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落ちていく。
ただ、落ちていく。
メグ
コバルトブルーが一面に広がる空から、フォレストグリーンの寒々しい地上へと。
メグ
メグ
ばたつかせた腕が、むなしく空を切る。視界に入るのは、どんどん近づいてくる木々と、空と同じ青に染まった湖。
このまま落ちていけば、寒色の絶景に、赤い汚点が出来てしまう。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
風圧で涙が横に流れていく。
心臓が口から飛び出しそうなほどの浮遊感に、恥も外聞もなく泣き叫ぶしかない。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
今はすっかり恋しくなった、真っ白な世界での事を、私は必死に手繰り寄せる。
この空へ放り出される前の、ほんの数十分程度の記憶を。
そも、私が白い世界へと引きずり込まれたのは、つい数十分前の事だった。
液晶タブレットの明かりだけが、煌々と私の顔を青白く照らしている部屋の中。
あそこにいる前の私は、ぼうっとSNSを眺めていた。
メグ
メグ
メグ
タップして未読の赤印を押しつぶす。
そこには案の定、誰かのSNSのスクリーンショットが貼られていた。
相談者
相談者
相談者
相談者
相談者
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
ぼたぼたと落ちる涙が、液晶タブレットの上を伝う。
筋を作る水の数が増える度に、デジタルペンからミシミシと悲鳴が上がった。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
頭の上と、首の上にすっかり冷えた雫が落ちる。
メグ
メグ
メグ
涙が止まらない。心が収まらない。
画材よりも先に、私の精神が壊れてしまいそうだ。
メグ
メグ
振りかぶった液晶タブレットが、ぶん、と耳元で風切り音を立てる。
次に来るだろう手の衝撃に備えて、私はぎゅっと瞼を閉じた時だ。
あの、白い部屋にいたのは。
メグ
??
??
振りかぶった液タブの重みが、ふっと消える。
代わりに感じたのは、腕に絡みつく柔らかな温もり。 そして、穏やかながらも凛とした声。
その声の主が、私の腕を抱き締めて、止めているのだと、私は遅れて気がついた。
??
女神
メグ
メグ
メグ
メグ
??
温かな腕を、振り払ったその瞬間。
黄金のドレスの裾が、きらめいた。
視線をあげた先では、黒く長い髪が光を優しく遮っている。
メグ
その様は、まるで――
メグ
女神
女神
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
女神
女神
女神
女神
女神
メグ
女神
女神
メグ
女神
女神
女神
メグ
心臓がどくん、と大きく跳ねる。
メグ
メグ
メグ
女神
女神
女神
メグ
メグ
女神
女神
女神
メグ
女神
女神
女神
女神
女神
女神
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
女神
女神
??
女神
女神
メグ
メグ
女神
メグ
白から黒へ、まるで電気のスイッチを押したかのように真っ暗になる視界。
ふわりと体が浮く感覚と共に、自称・女神様の気配が遠のいて……
ああ、そうじゃん。
メグ
メグ
ぐんぐん近付いてくる湖に、いよいよ頭を抱えて絶望する。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
目を瞑った、その瞬間だった。
メグ
びゅうっ、と強い風が私の体を受け止めるように吹き付ける。
明らかに自然のものではない、何かしらの意思を感じさせるほどの突風だ。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
やがて、私の爪先が水面へと静かに触れる。
そのまま沈むかと思いきや、私の足は軽やかに、水面を駆けて陸地へと向かっていた。
とん、とん。
メグ
私の体は、こうする事が当たり前かのように、軽やかに足を動かした。
まるでバレエのステップを踏むように、水面の上から、陸へと上がる。
硬い地面に足が全て乗った時、自然と口からは盛大なため息が零れた。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
木々がひしめき合う獣道を、少し進んだ先。木漏れ日が差し込む開けた場所。
そこに、茶色い大きな塊があった。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
そう思った瞬間、体が勝手に走り出した。
土汚れの酷い、茶色のコートを着たその人のもとへと。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
???
メグ
???
???
???
メグ
そう。これが、私と彼の初めての出会い。
彼が背負う、残酷な運命の一端を見た、その日の出来事である。