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ぺりぺり

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ぺりぺり

1 - ぺりぺり

♥

3

2022年03月10日

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大家

じゃあ、今日からよろしくね、市川さん

市川 結奈

はい、よろしくお願いします

大家

ちょっと古くて壁も薄いけど、慣れたら平気だから

市川 結奈

そんなことないです!

市川 結奈

私、初めての一人暮らしで、すごく楽しみなんです

大家

あらそう、それならよかったわ

市川 結奈

はい!

市川 結奈

やっと引越し終わった〜

橋本 沙月

おめでと〜

市川 結奈

これから新しい生活が始まるのが楽しみ!😆

橋本 沙月

よかったね、今度遊びに行ってもいい?

市川 結奈

いいよ!ちょっと古いけどねw

橋本 沙月

そーなんだ、どんな感じ?

市川 結奈

普通だけど、和室って感じ

市川 結奈

あと、壁が薄いって言ってた

市川 結奈

でも家賃安いから全然平気!w

橋本 沙月

結奈うるさいからな〜
お隣さんかわいそうw

市川 結奈

一人だったら静かだよ!😠

橋本 沙月

はいはいw

橋本 沙月

初めての一人暮らし、楽しんでね〜

市川 結奈

うん!ありがとう!

市川 結奈

は〜今日から一人暮らしか〜

市川 結奈

ちょっと不安だけど、ワクワクするなあ

市川 結奈

お隣さんとも仲良くなって、大学卒業するまではここに居たいな〜

引越してから一週間後の夜中

ぺりぺり…ぺり…

ぺりぺりぺり…

結奈は変な音がして目が覚めた

スマホを確認する

市川 結奈

一時…

スマホの明かりで完全に目が覚めた結奈は、またあの音を聞く

ぺり…ぺりぺりぺり…

音は、隣りの部屋から聞こえてきた

市川 結奈

隣りは、山本さんだっけ

市川 結奈

一度ちらっと見たことあるけど、全然会わなくて話したことなかったな…

市川 結奈

すごい色白な女の人だったのは覚えてる

ぺりぺり…ぺり…

市川 結奈

なんなの…この音

市川 結奈

紙を破くような…

音は夜中だからか、やけに響く

ぺり…ぺりぺり…

市川 結奈

んー寝よ!

結奈は布団を頭から被って、眠ることにした

市川 結奈

てことがあってさ〜

市川 結奈

ちょっと不気味だったんだよね😅

橋本 沙月

う〜ん、内職とかじゃない?

市川 結奈

そうかな〜?紙を破くなんて内職ある??

橋本 沙月

世の中には案外色んな仕事が転がってるんだよ

市川 結奈

そうなのかな〜

その日の夜中

市川 結奈

もう〜明日提出のレポート忘れてた〜

市川 結奈

朝までに終わるかな〜…

ぺりぺり…ぺりぺり…

ぺりぺり…ぺり…

市川 結奈

え…

ぺり…ぺりぺりぺり…

市川 結奈

また、あの音…

ぺりぺり…ぺり…

結奈は気味悪くなり、イヤホンをしてレポートを完成させた

あの音は、あれから二、三日続いた

結奈はとうとう我慢できなくなり、沙月の家に泊まることにした

橋本 沙月

その山本さんに直接注意しに行ったらいいじゃん

市川 結奈

注意しようとしても居ないんだもん

橋本 沙月

いない?

市川 結奈

さすがに夜中に行くのは他の人にも迷惑だろうから明るくなってから行くんだけど、出てこないの

市川 結奈

大家さんにも相談したけど、山本さん、いつも朝早くに出て行くみたい

橋本 沙月

はぁ、なるほどね…

市川 結奈

でも沙月が泊まらせてくれて本当に助かった

市川 結奈

ありがとうね、急だったのに…

橋本 沙月

いいのいいの、そんなのが続いたら確かに気が滅入るわ

市川 結奈

ありがとう…

橋本 沙月

まあ、今日は嫌なことも忘れて気楽にしていきなよ

市川 結奈

そうだね…!

結奈は、沙月の家から自分の住むアパートへ帰るところだった

市川 結奈

え、このニュースに映ってるアパートって…

市川 結奈

家、だよね……

市川 結奈

…しかも、山本 亜紀子って…まさか、山本さん…!?

アパートに着く頃には、数人の警察が山本さんの部屋で作業をしているのが見えた

大家

あ!市川さん大変なのよ!

市川 結奈

あ、大家さん!

市川 結奈

山本さん、亡くなってしまいましたね…私まだ一度もお話ししたことなかったのに…

大家

そうね〜、でもちょっと変わった人だったのよ

大家

山本さんのお隣の鈴木さんが通報してくれたの

大家

鈴木さんも朝早い人なんだけどね、必ず出てくる山本さんを見なかったらしいのよ

大家

心配してドアを開けたら山本さんが倒れていたって!

市川 結奈

そうだったんですね…

結奈は階段を上り、二階の自室へ戻ろうとする

結奈の部屋は山本さんの奥にあるため、山本さんの部屋の前を通る

警察が山本さんの部屋を整理しているようだった

そこで、目の前の光景に息を飲む

市川 結奈

えっ、これ…

玄関の前に出された数個のゴミ袋の中は、大量の破れた細長い紙でいっぱいだった

そして、その紙とは

市川 結奈

御札…??

市川 結奈

御札が、半分に破かれてる…?

山本さんの部屋の中を少し覗くと、裏返しにされた全ての畳が、無造作に散らばっていた

市川 結奈

…もしかして、この御札、

市川 結奈

全部、畳の裏に…

結奈は血の気が引いていくのを自分でも感じた

そして、部屋には入らず、とっさにアパートを出た

行き先などは考えていなかったが、とにかくこのアパートから離れたかった

そして、アパートから少し離れた喫茶店に入り、無理矢理気持ちを落ち着かせた

市川 結奈

あれ、絶対に御札だった…

市川 結奈

まさか、今までのあの音は、全部あの御札を破く音だったの…!?

市川 結奈

でもなんでそんなことしたんだろ…

市川 結奈

御札破くなんて、バチ当たりなことするなー

市川 結奈

…!!

市川 結奈

…御札を破いたから、亡くなった…?

市川 結奈

確かニュースでは心臓麻痺って言ってたけど…

市川 結奈

でも他に考えられない…

市川 結奈

山本さんは何日もかけてあの御札を破いてたんだ…

市川 結奈

そして全部破いたから、亡くなった…

市川 結奈

…あの御札、何を封印してたんだろ

結奈はここまで考えたが、後は何も考えないことにした

市川 結奈

引越そう…

結奈はアパートに帰る途中、引越すことを決めた

帰ってくるともう警察もおらず、ひとまず落ち着きを取り戻したようだった

山本さんの部屋は、何事もなかったかのように静かになっていた

数日後

結奈は荷物をまとめていた

市川 結奈

やっとこのアパートから出られる…!

市川 結奈

今度のアパートは今よりちょっと高いから、バイト増やさなきゃな〜

バタン

結奈は扉を閉めた

そして新居に向かって車を出した

結奈は自分の部屋の畳を裏返すことなどはしなかった

大量の御札が出てくるのが、怖かったからだ

もちろん、結奈の部屋にも御札が貼られていたのかは、誰も知りはしないが…

結奈はようやく引越しの準備を終わらせた

時計を見ると、もう十二時を回っている

市川 結奈

は〜やっと寝れる…!

市川 結奈

この前のこともあったけど、おかげでこんなキレイな所に住めちゃった…!

市川 結奈

しかも憧れのベッド!

市川 結奈

そしてフローリング!

市川 結奈

明日はお隣さんへの挨拶もして、今度こそ充実した一人暮らしにするぞ〜

市川 結奈

はあ〜疲れた、今日はとりあえずもう寝よう…

ぺり…ぺりぺりぺり…

ぺりぺり…

結奈は音で目が覚める

ぺりぺり…ぺり…

市川 結奈

…え、嘘でしょ…

ベッドは壁とピッタリくっついており、その壁の向こう側から音がした

ぺりぺり…べり…

べりべりべりべりッッ!

市川 結奈

っ!!?

音は次第に大きくなった

???

ヒッ!?

とても小さな声がかすかに聞こえた気がした

………………

市川 結奈

…収まった??

市川 結奈

なんなの、あの音…

市川 結奈

市川 結奈

…まさか、壁紙とかじゃ、ない、よね…?

???

ウッ、ウッ、ウゥ…グスン

ぺり…ぺりぺり…

女性の泣く声と、またあの紙を破るような音が聞こえた

市川 結奈

…え、なに……?

ぺりぺりぺり…ぺり…

市川 結奈

嘘!?引越したのに…!

結奈は泣きそうになった

そして恐怖で震えていると、ボソボソと女性の声が小さく聞こえた

結奈は耳をすます

???

何よ…この御札……

ぺりぺり…ぺり…

ぺりぺり…ぺりぺり…

ぺり…ぺりぺり…

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