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桃 side

ラン

〜♪〜♫

子守唄、になるといいななんて願いつつ

眠りについたいるまを横目に、歌を歌う

イルマ

……

きっと、普段から私につきっきりだから疲れも溜まっているのだろう

今はゆっくり眠ってほしい

ラン

ふふっ……

ラン

(顔はちょっと怖いのに…寝顔は子供みたい)

ラン

(いつもこうだったら可愛いのにねー?いるまさん)

いつものいるまからは想像もつかないほど柔らかい表情に思わず笑みが浮かぶ

ラン

(すち以外について来てもらうの、子供のとき以来かも)

昔はお母様やお父様とも一緒に街に来たりしたけど、今は位的に会う回数も少ないし

ラン

……

遠くに見える奏桜を眺めると、あと街に何回来られるかもわからないし

ラン

(寿命、意外と早いのかもね…)

数十分後

数ヶ月ぶりに来る目的地へと辿り着いた

ラン

いるま

イルマ

ん……起きる

起こそうと思って体を揺さぶると、いるまはすぐに起き上がった

イルマ

おはよ、

ラン

おはよう

ラン

よく寝てたね、お疲れだった?

イルマ

……

そう言うと眉間に皺を寄せ、少し不服そうな顔をする

ラン

(え…さっきまで可愛かったのに)

寝起きの悪い子供みたいだなーなんて思いながら首を傾げれば

ラン

は!?ね、いるま!

イルマ

昨日寝れなかったの誰のせいだと思ってんのボソッ

ラン

え、なに?

イルマ

何でもねぇ

髪をわしゃわしゃと掻き乱される

ツインテールした髪を指で解かされるのは、少しだけくすぐったい

ラン

これからお店入るんだけど?

ラン

なのに髪ぐしゃぐしゃになるんだけど?

イルマ

知ってる

ラン

いるま寝ぼけてるでしょ!?

イルマ

んぁ?寝ぼけてないって

ラン

寝ぼけてるって認めなさい!

そう言うのに、髪を乱す手は止まらない

ラン

認めろー!!

カランコロン

ドアを開けると耳心地の良いベルの音が鳴った

ラン

ふぅ…

イルマ

悪かったって

ラン

ジトッ

イルマ

らん、睨むな

ラン

外だから桜花妃!あと敬語

イルマ

……桜花妃様

とりあえずこの寝起きが悪い奴は良しとして

ラン

店主の方に声かけてくるから、そこで待ってて

イルマ

…わかりました

辺りを見渡すと、広がるのはキラキラと光る宝石をあしらった装飾品たち

私が普段使っているものも、このお店のものが多い

ラン

あ、奥様

店主(女性)

! 桜花妃様

店主(女性)

これはこれは…遠い所からのご来店ありがとうございます

ラン

いいえ、いつも助かっていますから

ラン

こうしてお礼を言いたいな…と

店主(女性)

そんな…恐れ入ります

店主(女性)

ご丁寧にありがとうございます

ドレスの裾を掴んで、慣れた動作で一礼する

店主(女性)

桜花妃様はいつも本当に美しい所作をなさる…

ラン

本当ですか?

店主(女性)

えぇ、見惚れてしまうほどです

ラン

ふふっ…とても光栄です

ラン

今日も見させていただきますね

店主(女性)

新しい品が沢山あるので

店主(女性)

ぜひごゆっくり

挨拶を終えて装飾品が沢山置かれている場所に戻ると、いるまは何かをじっと見つめていた

ラン

ごめん、お待たせ

ラン

気になるものでもあった?

イルマ

あぁ

そこにあるのは、シルバーのシンプルなリング

小さな紫色の宝石が埋め込まれているのも特徴的だった

ラン

へー、いるまってこういうの好きなんだね

イルマ

趣味みたいなものです

意外かも、と少しだけ思ったけど

そういえばいつも指にリングをはめているもんね

イルマ

すみません

イルマ

これ、1つお願いします

ラン

買うの?お金出そうか?

イルマ

いいえ、大丈夫です

イルマ

自分よりも位の高い姫様に使わせるわけはいきませんから

普段から頑張ってくれてるし…こういうときは大丈夫なんだけどな

そう言う前にいるまは自分のお財布からお金を取り出す

店主がリングを包んでいる間

イルマ

桜花妃様は?

ラン

私はお店で作って貰ったものがあるからいいよ

イルマ

…これとか、似合うと思いますけど

ラン

え…

そう言っているまが一つの装飾品を指した

桜の形をシルバーで縁取られた、優しい色のネックレス

思わず手に取って見てみる

ラン

綺麗…

桜の部分は光に当たると鮮やかな桃色に輝いた

心から惹かれるような、とても美しいものだった

桜の花嫁を、君ニ捧グ。

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