陽菜
陽菜
仁
陽菜
陽菜
陽菜
仁
仁
仁
陽菜
仁
仁
仁
陽菜
陽菜
陽菜
仁
仁
陽菜
陽菜
それは昭和初期の頃
犯罪者の顔を何枚も重ねることで、一般的な犯罪者顔を作り
「犯罪を起こす傾向のある顔つきの者の写真」として世間に出回っていた
あるところに裕福な家の娘と
娘の家や田畑を我が物にと画策している男がいた
娘は自分の容姿に自信が無く
とても気弱な性格だった
2人は結婚し夫婦となったが
男はすぐに不倫し、不倫相手の所から帰らなくなった
お累
お累
不倫相手
不倫相手
不倫相手
お累
お累
お累
不倫相手
不倫相手
段々と口論になり
掴み掴まれの押し問答となる
お累は掴まれた腕を振り払うと
不倫相手は藁山へと倒れ込んだ
不運にもそこには藁を切る刃物があり、、、
不倫相手
不倫相手は命を落としてしまった
お累
やがて警察の取調べが始まります
警察
お累
お累
警察
警察
警察はお累の顔がかさね写真の顔そっくりだと気付きました
警察
それから取調べは更に酷くなり
疲れ果てたお累は偽りの自白をしてしまいました
お累
この事は大々的に広められ
かさね写真の顔似の女が夫の不倫相手を殺害したと世間に広まりました
お累は殺人者と仕立てあげられ
獄中で精神を病み自殺してしまいました
その頃新五郎は
再婚し幸せに暮らしていた、、、
訳ではなく
再婚した相手が尽く亡くなってしまいます
それでもと7人目の嫁との間に娘を授かりました
新五郎
新五郎
新五郎
そうして新五郎はお菊をたいそう可愛がり
大切に育てていきました
その日を迎えるまでは、、、
あれから十数年経ち
お菊は15歳になった
しかし15歳の誕生日に
父から貰った鏡台に映る顔を見た時から
お菊はどんどん変わっていった、、、
言葉遣いや
父や母に対する態度
そして顔までもが
元の顔からかけ離れていった、、、
ある日の夜
明かりも付けずに部屋にこもるお菊の部屋へ
新五郎は訪ねて行った
新五郎
新五郎
お菊
お菊
新五郎
新五郎
お菊
お菊
お菊
新五郎
お菊
お菊
新五郎
新五郎
その時
暗い部屋で俯いていたお菊が顔を上げた瞬間
ぼっ!
部屋のロウソクが勝手に灯った
新五郎
そこにはお菊の顔は欠片も無く
疲れ果て憔悴した女の顔があった
お菊
お菊
お菊
新五郎
お菊
お菊
お菊
お菊
お菊
新五郎
新五郎
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
ハァハァと肩で息をしながら
薄ぼんやりした顔をスゥっと持ち上げると
お菊(お累)
お菊(お累)
そう言うとお菊の体は近くにあった鎌を掴み
新五郎に向けて振り上げた、、、!
新五郎
慌てた新五郎はギュッと目を瞑り
直ぐに来るであろう痛みに体を強ばらせた
新五郎
新五郎
しかしいつまで経っても痛みや衝撃は襲ってこなかった
新五郎が恐る恐る目を開くと
目の前には鎌が腹へ深々と突き刺さっているお菊の姿だった
新五郎
新五郎
新五郎
慌ててお菊の側へ寄る新五郎
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
お菊(お累)
そう言うと
お菊は息絶えてしまいました、、、
新五郎
新五郎
新五郎はお菊の体を抱きしめ
一晩中泣き続けました、、、
新五郎
新五郎
その日から
毎夜のようにお累の声が響いてきました
お累
お累
お累
お累
新五郎
新五郎
新五郎
新五郎
段々と新五郎も壊れ始め
ある日包丁を振り回し始めました
そして、、、
再婚相手
再婚相手
再婚相手
再婚相手
再婚相手
新五郎
新五郎
新五郎
新五郎
新五郎
錯乱した新五郎は
再婚相手をお累だと思い込み
遂に殺してしまったのです
新五郎
新五郎
お累
お累
新五郎
新五郎
新五郎
お累
お累
お累
お累
お累
新五郎
新五郎
新五郎
新五郎の目に映ったのは
ニタニタと笑うお累の顔と
血を流し息絶えた妻の姿だった
新五郎
ガクガクと震える体
持っていた包丁を落とすと
新五郎は布団の中へと飛び込んだ
新五郎
新五郎
頭から布団をかぶり
ガクガクと震える耳元に
楽しそうな声が囁く
お累
お累
お累
お累
お累
お累
新五郎
新五郎
新五郎
ガクガクと震える手で枕元にあった紙と筆を取り
「お累は無実である」
と、書き綴った
しかし全ての緊張の糸が切れてしまったのか
新五郎はそのまま絶命してしまいました
お累の望みは
自分が無実であることを世間に公表すること
しかし家の者が全て息絶えた今
新五郎の手紙を取りに行く誰かが必要である、、、
陽菜
陽菜
仁
仁
陽菜
仁
仁
陽菜
仁
仁
陽菜
陽菜
陽菜
仁
劇ではアレンジを加え
街の人が屋敷へと入り
新五郎の書き置きを持って帰り
お累の為の祠を作り
そこに手紙を置き供養した
という話になった
そして劇は無事大成功に終わったが
後から
出演者が多かった
変な音が聞こえていた
劇場内が物凄く寒かった
死臭のようなものがずっと漂っていたなど
様々な声が寄せられたのだった
仁
仁
帰り支度をし下駄箱を見ると
仁
全員の靴の上に
見知らぬ古ぼけた紙があった
仁
陽菜
陽菜
仁
仁
陽菜
陽菜
仁
周りの仲間に聞いても誰も心当たりはなく
中身を確認すると全員の血の気が引いた
陽菜
仁
陽菜
それは、、、
これを読んだあなたの元にも
今夜お礼に参ります