大嫌いだった。
好きになるはずない。
別に
君なんて...。
*
*
学校
恵美
なー
恵美
つー
恵美
きー
恵美
ちゃん!
ドンッ
夏希
痛っ、......
恵美
おはよー
紗良
ふふふっ、
紗良
今日もよろしくね
紗良
夏希ちゃん?
夏希
......。
いじめは
今に始まったことじゃない。
10年前
男子A
夏希ぃ!
ぐいっ
夏希
っ痛...!
男子B
ははははは!
男子B
夏希、
男子B
ピンなんかつけて
男子B
なに女子ぶってんだよ!
夏希
...え、
夏希
あ、やめてっ......!
男子A
うわ、なんだよ!
夏希
そのピンは
夏希
お母さんの形見なの...!
男子
お前ら、それよこせ
夏希
っ?!
男子A
げっ、!
夏希
(また、この子...)
夏希
(いつも私をいじめてる...)
夏希
なに、する気?
男子
なにすると思う?
そうニヤッとしてから
その子は
私の
夏希
やめてっ!
言葉すら聞かず
男子
っ、
そのピンを
河原の方に投げた
夏希
...え、
夏希
っ、ふぇ、
夏希
うぅう、...うぅ、ひっく、
ただただ
悲しかった
男子A
うわ泣きやがった!
男子B
いこーぜぇ、
男子
......
その男の子も
しばらくして
その場を離れていった
ガサッ
夏希
っ、う、
ガサッガサッ
夏希
...ない、......
夏希
っ、ぅう、
ガサガサ...
その日も
次の日も
その次の日も
ピンを探したけど
見つからなかった。
そのまま
現・高校2年生
夏希
...(なんで、私が)
夏希
(いじめられなきゃいけないんだろ、)
夏希
(小さい頃に)
夏希
(お母さんをなくしただけで、)
夏希
(なんで)
夏希
(差別されなきゃいけないの?)
夏希
(お母さんは、)
夏希
(悪くないのに...っ、)
お昼
夏希
(お弁当)
夏希
(屋上で食べよっかな...)
ガララッ
恵美
あーあ
恵美
お腹すいたぁ!
紗良
ほんとほんと
紗良
購買のパン食べたいなぁ
恵美
ねぇ
夏希
...、
恵美
夏希ちゃん?
夏希
な、なに...、
恵美
パン
恵美
買ってきてくれない?
恵美
お金後で払うからさ
恵美
ね?
夏希
...
夏希
(そんなこと言って)
夏希
(お金返されたことなんて)
夏希
(1度もないじゃない、)
紗良
“嫌”なんていったら
紗良
どうなるかわかってるよね?
夏希
...
恵美
ありがとー
紗良
早く食べよ!
紗良
時間なくなっちゃう!
スタスタスタ
夏希
......
結局
今日も
返してくれなかった、
学校 校門前
???
???
......。
②に続く