優香里
優香里
病室に響く母の声に
親戚達の顔は青ざめていた
郁美
拓郎
優香里の伯父
拓郎
たっくんは祖父母から母のこと聞いて
もしものためにと鞄の中に入れていた
拓郎
優香里の伯父
拓郎
拓郎
たっくんの気迫に
母の伯父は抱き抱えていた私をベッドに下ろし
私は直ぐにたっくんにしがみついた
優香里の叔母
優香里の伯父
優香里の叔母
優香里の叔母
そうこうしているうちに
騒ぎを聞き付けた医師や看護師が駆けつけ
親戚達はそのまま強制退出させられることになり
母の叔母が最後まで抵抗し
優香里の叔母
優香里の叔母
と、担当医に懇願したが
若松医師は呆れた表情で
若松(担当医)
そう言って、二人を病室の外に追い出してくれた
更に別の医師や看護師も加わり
四人がかりで伯父と叔母を諭し
二人はそのまま帰っていった
私は全身の震えが止まらず
しがみついたまま動けずにいたが
拓郎
たっくんの言葉に安堵して
やっと体の力が抜けた
頬を伝う大粒の涙を
いっちゃんがタオルで拭ってくれた
大好きだったはずの母が
私の中で鬼のように姿を変え
優香里
あの言葉と重なって
恐怖の塊のような存在に感じた
親戚達を追い返してくれた医師達が戻ってきて
きちんと相談した上で
今後はいっちゃんとたっくん以外の面会を禁止し
他の人が来ても
病院のスタッフが追い返してくれることになった
今の私にとって
信頼できる肉親はもう
父の兄であるたっくんと
お嫁さんのいっちゃんだけ
例え本当の両親じゃなくても
遠いのにほぼ毎日お見舞いに来てくれて
食べたお粥を戻してしまっても
優しく抱き締めて頭を撫でてくれたいっちゃんと
仕事もある中で一生懸命時間を作って
わずかな時間でも会いに来てくれるたっくんのことがの
心の底から大好きになっていた
数日後
拓郎
郁美
拓郎
拓郎
郁美
拓郎
郁美
拓郎
拓郎
郁美
拓郎
郁美
拓郎