バウギア
槍とはなかなか戦闘しにくい相手だなぁ!?
ドーリ
くっ!
ドーリ
んな事言って余裕そうなの腹立つんすけど、ね!
バウギア
良い刺突じゃねぇか
バウギア
だが、それじゃあ俺の『剛衝打』を破るのは厳しいなぁ!
ドーリ
おわぁぁ!?
ヤ・リー
(あんなでけぇ棍棒を片手でぶん回すあいつの筋力)
ヤ・リー
(とんだ化け物はどっちなもんかな…)
プルクラ
一人だからといって油断はしないでください!
プルクラ
恐らく彼の持つマジックウェポンはまだ本領発揮してないでしょう!
バウギア
おっ、よく分かってるな
バウギア
確かに俺はこの剛衝打の力を全く解放してない
バウギア
今アンタらとやり合ってるのは単純な俺の筋力
バウギア
そして、『棍棒』としての剛衝打のみだ
バウギア
マジックウェポンとしてはまだ何もしてない
スカウト
……これは困りましたね
スカウト
その言い方ではまるで私達はその力を使うまでもない相手と聞こえますよ
バウギア
まぁ、そう言ってるつもりだからな
スカウト
……ふん
ヤ・リー
(事実アイツは攻める気配はなくこちらの攻撃をいなすだけ)
ヤ・リー
(攻められていないだけマシと思わないとやってられねぇ…)
ヴェロス
ヴェロス
お姉ちゃん私も前線に出る!
ヴェロス
ここからじゃあ援護も難しいよ!
ボゥ
行ったところで何も出来ないだろうよ
ヴェロス
でも!
ボゥ
気持ちはわかるよ
ボゥ
あたしもあの一撃以来攻撃させて貰えてないからね
ボゥ
確実に警戒してる
ボゥ
そんな相手に矢を射る意味が無い
ボゥ
まぁ、せいぜい瞬間ではあるが意識を向けるくらいだろうね
ヴェロス
そんな…
ボゥ
ボゥ
……そうだねぇ
ボゥ
ヴェロスアンタに質問だ
ヴェロス
え?
ボゥ
何故矢を警戒してると思う?
ヴェロス
そ、それは奇襲されるのが嫌だからじゃ?
ボゥ
ま、それもある
ボゥ
そして、それ以外にも可能性はある
ヴェロス
それは?
ボゥ
人数だよ
ボゥ
彼は私達の人数を確実には把握出来ていないはず
ボゥ
前衛にいる三人と後衛の誰か
ボゥ
そんな状態かな
ヴェロス
なんで、二人ってバレてないの?
ボゥ
初発はヴェロスの足を狙った攻撃
ボゥ
続く二発目はあたしの頭を狙った一撃
ボゥ
正確さを見るとあたしの方が大きく
ボゥ
それを踏まえて初撃を思い出すと二人だと思う
ボゥ
が、前衛が破格の働きをしたおかげにより
ボゥ
初撃はブラフで人数を誤魔化すためではと思考する
ヴェロス
私が隙ができてた脚を狙ったことと前衛の人の働きの二つ
ヴェロス
これが良い方向に作用して人数が不明ってこと?
ボゥ
そういうこと
ボゥ
ま、あくまで可能性の話
ボゥ
でももし、そういう風に勘違いしてるなら
ボゥ
二人で同時攻撃はダメ
ボゥ
間隔をあけてそのうえで仕留めに行く
ボゥ
今のあなたに出来る?
ヴェロス
……やる!
ヴェロス
私も強くなったの見せるんだから!
ボゥ
いいぞ我が妹よ!
ボゥ
そう来なくてはな!
バウギア
バウギア
ふん!
スカウト
…っと
スカウト
なんとも戦いにくい相手です
バウギア
珍しい武器を使うな?
スカウト
私は戦闘員ではなく裏方の人間です
スカウト
剣や槍よりも場所をとらずに取り回しがよく
スカウト
アサシンがしやすい短剣がメインウェポンです
スカウト
本来は表舞台にあまり顔は出したくないんですよ
バウギア
その割に身のこなしは場慣れしてるな?
スカウト
戦闘そのものに慣れてると言うよりはこの森だからですね
スカウト
散々ここを走ったり木々の合間を飛んだり
スカウト
そんな事してたんで地の利を活かしてるに過ぎないです
バウギア
そんなポンポンと情報を話すのはどうかな?
スカウト
別にいいんですって
スカウト
私はあくまで偵察員
スカウト
今後はこんな危ない戦闘に顔を出さないんで
バウギア
磨けばいい戦士になると思うがな!
スカウト
(片手による横振り!)
スカウト
(これは、後ろに下がれば避けれる)
スカウト
(だけど、狙いは多分その先!)
バウギア
…分かっててなお避けるとはなぁ!?
ドーリ
リー先輩!
ヤ・リー
お前に言われなくても理解してる!
バウギア
なっ!
バウギア
(出の早い刺突を繰り出したというのに)
バウギア
(俺とアイツの間に割って入るだと!?)
バウギア
(しかも、二人で槍をクロスさせ起動もずらしやがった!)
スカウト
助かりました
ドーリ
スカウトさんは再度木々に隠れてもいいっすよ?
スカウト
うーん…
スカウト
ちょっと難しいですね
ヤ・リー
コイツの話は聞かなくてもいいぞ
ドーリ
えぇ!?
ドーリ
俺の扱い雑っすね!?
ヤ・リー
陣形は変わらず俺とドーリで前を張る
ヤ・リー
スカウトは隙をみてちょっかい出してやれ
ヤ・リー
んで、そのうち後ろの奴が矢を射るだろうな
バウギア
連携が優れている…
バウギア
なるほど、『現代のカミツル族』はそういうタイプなのか
バウギア
コイツは厄介だ
バウギア
一人一人の『我』が強い訳ではなく
バウギア
『繋がり』を大切にするタイプは崩しにくい
バウギア
一本の木の矢でも三本にすれば折れにくい
バウギア
そんな結束力が生まれてるってなると厄介極まりない
バウギア
どう攻略するか…
ヤ・リー
なら、その棍棒の『効果』を使えば?
ヤ・リー
マジックウェポン使って見せてろよ
バウギア
確かにそうだなぁ…
バウギア
攻めあぐねてるこの状況
バウギア
打破するにはそれくらいか
バウギア
(が、それをすると大きな隙が生じてしまう)
バウギア
(そこをスカウトにやられるか、はたまた拠点から射抜かれるか)
バウギア
(二名だとは思うが、どちらも正直精度は高い)
バウギア
(一人であのレベルを連発するとなると化け物だが)
バウギア
(有り得なくは無いと思わせるのがコイツらだ)
バウギア
(一撃目はブラフで二撃目の布石にした)
バウギア
(だが、こうして思考しても防戦一方なのは確実)
バウギア
(出し惜しみはせずここは効果を使うか)
バウギア
いいだろう
バウギア
その安い挑発に乗せられて使ってやろう!
バウギア
マジックウェポン剛衝打
バウギア
『地を揺るがす者』
なにか叫んだかと思えば棍棒を地面に突き刺す。瞬間地面が大きく揺れ立っていられない程のものに変わる
ドーリ
うぁぁぁ!?
スカウト
地震を意図的に起こせるのか!
ヤ・リー
立てなくても構わん
ヤ・リー
あの棍棒で殴られるのだけは回避しな!
プルクラ
(あれが彼のマジックウェポンの性能…)
プルクラ
(フォスの持つ炎の弓や水の剣のように)
プルクラ
(属性付与に限らず、単純な火力を上げたり)
プルクラ
(今のような地震を起こしたりが出来るのね)
プルクラ
(技術力ではやはり相手が上…)
プルクラ
(ならこちらは策を講じる必要がある、か)
バウギア
まずは、前衛を崩す!
バウギア
どぉぉぉりゃぁぁぁ!!
ドーリ
ちょちょ!?
ドーリ
最初のターゲットは俺っすか!?
スカウト
(間に入れるか怪しい…)
スカウト
(しかも入ったとて受けれる保証は…)
ヴェロス
ヴェロス
ここ!
拠点から空を切る一本の矢がバウギアの左腕に突き刺さる
バウギア
うぐぅ!?
ボゥ
風で少しズレたかな?
ヴェロス
うぅ…
ヴェロス
まだ上手くいかないか……
ボゥ
いきなり上手くいったらあたしの面目丸つぶれ、てね
バウギア
(今の狙いは恐らく俺の頭か…)
バウギア
(風に煽られ少し起動がズレて腕に当たったが)
バウギア
(やはり、腕の良い弓兵が存在するようだ)
バウギア
(一人…とは限らないがこのレベルのやつが複数いる訳が無い…)
バウギア
(いや、確証してはいけない。確証してしまった時点で思考がそれで固まる)
バウギア
(やはり敵は複数いると仮定していた方が幾分かマシ!)
そう思考しながら攻撃を中断し距離をとる。そして、左腕に刺さる矢を引き抜きへし折り三人を睨む
ヤ・リー
…殺意に目覚めたか?
バウギア
闘志が湧いたと言って欲しいものだ
バウギア
やはりカミツル族
バウギア
本来の力を呪いによって制限受けてもなおこのレベルとは
バウギア
ハンスヴルスト様の言う通り根絶やしにするのは仕方ねぇか
ドーリ
…くるっすか!?
スカウト
構えましょう!
ヤ・リー
ちっ…
ヤ・リー
(さすがにもう耐えられねぇぞ…)
ハンスヴルスト
ハンスヴルスト
『バウギアそこまでだ!』
バウギア
!
バウギア
ハンスヴルスト様!?
ハンスヴルスト
『フェアラがやられた』
バウギア
まだ洗脳が甘かったですか…
ハンスヴルスト
『それもあるが奴らに新たな力が開花した』
ハンスヴルスト
『これ以上戦闘を続ければこちらが不利になる』
ハンスヴルスト
『ここは一度撤退しフェアラの傷を癒した後また仕掛けに行く』
バウギア
分かりました…
ハンスヴルスト
『今は誰か一人でもかけるのはキツイですから』
バウギア
……てなわけで今回は俺の負けで引く
バウギア
次はお前ら三人ぶっ潰す
ドーリ
た、助かったァ……
スカウト
一時的に、ですがね
ヤ・リー
カナリナ族も化け物がいんじゃねぇか
プルクラ
…お疲れ様です皆さん
プルクラ
拠点防衛助かりました
ヤ・リー
あっちの方も何とかってことだよな
プルクラ
先程の話しぶりからして恐らく…
スカウト
一度連絡をとってみては?
プルクラ
そうですね
プルクラ
プルクラ
え!?
プルクラ
ミツルギさんが重体!?
ヤ・リー
なに?
プルクラ
…分かりました
プルクラ
直ぐに戻ってきてください
プルクラ
戻り次第治療始めますから
ドーリ
一体何が…
プルクラ
ミツルギさんが戻り次第状況をお伝えします