気付いたら知らない所に居た(全話)

…もう少しで帰れるな

向こうでも元気にやれよ？

俺はいつでも元気だぜ？

ん(両手を広げる)

うぉ？！…ははっ、びっくりした！

…ずっと待ってるから

いつか帰って来いよ？桜良

約束したからな？

じゃぁ…もしお前が帰って来たら

(ポッケから箱を取る)

(パカッと蓋を開け)

俺と結婚してください

約束な！

ほら、左手貸せ

(指輪をはめる)

ほら！これで俺がそばにいるって分かるだろ？

あぁ！ずっと待っててやるよ！！

行ってらっしゃい！桜良！！

(今頃元気にやってるんだろうなぁ桜良)

(まぁこっちも変わらないけど)

(？ なんかカラスが来た)

なんだ？お前、迷子か？

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ！喋ったぁぁぁぁぁ！！！！

ってグリムも喋るからそんな驚くわけ無いか

なんだ？

桜良がどうした？

…は？

…嘘だよな？な？

……………………

「拝啓、エース･トラッポラ様へ
これを読んでるという事は、私が亡くなったのかな？遺言として、カラスに預けました。こんな形になってしまい、ごめんなさい。沢山迷惑掛けたよね？でも、こんな私を好きになってくれて、ありがとう。幸せでした。
本当はそっちに帰りたかった。こっちの世界に鬼が居なくなってから、そっちに帰りたかった。でも、それも叶わなくなってしまった。私が亡くなったから…本当は幽霊となって今すぐ君の目の前に現れたい。でも、私は沢山迷惑をかけた。だから天国じゃなくてきっと地獄に行くでしょう。エース、ありがとう。君を忘れた事は1度もありませんでした。君も忘れてないといいなぁ…こんな私と婚約してくれてありがとう。指輪は手紙に同封してあります。亡くなったら、埋葬されちゃって、どうせ指輪が取られちゃうんだろうなぁって思って、せっかくエースがくれた奴なんだから無くしたくなくて…自分勝手でごめんなさい。って言い訳しても良くないよね、二度と君が見れないなんて、悲しい…けれど、それ以上に辛いのは、もう二度と君の顔や、声、抱き締めてくれた温もり、笑い声、落ち着くあの音さえも聞こえなくなるなんて、あぁ神様、もう一度、エースに合わせてください。なんて言ってももう遅いんだろうなぁ…

最後まで我儘でごめんなさい。大好きでした。
エース、私の事なんて忘れて、他の人と幸せになってください。
5月3日 山本 桜良より」

……っ……さくら……

さくら……さくら……っ

っ……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！

さくらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！！！

ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！！！！！！！

(あぁ…頼む、神様……俺の彼女を返してくれ……)

(元気にやってるんだろうなぁ桜良)

はぁぁ……会いてぇなぁ……

早く帰ってきてくれねぇかなぁ……

…って急かしても、そんな早く帰ってこねぇよなぁ……

………………桜良…………

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！！！！！！！！

な、なんだ？！

痛たた……

誰だお前？！

本当に誰だよ？！

！！！！ 桜良！！！！

(抱きしめる)

寂しかった…

俺だって、ずっと会いたかった

だな！

…ヨシヨシ、大丈夫もう、ぜってぇ離さねぇから

桜良

(口にKissをし)この先もずっと着いてきてくれるよな？

いい子だ！

俺も大好きだ！！///(抱き締める)