは、歪んだ人の顔。半分は獣のように裂け、朱色の印が刻まれていた。
狐面の存在
狐面の存在
狐面の存在
ナナセは声にならない叫びを上げた。
ナナセ
狐面は笑った。
狐面の存在
狐面の存在
狐面の存在
狐面の存在
ナナセの胸は引き裂かれそうだった。 人間の自分は消え失せていく。だが、記憶は大切だ。
ナナセ
狐面は静かに頷き、選択の場を与えた。
目の前に、二つの道が現れた。 一つは、かすかな朝日の差す“人間に戻る道”。 もう一つは、漆黒の闇の中へ消えていく“向こう側の道”。
ナナセは、どちらを選ぶのか。 そして、その選択が、彼女の存在と未来を決める——。