史記
星、綺麗だね。
愁斗
うん。すっごく綺麗。
愁斗
ふみ君は星に詳しいの?
史記
ううん。全く。
愁斗
俺も分かんない。
史記
だと思った。
愁斗
ふんっ。どーせ俺は馬鹿ですよーだ!
史記
いや、そういうつもりで言ったわけじゃ.....。
愁斗
フフッ、分かってるよ。
史記
愁斗は、何座なの?
愁斗
おとめ座だよ。
史記
って事は誕生日は9月とか?
愁斗
すごい!正解!
星座聞いて何月か分かるのすごいね!
史記
いや、そんな事ないよ。
朝の番組で占いとか見た時にさ、何月の人が運気いいのか気にって、その時覚えた。
愁斗
ふみ君、占い信じる人なんだ!意外!
史記
意外かな?
何かに頼りたくなる時ってあるじゃん?
愁斗
まぁ、確かに。
でも、俺は占いに左右されたくないからいい事だけ信じるというか、参考にさせてもらう感じかなー。
史記
なるほどね。
すごくいいと思う、その考え。
愁斗
ありがとう。
何でもない会話だけど、俺にとってはとても大切な時間だ。
愁斗の事がもっと知りたい。
もっと、もっと、もっと...。
愁斗
ふみ君は何座なの?
史記
さそり座。
愁斗
え、って事は今月じゃん!
史記
さそり座が11月ってのは知ってるんだ。
愁斗
.....うん。
さそり座はね。
愁斗
11月何日?
史記
21。
愁斗
えっ.........。
史記
どうかした?
愁斗
あ、ううん。
お兄ちゃんと...一日違いだったから。
すごいね。
運命感じる。
史記
.....そうなんだ。
運命、だね。
俺たちは、仲良くなるべくしてなったのかなと嬉しく思った。
愁斗
だから、ふみ君と居ると落ち着くのかな?
すごく安心できるんだよね。
愁斗
お兄ちゃんといる時と同じ様な安心感があるの。
お兄ちゃん...か。
この前はお父さんだったし、今回はお兄ちゃん。
少し複雑な気持ちになった。
でも、それ以上に、また悲しそうな表情をする愁斗が気になった。
史記
ねぇ.....お兄さんの事、聞いてもいい?
愁斗
.....なんで?
史記
愁斗、お兄さんの話になると悲しい顔してる。
史記
今までは聞けなかったけど、愁斗の事は何でも知りたいんだ。
愁斗
ふみ君、ブランコ、乗ろ?
愁斗がブランコへ誘う時は、決まって涙を隠しながら言う。