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第5話 〚真実を打ち明ける勇気〛
その日の夜。
澪は、実家のリビングで 家族と夕食を囲んでいた。
テレビの音。
湯気の立つ料理。
いつもと変わらない光景。
……なのに。
澪の母親
母の声に、澪は箸を止めた。
少し迷ってから、 意を決して口を開く。
白雪 澪
白雪 澪
空気が、止まった。
父が、静かに言う。
澪の父親
白雪 澪
澪は、図書室のこと、
下校中の視線、
胸騒ぎのことを、
一つずつ話した。
家族の表情が、真剣になる。
澪の父親
澪の父親
その言葉に、
澪は小さく頷いた。
夕食を終え、
風呂に入り、
自分の部屋に戻る。
布団に入り、
仰向けに寝転がる。
白雪 澪
――ずきん。
目を閉じた、その瞬間。
頭に、激しい痛みが走った。
白雪 澪
息が、詰まる。
視界が、暗転し―― 妄想が、洪水のように流れ込む。
中二の運動会。
校庭の端。
こちらを見つめる視線。
登校する澪の後ろ姿。
曲がり角。
図書室の棚の影。
――同じ、男。
名前が、はっきりと浮かぶ。
西園寺恒一。
澪の鼓動が、早くなる。
白雪 澪
恒一の視線。
歪んだ笑み。
「澪は俺のものだ」という声。
そして――
暗い廊下。
倒れる海翔。
血。
澪は、はっと目を開けた。
白雪 澪
額に、冷たい汗。
白雪 澪
白雪 澪
恐怖と同時に、 確信が胸に落ちる。
――これは、妄想じゃない。
――予知だ。
澪は、布団の中で、 スマホを強く握った。
白雪 澪
えま。
しおり。
みさと。
そして――海翔。
助けを求める決意が、 静かに、固まっていく。
静かに、固夜の静けさの中で、
澪は初めて、 「敵」の正体を知った。
翌朝。
澪は、ほとんど眠れないまま学校へ 向かった。
予知で見た名前と視線が、
頭から離れない。
白雪 澪
教室に入ると、
えま・しおり・みさとが すぐに気づいた。
村上 えま
石田 しおり
澪は、少しだけ 迷ってから頷いた。
白雪 澪
三人は何も聞かず、
静かに「うん」と答えた。
放課後。
人の少ない場所を選び、
四人は集まった。
澪は、深く息を吸う。
白雪 澪
白雪 澪
三人の表情が、引き締まる。
白雪 澪
白雪 澪
澪は、震える声で、
中二の頃からの視線、
予知で見た光景、
恒一という存在を、全て話した。
しおりは、黙って聞きながら、
最後に静かに言った。
石田 しおり
みさとの冗談は、 今日は出なかった。
えまは、拳を握りしめる。
村上 えま
村上 えま
白雪 澪
その言葉に、 えまは一歩前に出た。
村上 えま
村上 えま
その瞬間、
澪の目に涙が浮かぶ。
白雪 澪
橘 海翔
海翔の声がした。
振り向くと、
彼は少しだけ離れた場所に 立っていた。
橘 海翔
澪の胸が、きゅっと縮む。
白雪 澪
白雪 澪
海翔の表情が、怒りよりも
強い決意を帯びていた。
橘 海翔
橘 海翔
えまが、短く頷く。
村上 えま
村上 えま
村上 えま
放課後の空気の中で、
小さな同盟が結ばれた。
一方――
校舎の外。
物陰から、
その様子を見ている影があった。
西園寺 恒一
恒一は、静かに笑った。
西園寺 恒一
西園寺 恒一
澪の知らないところで、
次の一手が、 ゆっくりと準備されていた。
それは、
ほんの小さな異変から 始まった。
澪の下駄箱に入っていた、
誰も書いていないメモ。
クラスで囁かれる、
「白雪の周り、最近変じゃない?」 という声。
そして、
放送室の前に落ちていた、
澪しか知らないはずの栞。
澪は、はっきりと分かった。
白雪 澪
海翔とえまたちは、 すぐに動いた。
担任に相談し、
学校側も事態を重く見始める。
下校指導の強化。
先生の巡回。
保護者への連絡。
校内は、静かにざわついた。
けれど――
誰も、恒一に辿り着けなかった。
西園寺恒一は、
成績優秀。
生活態度も良好。
教師からの信頼も厚い。
その一言で、 疑いはすぐに消えていく。
恒一は、何も残さない。
指紋も、証拠も、痕跡も。
防犯カメラの死角。
人の流れに紛れる時間帯。
偶然を装った位置取り。
――全部、計算されていた。
西園寺 恒一
廊下の端で、
恒一は静かに状況を見ていた。
西園寺 恒一
西園寺 恒一
一方、澪は。
強くなろうとしていた。
えま・しおり・みさと と一緒に帰り、
海翔が必ず視界に 入る場所にいる。
それでも、
背中に走る寒気は、消えない。
その夜。
澪の予知が、また走った。
――校門の外。
――誰もいない帰り道。
――伸びる影。
澪は、息を詰めた。
白雪 澪
学校が動いても、 恒一は、止まらない。
そして澪は、悟る。
これはもう、
「静かに見守る」段階ではない。
決定的な一線が、
すぐそこまで迫っていることを。