外からドタドタと騒がしい音がする
またダレが来るのか
楽しみになっている自分も居る
私が生きていることを見たらびっくりしちゃうのかな
どんな反応をしてくれるか気になる
真希は泣きそうになっちゃったし
◦
息切れをした音
体力が無いのかな
ダレだろうな
私はまだ見ていない
ダレが来るかも分からない
そうしているから
気配を探知していない
探知したら楽しくないから
ダレが急いできてくれたのか
気になるし
急いできてくれた子には私からの喜びをあげる
さぁな、ダレかな♪
零
家入 硝子
零
急いできてくれたんだ
心配してくれたのかな
私の死に悲しくてくれたのかな
硝子に悲しんで貰えるなんて私は幸せ者だね
硝子は泣いちゃったのかな
私の死で泣いちゃったりしてくれたのかな
苦しんでくれたのかな
どうなのかな
家入 硝子
硝子の声は震えていた
嗚呼、悲しんでくれたんだ
私の死を
なら
死んでみて良かったかもしれない
嬉しいな
こんなこと思ってしまうなんて最低かもしれない
イヤ、最低なのだ
最低なのだが最高なのだ
私は感覚がバグっているのだろう
私の死で
価値を見いだしたくなってしまう
私の死で悲しんで、苦しんでくれる人が多いほど価値がある人間だと思うのは…
私だけだろうか
いいや、私以外にも居るはずだ
家入 硝子
零
でも
この言葉は
この声は
本当に心配してくれた声
苦しんでくれた声
んん?あれ、なんか…
硝子…
零
家入 硝子
ふいっとそっぽを向く硝子
こりゃあ煙草量が増えてるな
…私の死が原因か
零
家入 硝子
硝子は言い訳を探しているようだ
もしかしてだけど…
零
そう言いながら硝子の頬を包み込んだ
零
零
零
零
零
零
零
零
零
硝子の頭を撫でながら
生きて欲しい
私より早くに死なないでね
生きてね
家入 硝子
家入 硝子
家入 硝子
硝子は私を強く抱き締めてきた
嗚呼、怖かったのだろう
人生一番怖いこと
私の怖いことは身近の人の死
慣れてしまってはいけない死
でも慣れなくてはいけない死
死なないで
私のことはいいから
私は硝子に長生きして欲しいよ
だって硝子だから
零
どたどたした足音
今度はダレの足音か
楽しみになってしまっている私が居る
駄目だなぁ…
うん、でも…
楽しみ。
零
◦
伏黒 恵
零
恵だった。
またもや素っ頓狂な声
君はそんな声を出さないと思ってたよ
だって伏黒恵だから
伏黒恵はクールで
優しくて
格好いいのが恵だから
幸せになって欲しかった。
そんな顔しないで
泣きそうな顔しないで
貴方には笑って欲しいよ
ねぇ、恵
笑って
泣かないで
強い恵を見せてよ
ねぇ、恵。
嫌いになって
私を忘れて
恵
伏黒 恵
苦しそうな顔をしている
どんなことを考えているのかな
私のことを考えてくれたのかな
どんなことを考えてくれてたのかな
教えて欲しいな
ねぇ、恵
零
伏黒 恵
悲しい顔
なにか喋って欲しいんだけども…
伏黒 恵
零
優しい″おかえり″
うん…うん。
帰って来れて良かったなぁ。笑
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