無能と呼ばれた彼

首周りをグルっと回し

緊張をほぐす

さすがはwrwrd

ほとんどの兵士たちが見事に 殺られていった

まぁ

二部隊持っとるだけあって

守れるなんて 確信はなかったからなぁ…

カチャカチャとパソコンを 動かす

ハッキング部隊も

近接も もうわずかしか兵士がいない

他の部隊も 幹部が殺られたりして

もう正直 勝てそうにはなかった

僕は近接のサポートを しながらも

パソコンに集中していた

城はもう目の前やった

敵は今までよりも 多くなかったが

正直 俺の体は限界を迎えていた

いつもよりも集中力が なかったせいか

敵に体を斬られてしまったのだ

ついでに

左腕も感覚があんまりない

多分

バキバキに折れてると思う

もう

意識も少し朦朧としていた

でもっ

俺は気合いを入れた

ここで倒れるわけには いかないから

大丈夫

俺は目の前の敵に集中した

ついに

俺の二部隊は 俺以外全滅した

他の部隊も そうっぽい

もう

生きてんの僕と総統だけ

インカムを外す

正直

もういらんかった

総統は何しているのだろう？

わんちゃん

死んだか？

インカムからも 連絡は来んかったし

ここまで負けてるのを見ると

何か笑えてくる

僕はパソコンも地面に置いて

壁にもたれかかった

総統から何一つの助けも報告も 来ないってことは

総統も脳天をぶちまかれたのだろう

空を眺める

晴天の青空

僕は

ただ１人 壁にもたれかかっていた

城の入り口まで来る

バタバタと相手の兵士は 倒れていて

呼吸をしていなかった

コネシマが周りを見渡す

ロボロからのインカムが 入った

コネシマから緊張が 抜けていくのを見る

そう言って

ゾムが向こうの壁を指差した

指の方向を辿れば

確かに人影がある

俺たちの声に

ピクッと体を揺らし

ゆっくりと

そいつは立ち上がった