さく
さく
さく
赤
うるさい
お母さんと、何人目か分からない 知らない男。
赤
男が来る度、俺は外に出されるか 押し入れに閉じ込められるかの どっちかだ。
大人しく言うことを聞かなければ ずっと殴られた。
~~ッ......♡
~~~~~ッ♡
赤
耳を塞いでも嫌な音は聞こえる。
俺は突然変異で生まれた。
普通の子ならない、犬の耳としっぽ。
俺を産んだ母はそんな俺に
『気持ち悪い』
そう言った。
その日は突然やってきた。
赤
俺は母親に捨てられた。
赤
赤
赤
赤
いくら嫌いな母親でも 捨てられた代償は大きい。
俺に背を向けて離れていく母親を 俺は目も逸らさずに眺めていた。
赤
何時間歩いただろう。
大雨が降り続けて、 裸足で一本道を歩いている。
赤
赤
紫
赤
勢いよく振り返ると 紫髪のお兄さんがいた。
紫
赤
赤
怖かった。
元々家の外には出して貰えなかったのもあり、外の人と話した事がなかったから。
赤
焦った俺はその場で 座り込んでしまった。
紫
赤
俺にコートを被せ傘をさしてくれた。
紫
赤
俺はそのまま差し出された 手を受け取った。
赤
青
紫
青
赤
家以外の場所に初めて足を踏み入れた。
元々家は薄暗く当たりも 路地裏のような場所だったけど
ここはとても明るい。
紫
この人の笑顔はどこか優しくて、 初めて明るい気持ちになれた気がした。
あの後お風呂に入り 美味しいご飯も俺に与えてくれた。
最初は戸惑ったが『食べていいんだよ』という優しい声に俺は従った。
紫髪のお兄さんはペラペラと 紙を捲りながら見ている。
紫
赤
紫
赤
紫
赤
衝撃だった。
気持ち悪いとしか言われたことが なかった俺からしたら驚きだったからだ。
赤
紫
紫
赤
その言葉は俺にとって 救いの言葉だった。
赤
青
赤
青
あの後俺は、紫ーくん達のいる 組織の仲間になった。
元々動くのは好きだったし、 居場所がない分マフィアになる方が 俺にとっては良かった。
紫
紫
赤
紫
紫
青
赤
紫
紫
赤
これが俺と、 紫ーくんの出会いだ。
赤くん編_終了。
コメント
12件
確かに耳がいい赤くんと目がいい青くん揃うと最強じゃん…
ケモ耳生えた子が産まれてきたら全力過保護で育て上げるんだが() 喜ぶ赤青ペアが可愛すぎて紫ーくんに療育費お支払いしたくなった(?)
犬耳は正義やぞ、ケモ耳は正義やぞ!青赤のペアもなかなか強そう…