一覧ページ

冥界の守護者

第13話 - 信じさせて

222

2025年05月07日

#司類

#冬彰

#寧々えむ

#こは杏

#瑞類

あかまる🍓🐾໊

アン

あれー…？

アン

ねぇねぇ、コハネ知らない？

エム

コハネちゃん？見てないなぁ

ネネ

私も。

アン

嘘！？どこ行っちゃったんだろ…！

アキト

散歩だろ。さっき出て行くの見たぞ。

アン

えっ？！出てくって、どこに？！

アキト

さぁな。冥界のどっかじゃねぇの？

アン

もー！なんで止めないの！？

アキト

いや…散歩くらいさせてやれよ…

アン

探してくる！

トウヤ

シライシ、少しいいだろうか？

アン

えっ？！ごめん、今ちょっと忙しいんだけど…！

トウヤ

仕事のことで話があるんだ。駄目だろうか？

アン

し、仕事かぁ……

アン

うぅ…分かった。手短にお願い！

トウヤ

あぁ。実は先日の区域で＿

冥界奥の廃神殿

コハネ

……

アン

コハネ〜〜！！やっと見つけた！

コハネ

ひゃっ？！あ、アンちゃん？！

アン

こんな所で何してたの？心配したんだよ！

コハネ

えっ、えっと、散歩だよ！

アン

ｽﾝ…

アン

(…微かに、火薬の匂い？)

アン

ねぇ、コハネ。なんだか火薬の匂いしない？

コハネ

か、火薬？

コハネ

…そうかな？私には分からないな、

アン

…そっか

アン

気のせいだったみたい！コハネ、そろそろ戻ろ！

コハネ

う、うん！

訓練場

司

どわぁぁぁっ？！？！

アン

へっへーん！私の勝ち！

司

くっ、クソ……っ！！もう1回！

ネネ

ストップ。流石にそろそろ休憩でしょ。

司

オレはまだ動けるぞ！

ネネ

アンタ、ただでさえ病み上がりなんだからね？

ネネ

とにかく休んで。休まないなら休ませるよ。

司

も、問答無用というわけか…

アン

まぁ、そろそろ休憩しよっか！クサナギさんの言う通り、病み上がりだもんね。

ネネ

重症だって聞いたけど、もうそんなに動いて大丈夫なの？

司

あぁ！しっかりとルイの許可ももらってきたぞ！

司

ただ、寝ている間は剣が振れていなかったからな。早く感覚を取り戻さねば。

ネネ

気持ちは分かるけど、焦って無理しないでよね。また怪我したら元も子もないし。

司

肝に銘じよう。

アン

あーーーっ！！

司

ぬわっ？！なんだ？！

アン

剣欠けちゃってる…！！

ネネ

あぁ…

アン

最近は悪霊との戦闘も多かったもんなぁ…

司

ほ、本当だ。欠けてしまっているな。

司

どうするんだ？

アン

新しいの取りに行かなきゃ。武器庫行ってくるね。

ネネ

1人で大丈夫？私も行こうか？

アン

大丈夫！パッと行ってすぐ帰ってくるから！

アン

2人は先に鍛錬してて！

司

しかし…剣は頑丈だな。折れはしないのか。

ネネ

折れることもあるけど、丈夫な方ではあると思う。

ネネ

剣は斬るというより、叩きつけたり突き刺したりするから。頑丈な造りになってるの。

司

たしかに、刀よりも幅と厚みがあるな。

ネネ

シライシさん帰ってくるまで、手合わせでもする？

司

いいのか？！頼む！

武器庫

アン

剣、剣〜

アン

この剣お気に入りだったんだけどなぁ

アン

まぁ、流石にそろそろ替え時か。

ガタンッ

アン

！

ガキンッ！！

アン

…また会ったね、

ハルカ

久しぶり。

アン

ハルカ！

ハルカ

あれ、名前覚えてくれたんだ。嬉しいな。

アン

1度戦った相手は覚えるようにしてるの！

アン

(ハルカとは前回戦った。けど、ほぼ互角…理由は、ハルカが短剣だから、)

アン

(短剣の相手、苦手なんだよね…)

アン

(って、そんなこと言ってられないんだけど！)

ハルカ

可哀想。1人なの？

アン

別に可哀想じゃないよ。たまたま1人なだけ。

ハルカ

そうやって自分を騙すしかないんだね。

アン

…何が言いたいの？

ハルカ

可哀想。ずっと独りぼっちで、誰も信用できる人がいない。

アン

あははっ、そんなわけないじゃん！コハネも、アキトやトウヤ…みんなのこと、信用してるよ！

ハルカ

本当に？

ハルカ

本当に信用出来る？

アン

出来る。みんなが、私の事裏切るわけないもん。

ハルカ

でも、隠し事されてるよ。

アン

！

ハルカ

アンは、"みんな"に裏切られたんだもんね。

アン

(知ったような口ぶり…私の生前のことを知ってる？)

ハルカ

アンには見せてあげるね。あの人に教わった、新しい魂の使い方。

アン

！？

アン

(何？！拘束じゃない、新しい何かってこと？！)

フワ…

突然、部屋に甘いような、刺激的なような、不思議な匂いが充満した。

アン

？！

アン

(な、何この匂いっ！気持ち悪？！)

アン

(というか、多分吸っちゃダメなヤツ…！)

ハルカ

…もう1回、やり直しておいで。

司

…なぁ、シライシ遅くないか？

ネネ

うん……遅いね、

司

まさか…

コハネ

アンちゃんっ！

コハネ

あれ？！アンちゃんは？！

ネネ

シライシさんなら、武器庫に、

コハネ

！？

司

な、何かあったのか？！

コハネ

悪霊の気配が…って、

司

！！

ネネ

シノノメくんとアオヤギくんは？！

コハネ

お仕事中でいないの！

コハネ

カイトさんの所には、エムちゃんが待機してくれてる！

ネネ

エムが…ごめん、私はエムの方に行ってくる！

司

あぁ！オレは武器庫へ向かう！

コハネ

わ、私も行く！

武器庫

コハネ

アンちゃんっ！

司

シライシ！！

ハルカ

思ったより遅かったね。

司

！！？

司

お、お前は…！

ハルカ

あ、詠唱者に守られてた守護者さん。

司

！！

コハネ

あ…アンちゃんはどこ？！

ハルカ

知りたい？

ハルカ

じゃあ、入れてあげるね。

司

ぐっ、ま、眩し…

司

って……ん？

コハネ

うぅん…

司

アズサワ！大丈夫か？

コハネ

あ…う、うん！

コハネ

こ、ここは…？

司

分からん！気づいたらここにいた！

コハネ

そう…

コハネ

冥界…じゃ、無さそうだね。

司

あぁ。人間界の国、のような…

パカラッパカラッパカラッパカラッ

司

む？

コハネ

危ないっ！

司

どわっ！？

何かが物凄いスピードで目の前を過ぎった。

御者

危ないだろう！！

司

す、すみません！

どうやら目の前を過ぎったのは馬車だったようだ。

御者

王の馬車を前にして、頭を垂れないとは何事だ！！極刑だぞ！！

司

？！？！

よく見ると、周りの市民のような人達は皆、馬車に向かって頭を垂れていた。

コハネ

こ、これ…もしかしてマズイ…？

司

か、かもしれん…！

御者

者共！！この不敬者を今すぐ牢へ！！

司

何っ？！

コハネ

あ、あの！私たちは…！

何の騒ぎ？

コハネ

…えっ？

アン

この人たち、何かしたの？

司

？！

司

(し、シライシか？！いや、しかし…ん？！)

コハネ

…可愛い、

コハネ

あ、アンちゃん…可愛過ぎるよ…っ！！

司

(この状況で嘘だろ？！)

司

(いや、気持ちは分からんでもないが！肝座りすぎじゃないか？！)

御者

王女様…！！この者たちは、王女様を前にして頭を垂れない、不敬者でございます！！

アン

不敬か…

司

(お、王女…？王女様って言ったか？)

アン

念の為、所持品の確認を。見ない顔だし、密入国者の可能性がある。

御者

御意！！

御者

そこの2人！！手を上げろ！！

司

は、はい！！

御者

…武器の所持はしていないようです。

アン

そう。ありがとう。

御者

この者たちの処遇は、いかがなさいましょうか。

アン

……

アン

離してあげて。見逃してあげましょう。

御者

！？

アン

見たところ、不敬だという自覚が無かったらしい。外国から来た者だろう。

アン

だから、今回は見逃します。ただ、これからはここのルールに従うように。

コハネ

は…はい…！

アン

行きましょう。

御者

はっ！

司

あれは…

司

シライシ…だったよな？雰囲気は随分と違ったが、

コハネ

うん…絶対にアンちゃんだよ。

司

王女様とか、聞こえた気がしたんだが…

コハネ

…ここ、アンちゃんの生前の世界かも。

司

！？

コハネ

あまり詳しくは聞いてないけど…アンちゃんの生前って、王女様だったんだって。

司

な…っ、そ、そうだったのか？！

司

てっきり女騎士かと思っていたんだが…！！

コハネ

王女様だけど、戦場では自ら軍を率いて戦ってたらしいよ。

コハネ

だから、騎士っていうのも間違いじゃないみたい。

司

な、なるほど！アクティブな王女様だったんだな！

司

しかし、何故シライシの生前の世界へ来てしまったんだ？

コハネ

分からない…けど、多分悪霊のせいだよね。

司

あぁ、それはそうだろうな。

司

冥界に帰らねば…というか、シライシも連れ帰らねばならんのでは？

コハネ

う、うん。そうだね！

コハネ

けど…見たところ、アンちゃんは私たちのこと、分からないみたいだったし…

司

ふむ……

司

何とかして冥界や死神のことを説明したいが、下手したら処刑されそうだな…

コハネ

うん…

司

仕方ない。まずは冥界に帰る方法から探そう。

コハネ

そ、そうだね！

司

思えば、アズサワとはあまり話したことが無かったな。これからよろしく頼む！

コハネ

うん、こちらこそ！

司

まっっったく分からんな！！

コハネ

だね……

コハネ

そもそも、どうやってここに来たのか、ここが何処なのかも分かってないし…

司

む、無謀だったか…

スッ

突然両目を何かに遮られ、何も見えなくなった。

司

？！

ルイ

誰でしょう？

司

ルイ？！？！

ルイ

おや、即答か。

司

当たり前だろう！！というか、何故ここに？！

ルイ

シライシくんに加え、君ら2人も居なくなったからね。

ルイ

探していたら、いつの間にかここに来ていたのさ。

コハネ

じ、じゃあ、帰り方は…

ルイ

すまないが、分からないね。

司

そ、そうか……

司

だが、ルイが来てくれて心強いぞ！

ルイ

ふふ、僕も2人が無事で安心したよ。

コハネ

ルイさん、もうアンちゃんには会いましたか？

ルイ

いいや。会っては無いけど、見かけたよ。随分と気品があったね。

司

あぁ。オレたちはさっき、処刑されかけてな…見逃されたが。

ルイ

おや、それはそれは…危ない所だったね。無事で良かった。

コハネ

ここ、多分アンちゃんの生前の世界だと思うんです。

ルイ

ふむ……なるほど、

司

ルイはシライシの生前について、知ってるのか？

ルイ

あぁ。一応、僕は最年長者だからね。

国民

ｼﾞﾛｼﾞﾛ

国民

外国の人か？密入国者とか？

国民

さっきアン王女様に不敬を働いてたわよ！よく生きてられたわね…

国民

そもそも…

コハネ

流石に注目されちゃってますね…

ルイ

少し場所を変えようか。

地下水道

ルイ

まず分かってるのは、ここが恐らくシライシくんの生前の世界だと言うこと。

ルイ

たまたまカレンダーを見つけて日付を確認したんだけど、ここは1‪✕‬‪✕‬‪✕‬年のようだった。

司

1‪✕‬‪✕‬‪✕‬年ということは…850年前？！

ルイ

そう。シライシくんの命日と同じ年だ。

司

(ということは、シライシは死神になって850年になるのか…途方もないな…)

ルイ

そして日付は、シライシくんが死ぬ3日前だった。

司

！

コハネ

アンちゃんの…命日…？

コハネ

アンちゃんが…死んじゃう…？

司

…

コハネ

そんなの…見たくないよ…！！

ルイ

アズサワくん、落ち着いて。大丈夫だよ。

ルイ

ここは過去の世界ではないはず。悪霊が作り出した、架空の何かだろう。

ルイ

だからあのシライシくんは、記憶が生前に戻っているだけで、きっと死神のシライシくんだ。

ルイ

彼女を何とかして正気に戻し、冥界に帰ろう。

司

分かった！

ルイ

効率のためにも、分担しようか。僕が冥界への戻り方を探しておくから、2人はシライシくんを頼むよ。

コハネ

は、はい！分かりました！

司

むむ…シライシを正気に戻すと言ってもな…

司

どうすればいいのかサッパリだぞ。アズサワ、何か無いか？

コハネ

そうだな…私も、アンちゃんの生前のことはあまり知らないんだよね。

コハネ

「カッコ悪いから」って、教えたくないみたい。

司

ふむ…

司

(オレは生前のことを隠す気は無いが…それはきっと、オレが天国行きだからだろう。)

司

(思えば、ルイとトウヤとネネの生前の職くらいしか知らんな。)

司

(まぁ、きっとみんな、話したくない事なんだろう。)

ドタンッ

司

なんだ？！

老人

痛たたた…

司

大丈夫ですか？！

老人

あぁ…すみません。最近足腰がねぇ…

司

立てますか？

老人

えぇ、はい。大丈夫ですよ。

老人

っとっと、、

司

どこに向かう途中でしたか？良ければ背負って連れていきますよ。

老人

おや…いいんですか？すみませんねぇ…ありがとうございます。

老人

集会に向かう途中でしてね。教会までお願いできますか？

司

お安い御用です！任せて下さい！

コハネ

…ねぇ、司くん。私はアンちゃんの所に行ってみるね。

司

何っ？！危険ではないか？！

コハネ

大丈夫。本当にアンちゃんなら、きっと何とかなると思う。

司

……分かった。なら、そちらは任せるぞ。

コハネ

うん！

冥界の守護者

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

222

4件

アンちゃん生前王女様だったの？！？！トウヤくんに続き…凄すぎでしょこの後どうなるんだろう……✨ 続き待ってます！！

アンちゃんの過去！？続き楽しみにしてます！

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

冥界の守護者

第13話 - 信じさせて

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説
一覧

関連するタグ

冥界の守護者

第13話 - 信じさせて

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説一覧

関連するタグ

#司類の新着小説
一覧