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少女よ、勇者よ。応答願う。

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少女よ、勇者よ。応答願う。

第6話 - プロローグ⑥

105

2025年05月13日

#我流丸

#一次創作

#バトル

#百合

#SF

我流丸

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我流丸

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佐藤サナ

アカリ……！

水天アカリ

サナちゃん……！

別雷リュウト

…………

別雷リュウト

…………。

不知火レモン

ねえ。

不知火レモン

煩いから、

不知火レモン

静かにして。

水天アカリ

……あ。

佐藤サナ

ごめん、なさい。

不知火レモン

…………。

不知火レモン

別に良いわ。

不知火レモン

さ、授業が始まる。

九頭竜トウカ

おい。

九頭竜トウカ

授業始めっから静かに……

九頭竜トウカ

って静かだなー、おい。

九頭竜トウカ

らしくねー。

不知火レモン

先生、

不知火レモン

良いので早く、

不知火レモン

授業をお願いします。

九頭竜トウカ

ああ、

九頭竜トウカ

そうだな。

九頭竜トウカ

じゃあ、教科書のーー

別雷リュウト

……ちっ。

別雷リュウト

……なんだよ、アイツ。

九頭竜トウカ

ん、リュウト。

九頭竜トウカ

何か言ったか？

別雷リュウト

いや、何でもないです。

九頭竜トウカ

そうか。

九頭竜トウカ

なら良いんだが。

水天アカリ

……こらっ。

水天アカリ

リュウト君。

別雷リュウト

……だってよ、

別雷リュウト

あの言い方は無いだろ。

不知火レモン

…………

別雷リュウト

……澄ました顔しやがって。

佐藤サナ

（不知火……レモン）

佐藤サナ

（クシャリ

私は静かに、

机の中で

一枚の紙を握り締めた。

　

この学校には、

一つの決まり《ルール》がある。

十八歳の内に、

秘められた才能。

潜在能力《セクト》を覚醒させ、

神徒となれなければならない。

そして私たちは、

この世界のために、

悪魔と闘う事になる。

だが、誰も知らないのだ。

もし、セクトが目覚めなければ、

その人間が、

どうなってしまうのかーー。

彼女、不知火レモンは、

今年で十九になる。

当然、卒業できていないのだから、

未だ覚醒は果たせていない。

私たちは、誰も。

彼女をよく知らない。

それは、今日の朝の事だった。

佐藤サナ

……はあ。

佐藤サナ

遅刻セーフ！

佐藤サナ

なんとか間に合ったぁ。

佐藤サナ

あー、

佐藤サナ

今日も私が一番最後かな。

佐藤サナ

うん、

佐藤サナ

当然だけどそうだよね。

佐藤サナ

ん。

佐藤サナ

あれ、

佐藤サナ

不知火さんの靴がまだ無い。

不知火レモン

佐藤サナ。

佐藤サナ

お、おはよう……。

佐藤サナ

どうしたの、

佐藤サナ

今日、珍しい……ですね。

佐藤サナ

こんな時間に……。

不知火レモン

いや、

不知火レモン

ここに着いたのは、

不知火レモン

もっとずっと前。

不知火レモン

あなたを……

不知火レモン

待っていたのよ。

佐藤サナ

……はい。

不知火レモン

渡したいものがあるの。

不知火レモン

これを、あなたに。

不知火レモン

いい？

不知火レモン

絶対に一人で見る事。

不知火レモン

それに、

不知火レモン

口外も勿論ダメ。

不知火レモン

じゃあ、

不知火レモン

また放課後に。

佐藤サナ

…………

佐藤サナ

……誰も、

佐藤サナ

いない……よね？

佐藤サナ

（チラッ

佐藤サナ

……え。

佐藤サナ

…………

九頭竜トウカ

おい佐藤！

九頭竜トウカ

もう教室行け！

九頭竜トウカ

あと一分で遅刻扱いな！

佐藤サナ

あ、あ。はい！

佐藤サナ

（どうしよう）

　

佐藤サナさんへ。

伝えたい事があります。

今日の放課後、校舎裏。

大木の下に来てください。

ーー不知火レモン