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誰か呼んでる、、?
誰だろう…
うるさいなぁ…
誰この人
よく見れば明らかに現代の服では無い。 まるで兵隊のような服だ。
え?何ここ
そう言えば夜ご飯も食べずに日を越してしまった。
きっと現代から来たとか言っても信じて貰えないし、混乱を招くだろう。
僕は急いでポケットに手を突っ込んだが、最悪な事に空っぽだ。
確かにそうだ。 僕は制服のままコッチに来てしまった。 どうりでこの店に来るまでに視線を感じたわけだ。
部屋も服も飲食も全て賄って貰える店なんてどれだけ幸せな事か。
この時代にとっての僕はお金のかかる邪魔者でしか無いはずなのに。
(でも、何でこんなに沢山の料理を、、?)
ガチャ
(………え?)
(❝もう二度と❞?)
僕は不審に思った。流石に言い過ぎではないかと思ったけど、そういう意味では無いらしい。
シーーーーン
猫宮さんはただひたすら本を読んでいる。 ぼーっと見ていると1人と目が合った。
(みんな家族が……)
突然本を読んでいた猫宮さんが近寄ってきた。
彼らはずっと笑顔で話す中、猫宮さんは1人暗い顔をする。
シーーーーーン
猫宮さんの一言で静けさが一気に出て、全員真剣な眼差しになった。
彼らは❝ 特攻隊員 ❞である事を今はっきりと知った。
自信満々に言う彼らを見ていて心が痛くなる。
(日本は第二次世界大戦負けるのに…)
(何であんなにも笑顔なの…?)
今から死に向かうのに、笑顔の青年達を見て、僕は胸が苦しくなった。
僕は笑顔になんてなれなかった。 今から死に逝くのに何で笑顔で見送りしなければならないのだろう。
段々と意識が朦朧とし、倒れかけた僕を猫宮さんは直ぐに駆け寄って支えてくれた。
何で僕の心配なんてするんだろう。 自分の事で不安に思わないのだろうか。
賑やかだった雰囲気は消え去り、 本当に兵隊らしく動く彼ら。
その一言を聞いた後皆は笑顔で店を出て行った。
突然涙が溢れ出てきた。
どのくらい泣いただろうか。
(この歳にもなってこんなに泣くなんて恥ずかしすぎる…)
僕にはそれが出来るだろうか。 そんなにも大事な役割を。
彼ら僕の事を信用して言ってくれているようで、少し気が楽になったような気がした。