本作はフィクションです
実在の団体名や人名とは 一切関係ありません
しかし……気をつけて。
あなた
わあ、このイラストかっこいい!
あなた
これ つかっちゃお!
あなた
無断転載なんて知〜らない!
このまま人のイラストや 文章などを勝手に使うと…
最悪、本作品の 通りになります
ミケイラ
無断転載は犯罪です
知らなかった では済みません
知らなかった では済みません
ミケイラ
覚悟を決めて読んでください
法務教官
ほら、早く入りなさい!
秋彦
秋彦
マジかよ……
秋彦
本当に、こんな所で過ごすのかよ
法務教官
私語は許可していない、静かにしなさい
法務教官
今日からお前は、定められた期間、決められた仲間ともに、ここで過ごす
秋彦
はぁっ!?
法務教官
君達の身柄は私達に一任されている
法務教官
自分の過ちを反省し、これから社会で生きていくために、必要な事は私たちが教えよう
そうして去っていく法務教官に、秋彦は部屋の中でため息をついた。
ここは少年院。
罪を犯した子供達が、己の罪と向き合うために、収容される場所……
秋彦
俺、こんな所に入れられるようなこと、したっけ
秋彦
全然分からねえ
秋彦
いや、説明?自体は受けてたな
秋彦
なんだったっけ……ええと……
そもそも、秋彦は何をしたのだろうか。
時は昨年の7月に遡る。
―とある私立高校 校舎内―
秋彦
げっ……!セラーノベル、炎上してんじゃねーか!
秋彦
『無断転載が横行して、他のサイトやクリエイターに迷惑かけまくり』
秋彦
『注意しても逆ギレして、アンチ扱いするユーザーはまさに害悪キッズ、世も末』
秋彦
秋彦
ああ、無断転載ってあれだろ
秋彦
画像を勝手に使ったとかいうやつ
秋彦
そんなことで炎上したのかよ
秋彦
俺の画像も勝手に消えてるし、信じらんねえ
秋彦
インターネット上に載せたんだから、勝手に使われる覚悟くらいしとけっての……
秋彦
秋彦
あっ、このイラストいいな。ヒロインのイメージ画像として使おう
秋彦
SAMPLEって入ってるけど、まあいいだろ。絵が見れればいいんだから
秋彦
『新しい話を投稿します』、『ヒロインのイメージです』っと
秋彦
うわっ、すぐ消された!
秋彦
てか規約何条?とか書いてあっても俺、知らねーし
秋彦
誰も規約なんか、いちいち読まねーよ!
秋彦
どこに置いてあるかも分かりにくい、そんな規約なんて、そもそも見るやついるのかよ!?
秋彦
ま、でもいっか。また投稿し直せばいいんだから
秋彦
あ~あ、せっかく見つけたのに……ん?
新たな画像を見つけるため、画像収集サイト、『ピクタレスト』を見ていた秋彦。
そこで見つけたのは、同じような構図でずらりと並ぶ、見栄えのいいイラストのまとめだった。
秋彦
これって確か、アレだろ?
秋彦
イラストの生成AI
秋彦
月2000円とかで、画像生成ができる、ってヤツ
秋彦
加工したいイラストを、そのサイトに投稿するだけで良いらしいな
秋彦
それでできるんだろ?プロ顔負けの、自分だけのイラストが……
秋彦
秋彦
……そうだ、AI!
秋彦
使いたい画像をAIに学習させて、俺が使おうと思ったら、その画像が出るようにすりゃいいんだ!
秋彦
よっし、そうと決まれば……!
秋彦
無料登録して、っと
秋彦
さて、お試し版はどんな風にするか
秋彦
とりあえず、さっきのヒロインのイメージイラストにでもしよう
秋彦は、先程ダウンロードしたイラストをそのまま、画像生成AIのサイトにアップロードした。
そう、1度無断転載したイラストを、である。
秋彦
おっ!すげえ!!
秋彦
ちょっと手は歪んでるし、ダウンロード元にあった、SAMPLEっぽい字も残ってるけど……
秋彦
十分じゃん!!
秋彦
俺、天才かもしれない!!
秋彦
よし!早速生成しまくってやる!!
秋彦
秋彦
これで作った画像なら、やれ無断転載がどうとか、文句言われることもないもんな
秋彦
だってパッと見で、自分のだってわかんねえだろうし!!
秋彦
ははは……!
秋彦
俺、もしかしたら
秋彦
最強の『味方』を手に入れたかもしれねえぞ!
1人でブツブツと口を動かす秋彦を、目に見えて避ける生徒達は、この時まだ知らずにいた。
この不気味な同級生、あるいは先輩、後輩である彼が……
この学校から、消えることなど