エドワード
今でも迷ってることがある。
エドワード
それは俺っちが、人間として生きるか、悪魔として生きるか。
エドワード
俺っちの好みを否定するクソ親父が言ってたんだ。
エドワード
人間として生きれば、社会的な意味で明るい道を歩みやすくなる代わりに悪魔としての力を失う。
エドワード
逆に悪魔として生きれば、社会的な意味で暗い道を歩むしかなくなる代わりに、悪魔としての力をそのまま持てる。
エドワード
俺っちがチップくらいだったら、悪魔を選んでたかもしれない。
エドワード
でも、学校入ってからその考えはもう変わってる。
エドワード
だってアリスがいるだろ。
エドワード
あんなのと一緒にされる立場になると考えると自分のこれからがクソ怖い。
ジップ
で、こっからどうする?
エドワード
まー、夜とか結構ヤバイしどっかいいとこ探して寝る?
ジップ
オリバーはどうすんだよ。
エドワード
アイツは……大丈夫じゃねえか?アリスんとこ行ってやり過ごしてんだろ。
ジップ
……ずっと思ったけどアンタいつからそんな薄情になったの。
エドワード
え?元からこういうつもりだけど?
チップ
はくじょーしろー!
ジップ
いやそっちのはくじょうじゃねえし、まあどうなのか答えてほしいのは事実だけどさ?
エドワード
いや……
ジップ
それにさっきチップに死体のこと豚とか魚なんて言ったじゃん、何で?
エドワード
ああでもしないとトラウマなるだろ……
ジップ
確かにアタシだったらあれはなる。でもそんなアホみたいな嘘つくとかなんか隠してんでしょ?
エドワード
…………………………。
チップ
ねっね?
チップが不安そうに話しかける。
ジップ
…………………………ああごめんね大丈夫。
ジップ
……とにかくエディ。
ジップ
今この学校が血の海になって化け物が徘徊してようが死ぬような真似だけは絶対しないで。アタシだって嘘の1つ2つくらいあるし、お互い様じゃん。
エドワード
…………!
エドワード
………………うん。
これは、2人の高校生の友情の確かめ合いに過ぎない。
これから、エドワードにとって地獄が待ってると知らずに……