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あの日から、少しだけ気になっている
あの声
――思い出せ
誰の声だったのか、結局わからない
夢だったのかもしれない
暑さで頭がおかしくなっていただけかもしれない
だから、考えないことにした
……そう思っていた
放課後
教室にはまだ何人か残っていて、窓の外から蝉の声が響いている
クラスメイト
mf
クラスメイト
みんながぞろぞろと教室の前に集まっていく
俺も仕方なく立ち上がった
そのとき
sv
窓際から、シヴァさんが手を振った
mf
俺はシヴァさんの隣に並ぶ
いつも通り
何も変わらない
クラスメイト
みんながカメラを見る
クラスメイト
カシャ
シャッター音と同時に、風が吹き込んできた
カーテンが大きく揺れる
俺は反射的に目を閉じた
クラスメイト
スマホを覗き込む
クラスメイト
俺も画面を見せてもらう
みんな笑っている
俺も笑っている
そして――
mf
シヴァさんのところだけ
ぼやけていた
輪郭が、薄い
まるで最初から、そこに焦点なんて合ってなかったみたいに
sv
mf
隣を見る
ちゃんといる
いつもの顔
いつもの声
sv
mf
もう一度、写真を見る
やっぱり変だ
mf
sv
mf
sv
シヴァさんが笑う
俺もスマホを構える
今度こそ
ちゃんと残したい
そんな気がした
クラスメイト
カシャ
今度は、みんな綺麗に写った
俺も
みんなも
……だけど
mf
シヴァさんだけが
いなかった
写真の中には、俺の隣に不自然な空間が空いている
まるで、誰か一人分だけ最初から存在しなかったみたいに
mf
sv
mf
スマホを見せる
シヴァさんは画面を覗き込んだ
そして
sv
少しだけ、困ったように笑った
sv
mf
胸の奥が、嫌な音を立てた
でも
何がおかしいのか、わからない
だって
シヴァさんは、ここにいる
俺の隣にちゃんといる
ちゃんと声が聞こえている
ちゃんと笑っている
だから――
写真の方がおかしい
そう思った
帰り道
夕焼けの中を、シヴァさんと二人で歩く
蝉の声が、遠くで鳴いている
sv
mf
sv
mf
他愛もない会話
いつも通りの帰り道
なのに
さっきの写真が頭から離れない
mf
sv
mf
シヴァさんが足を止めた
俺も立ち止まる
夕焼けが、やけに眩しい
sv
mf
sv
シヴァさんは笑った
sv
mf
それ以上、聞けなかった
何かを聞いたら
何かを思い出してしまいそうだった
mf
自分でも驚くくらい、小さな声だった
シヴァさんは少し黙って
sv
優しく笑った
その声を聞いてると、胸の奥が痛くなる
理由は分からない
ただ
この人を、忘れちゃいけない
そんな気だけが、ずっと残っていた
まるで
俺だけが、まだ夏の続きを生きているみたいに
コメント
8件
ぎゃーばり不穏😭😭😭やっぱシヴァさんだけいない説😭😭かなしい😭😭もしかして👓️さんが日記とか写真を見返してる可能性もあるのか…‼️ 正座待機しときます😭
ああ、これ第2話……すごく好きだな。 写真に写らないシヴァさんの存在感が、逆に生々しくて切ない。1枚目はぼやけてて、2枚目は完全に消えてる——“段階的に消えていく”感じが夏の幻みたいで、すごく良い演出だと思いました。主人公が「ずっとこのままだったらいいのに」って呟くところ、胸がぎゅっとなりました。夏の終わりの匂いがする物語、続きが気になります。