《生暖かい風で夢から覚めさせて》
#夏風. #小説コンテスト・ノベコン.
今日はとても暑い夏だ. 朝,昼,夜は関係無く暑かった.
少し外を出歩く程でも汗をかく程である.
ただ今日は風があった. 少しでも暑い夏にはマシだった.
唯,風は生暖かい風だった. けれども涼しい風と錯覚する程暑かった.
そんな今日は学校だ. 私にとっては憂鬱でしかない. 何故学校に行かないといけないんだろうか. 義務教育が何とかとかどうでも良い. こんなにも××でしかない学校に行きたく無い. もう嫌でしかない.
こんな事を考えている内に目の前を見ると 学校に着いてしまっていた. 何故こんなにも考えていたのに身体は, 学校まで歩けるんだろうか. 良く身体は覚えていると言うが正にこの事だろう.
靴から上履きに履き替えて教室へと向かう. もう慣れたものだ. 私は二階だから階段を登らないといけない. こんなにも暑い夏だと階段で疲れてしまう.
………友達はいない. 挨拶の言葉も無い.私はいわゆるド陰キャである.
毎日本を読んだり外を見つめるだけだ.
だから学校には行きたく無い. 私の学校はスマホを禁止されていてつまらないからだ. 家ならスマホは触り放題なのにな. まぁ陽キャ共は隠れて持って来ているようだけど. 何故知ってるかって? そんなの女子トイレで触りまくっている所を 目撃したからだ.
陽キャ共はこんなド陰キャに見られても, 先生に言えないんだろうと思われてると思うし, 本人達は気にしていないっぽいけど. まぁ図星ではあるが.私も報告するにはしない. 面倒事に巻き込まれるのは御免だ. 静かに過ごしたいからだ.普通に逆恨みされても困るしね.
けどもうこんな時間だ. 又,毎日の繰り返しが始まる.
唯,移動教室だから独りで移動して.
体育だから運動して.
御母さんに用意して貰った御弁当を食べて.
こんな風に"唯"過ごすだけ.
毎日,変わり無い一日を過ごすだけ.
つまらない学校生活だな. と自分でも自覚してるから.
分かってる.全部分かってるから. だから少しでも夢を見せてよ.
少しでも主人公気取りさせて. 漫画の様に心の中に呟かせて.
御願いだから. 少しでも生暖かい風を浴びさせて.
現実も見せて. 私に現実を見せて夢を覚めさせて.
虐められてるなんて夢だから. 御願い.今直ぐに覚めさせて.
現実みたいに夢にも痛感があるなんて聞いてないよ. 私知らない.
もうタヒにたいとか消えたいとか思わせないで.
私狂っちゃうから.
ドンッ.
あれ私空飛んでる.真下へ向かってる.
如何して??之夢だから早く覚めてよ. 嫌だ.タヒにたくない.
ほんとにまだやりたい事あるから.
助けてよ.
風の音が聴こえる. ねぇ.生暖かい風で夢から覚めさせてよ.
コメント
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イイネ!!!