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次の日、雀の鳴き声が天井から降ってくる、清々しいほど晴れた朝。
つばきは毎度訪れる、朝のこの時間が、何よりも嫌でたまらなかった。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばきは1人、子供部屋でスマートフォン片手にガックリと肩を落とす。
部屋から出て、朝食を摂っている時でも、つばきの心はセラーノベルの評価に囚われていた。
つばき
つばき
お母さん
お母さん
お母さん
お母さん
つばき
お父さん
つばき
お父さん
お父さん
つばき
母親に心配されながらも朝食を平らげたつばきは、いつもの笑顔でダイニングを後にする。
大ぶりのリボンがついた、ピンクのランドセルを背負いながら、つばきは明るい声を作った。
つばき
お母さん
お母さん
お母さん
母親が心配しているというのに、彼女の心の中は先程と何ら変わりなし。
つばきはずっと、フォロワーからどう言われているのかで、不安と期待でいっぱいになっていた。
通学路のど真ん中で、スマートフォンを片手にフラフラ歩く彼女は、はた迷惑この上ない。
通行人
通行人
通行人
つばき
通行人
つばき
つばき
つばき
通行人
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
家を出るなり、スマートフォンにのめり込むつばきは、慣れた様子でコメントが並ぶ画面に指を滑らせた。
当然、彼女は立ち止まってなどいない。 前方の景色そっちのけで、歩きスマホに夢中になっていた。
つばき
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
つばき
つばき
つばき
誰も彼女に見向きもしないし、注意どころか挨拶すらする素振りは無い。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
通学途中ではこんな扱いを受けていたが、つばきは特段、クラスで孤立しているわけではない。
それどころか、彼女は日頃は笑顔を絶やさない、愛想のいい人気者だ。
晴美
つばき
千冬
つばき
つばき
つばき
晴美
晴美
つばき
晴美
千冬
彼女達は、つばきの数少ない友達。と言っても、ただのクラスメイト以上という、ライトな関係でしかないのだが……
会話に華を咲かせる彼女たちの声は弾んでいる。まるで教室が賑やかな花畑になったかのようだ。
楽しげな声につられてか、女子も男子も関係なく、つばきの周りには続々とクラスメイトたちが集まってくる。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
つばき
賑やかな同級生に囲まれたつばきは、声をかけられるたび、満面の笑みで皆に接する。
まるでアイドルのように振る舞う彼女だったが、つばきは彼らの話をろくに聞いてはいなかった。
つばき
つばき
つばきが心の内で叫ぶ中、ガラッと勢いよく、教室の扉が開く。
エミリ
クラスメイト
つばき
教室に入ってきたのは、このクラスの1番人気とも言える女子生徒、『エミリ』である。
その影響力たるや、絶大なもの。
あっという間につばきの周りから人は消え、エミリとその取り巻きへと、人が吸い寄せられていく。
クラスメイト
エミリ
クラスメイト
クラスメイト
エミリ
クラスメイト
クラスメイト
エミリ
エミリ
エミリ
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
エミリ
エミリ
クラスメイト
クラスカースト中から褒めそやされるエミリは、勝ち誇ったかのように満面の笑みを見せる。
――つばきは、こんな彼女が気に食わなかった。
読者モデル故の可愛らしい外見に、高学年や先生相手にも、ハッキリとものをいう性格。それにおしゃべりも上手く、人望も厚い。
それがつばきにとっては、こちらを挑発しているように見えていたのだ。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
そんな感情がひしめき合いつつも、つばきもまたエミリにあこがれを抱く1人であった。
彼女のようにオシャレになりたい。 彼女のような人気者になりたい。
だからこそ、つばきはセラーノベルという小さな環境で、セルフプロデュースをしているのだ。
エミリ
つばき
愛憎入り交じるつばきの心など露知らず、エミリは教室の奥に座る彼女の方へと、サッと近寄っていく。
エミリ
つばき
つばき
エミリ
エミリ
つばき
取り巻き
取り巻き
エミリ
エミリ
つばき
エミリ
エミリ
つばき
せっかくエミリに褒められても、つばきは嬉しさを感じるどころか、まるで面白くない。
その様子に気を遣ったのか、エミリが取り巻き達と一緒に席へ戻り、クラスメイトたちもまた散り散りになる。
少しだけおしゃべりの声が小さなくなった教室の中、つばきはセラーノベルのホーム画面を開く……
つばきは心の中のモヤをぶつけるかのように、スマートフォンに指を強く押しては滑らせて、文字を連ねていく。
そんな新作のタイトルは『愚痴投稿』だ。
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
二ツ森メリー
そう締めくくったつばきは、誤字脱字のチェックもせずに投稿ボタンを力強く押す。
つばき
つばき
つばき
つばき
画面に映る文字を見ただけで、つばきの胸が踊り出す。
同じような言葉ばかりだが、内容に飽きたりなどはしない。
心が満ち足りて、恍惚な表情を浮かべるつばきの端末へ、メッセージが届いたのはその時である。
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二ツ森メリー
二ツ森メリー
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二ツ森メリー
二ツ森メリー