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禪院 真希
真希の目には涙ぐんでいた
泣いてもいいんだよ
弱さを見せて
大丈夫だから
零
弱さを簡単に見せられない真希ちゃまにはこうするしかない
私は両手を広げ
禪院 真希
零
おいでっのポーズをした
来てくれるか分からないけど
来てくれると嬉しい
禪院 真希
真希は私を抱き締めてくれた
暖かい
人間の温かみ
暴言は吐く真希だけど
根は優しい女の子
努力家な女の子
良い子なの
零
そして
零
強く
強く
強く
抱き締めた
もう離れない
この子を残して死なない
私には
守るものが沢山あるから
守りたいから
守らせて欲しいから
死ねないの
有り難う
みんな
愛してくれて
みんなが愛してくれるから
私もみんなを愛したくなる
だから守りたいの
みんなの笑顔を
みんなの幸せを
みんなの平和を
だから笑って
泣いて
怒って
楽しんで
喜んで
そんな普通の日常を送って欲しい
そんな幸せな日常を守るために強くなる
だから沢山の術式がある
私の術式は…
私が最強で
みんなを守るためにある
一度死ぬとそういうことがよく分かる
今まで普通だと思っていたことがより幸せに感じる
なんだろうね
一般人からしたら馬鹿馬鹿しいかもしれないけど
一度死を感じるとそういう考えにも言っちゃうんだ
幸せが恋しくなるとき
みんなが恋しくなるとき
あるんだ
伏黒 恵
家入 硝子
家入さんは相変わらず隈が酷い
煙草量も増えている
心配でちょくちょく見に来ているが酷くなっている
皆の様子も
日に日に酷くなっていた
そう言う俺もだが
好きだった。
ずっと
好きだったから
初恋の人
好きな人が死ぬのは辛いに決まってんだろ
ものに当たり散らかしてイライラして人に当たって
それを止めに来てくれるのが零なんだよ
なのに、その止めるヤツが居ないなら暴れられねぇじゃねぇか…
勝手に死ぬんじゃねぇよ…
馬鹿零
置いていくなよ
お前が死ぬのは早ぇよ
みんながお前を慕い
愛し
敬愛しているんだから
勝手に死ぬなんて許される行為じゃ無いんだよ
どかんっと奥の部屋
零が言っていたアニメのヤツら
はんたー、はんたー…だったか
ＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲって言うアニメのヤツらに与えた部屋の方面から爆発音
家入 硝子
伏黒 恵
喧嘩でもしているのか
だが爆発音は一つだけ
なんだったのか
数分たった
そのとき
禪院 真希
真希さんが急いでＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲのヤツらの部屋方面に走っていった
伏黒 恵
家入 硝子
家入さんは前よりも無気力だ
なにをするにもやる気がなくなっている
また
煙草を吸い始めるばかり
真希さんが走って行ってから数分がたった
家入さんと俺の静かな空間
煙草の煙が部屋に広がり
煙草が燃える音
煙草を灰皿に押し付ける音
どばっと呪力が溢れている
伏黒 恵
家入 硝子
瞬時に警戒した
この呪力量
ただ者じゃない
強い呪霊だ。
何処からだ。
この気配
伏黒 恵
ＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲというアニメのヤツらの方面だ。
アイツらのことはどうだっていい
でも
零がアイツらを気に掛けていた
アイツらが死んだってどうってこと無い
なんなら死んでくれた方が嬉しいヤツだって居る
零の恋人になったヤツ
だがそれを零は望まない
俺が動こうか迷っていると
家入 硝子
伏黒 恵
家入さんが急いで走り出した
何故
家入さんは反転術式しか使えない
何故無言で走り出した
考えるのも勿体ない
俺は家入さんについて行くため走り出した
なにが待っているかなんて分からない
だが強いヤツが待っているということだけ分かる
死ぬかもしれない
死に様で後悔はしたくない
逃げて後悔するより戦って後悔した方がいい
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