テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
翔空(とあ)⛄💙
429
この世界には、毎晩同じ時間だけ現れる”名前のない星”がある。
その星を見つけた人は、大切な人をひとり忘れてしまう。
だから俺は空が嫌い。
あの日からもうすぐ四年が経ちそうになる。
四年も経ったのに、という言い方が正しいのだろうか。
m g r .
こんなに時間が過ぎても未だに亮平がいない生活は慣れなくて、
俺の心がぽっかり空いたみたいだった。
夜。
少し曇った夜空を見上げて安心する。
確かあの日もこんな感じの空だったっけ?
四年前。
a b .
a b .
m g r .
m g r .
a b .
a b .
m g r .
a b .
a b .
m g r .
a b .
m g r .
a b .
そんなことを俺に教えてくれた日の深夜、
君の心臓は突然止まって俺はいきなり一人にさせられた。
サヨナラも言えずに。
その日以来、大好きだった夜空も見ることは少なくなった。
唯一見るとしたら亮平が好きだった星がない曇った夜空だけ。
俺が本当に好きだった夜空はしばらく見てない。
亮平が言ってた事が本当なら、俺の記憶から亮平がいなくなっちゃうから。
気象予報士が言ってたことだし、
一年後
s k m .
m g r .
俺もそろそろ帰ろうかな、
あれから五年がたった今も吹っ切ることができなくて、
俺は一年前と何も変わってない。
周りはどんどん前を向いたりして変わっているのに。
家に帰ってスマホの通知を見て、俺は心臓が止まるくらいびっくりした。
忘れたくなくて、ずっと消せなかった、亮平とのトーク画面。
そこにはもうこの世にいないはずの亮平からメッセージが届いていた。
蓮へ これは蓮に星のことを教えた直後に五年後の未来に向けて書いたものです。 五年後、多分もう俺はこの世にいないと思う。 でも、蓮のことだから。 俺とのトーク画面も残したままなんだろうなって思って、 ここに時空を超えた遺書を書こうと思って書いています。
最初、俺もこの先長くないって言われたときはびっくりしたよ。 もちろん、死ぬのも怖かったし。 でもそれよりも俺は、蓮が俺の死に囚われ続けるのが怖くて、 五年経っても、何年経っても、蓮はずっと苦しいままだと思うから言うね、 『忘れる』=『裏切り』ではないんだよ。
蓮はそんなことないって真剣な顔をして俺に言ってきそうだけど笑 世の中には忘れたほうが良いこともあるの。 そりゃあ俺だってずっと蓮と居たかったし、 忘れないでほしいし、俺も蓮の立場だったら忘れたくない。
でも俺のせいで、蓮が前に向けないなら、一旦俺のことは忘れてほしい。 蓮が好きな貝も美味しそうに食べてほしいし、夜空を見て癒やされてほしい。 今の俺はこれくらいの言葉しかかけれないけど、 もし、蓮がこのメッセージを読んで食欲が出たり、 俺が好きな夜空じゃなくて、蓮が好きな夜空を見たいなって思えたら 恐れずに見てみて。
俺が言ったのに自分で言うのもだけど、星見ただけで俺達の思い出は消えないから。 気象予報士の俺が保証するから。 もし空を見たくなったら、ちゃんと前を向けた証拠だから。 忘れてください、なんて言わないよ。でも、忘れてもいい。
俺の記憶にもこのトーク画面にも、 楽しかった思い出は全部奥深い場所で眠ってるから。 辛くなったらいつでもここにおいで。 今までも、今も、この先もずっと、世界で一番蓮が大好きだよ。 亮平より
その文章はまるでその後自分がどうなるかわかっていたようで、
未来の俺のことも見据えて書いてくれた手紙だった
m g r .
仕事をしてて気づかなかったのだろう。
メッセージが来た時間を見ると13時17分だった
1月17日、俺と亮平が出会った日、
m g r .
俺はそのメッセージを見て亮平のためにも前を向かなければと思い、
亮平から教えてもらった見ると”一番大切な人をひとり忘れてしまう”星を見ることにした。
想いは届かないとしても、少しでも安心してもらえるように。
久しぶりに見上げた夜空。
それは相変わらず綺麗で、閉じ込めていたものが一気に溢れ出てきた気がした。
亮平が教えてくれた星はすぐにどれかわかった。
綺麗な夜空を乱すように一つの光が輝いていたから。
亮平が言っていた唯一無二ということもわからなくはないが、
そこで見た星は、想像してたみたいな綺麗な星じゃない
”名前がない”理由もわかる。
誰かの大切な記憶を食べて輝くから、名前を持てない星。
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
m g r .
その時、夜空に流れ星が流れた
まるでここでずっと見守ってるからと言いかけるように。
m g r .
翌朝。
今日もリビングに飾ってある亮平の写真に行ってきますと手を振って家を出る。
久しぶりに晴れた気分で見る空は、前よりも少しだけ明るい気がした。
end♡
今から下は本当に忘れてしまう結末です。
震える手で空を見上げる。
毎晩、誰かの記憶を奪って輝く、名前のない星。
眩しいはずなのに、なぜか涙でぼやけて見えなかった。
その瞬間、胸の奥から何かが静かに抜け落ちていく。
怖くて、自分の胸元を掴む。
m g r .
誰かを呼ぼうとした。
でも、名前が出てこない。
風だけが吹いて、閉じていたカーテンを揺らす。
ゆっくり目を閉じた。
ーーそれでも、不思議と。
悲しいとは思わなっかた。
翌朝。
机の上には、見覚えのない写真が一枚置かれていた。
笑っている自分と、隣でこちらを見ているとても愛しい誰か。
顔を見るだけで、どうしてか泣きたくなる。
けれど、その人の名前だけは思い出せなかった。
俺は無性に写真を抱きしめる。
そして初めて、閉ざしていたカーテンを開けた。
空は、少しだけ明るかった。
end♡
主
主
主
主
コメント
2件

めめあべの話が好きかな。 なかなか未練で忘れられない 良いタイミングで手紙が届く ようやく前を向けれる 名前忘れても根本的な事は心の何処かに残っているのだから 好きでな作品💗
「忘れる=裏切りじゃない」って言葉、すごく響きました。名前のない星の設定が世界観を支えていて、亮平の遺書的なメッセージが切なくて温かい。二つの結末の対比も考えさせられますね。どちらも蓮の選択として成り立っていて、読後感が違う。個人的には忘れないルートに涙しました。素敵な作品をありがとうございます。