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寧々

……………………………

わたしは今、RPGでよくあるような 森の中の一本道を歩いている

ネネロボ

______

隣にはお供をつけて

ネネロボ

ネネ、疲レテマセンカ?

寧々

………大丈夫

ネネロボ

分カリマシタ

ネネロボ

_____

寧々

……………………

ネネロボ

疲レタラ言ッテクダサイネ!

お供がうるさい

寧々

……分かってる

この会話、何回目なの

うるさい、とは言ったのだが、 全然静かにしてくれない

…現実世界ではちゃんと 言うことを聞いてくれるのに

ネネロボ

モウスグ、分カレ道ニ着キマス

うん、知ってる

見えるよ、遠くに

いちいち言わないでほしい

寧々

…………そうだね

でも、静かすぎると逆に怖い

その点では、 ネネロボがいて安心だ

ネネロボ

分カレ道デハ、左ニ行ケマス

見えるから言わなくていい

あぁ、もうっ

なんかちょっとだけ イライラしてきた

寧々

ネネロボ、分かってるからそういうのいちいち言わなくt__

ガタンッ!!

寧々

!?

分かれ道の左側から聞こえた音に わたしは肩を震わせた

と__

寧々

!?!?

音のした方から誰かが飛んできた

ダンッ!!

その人は木に叩きつけられ、 そのまま地面に倒れ込んだ

寧々

ぇ………?

ネネロボ

大変デス!

ネネロボ

パワーヲ溜メテオキマス!

あれって__

寧々

星乃さんッ!?

寧々

星乃さん…!星乃さんッ!!

わたしは木の下で身体を丸めて 倒れている星乃さんに駆け寄り、 声をかける

一歌

うっ、ハァ、ハァ……

一歌

……く、草薙…さん?

星乃さんは手をついて ゆっくり身体を起こす

寧々

よかった…!

反応があったことに 少しほっとした

ネネロボ

ネネ、パワー溜メ終ワリマシタ!

力を溜めるために 運動を停止していたネネロボも、 こちらに来た

一歌

ハァ、ハァッ……、けほっ

寧々

大丈夫?!

一歌

…っう…ん……

星乃さんがゆっくり視線を 前に向ける

一歌

……………………ぁ

わたしもその視線を追った

寧々

…………………え

目の前には

生い茂る木の4分の3くらいの 高さの怪物

大きく開いた1つ目で こちらを見ている

寧々

…………………ッ

わたしは恐怖で言葉を失った

ネネロボ

非常ニ大キイデスネ!

ネネロボの一言で我に返る

…何呑気なこと言ってんの、 ネネロボ

寧々

……ネネロボ、ファイアー

ネネロボ

了解デス!

ネネロボ

ファイアー!!

スドーンッ!!!

一歌·寧々

!?!?

ネネロボが怪物に向かって ビームを出した

怪物はもろに喰らい、 一瞬で灰となっていった

あんな大きいやつ 一瞬で消すなんて……、ネネロボ、 化け物か何か?

寧々

………私、“ファイアー”って言ったんだけど

ネネロボ

アレクライ大キイモノハ、ビームガ丁度イイデス!

寧々

……………………

なんかムカつく

一歌

ぁ、あの

一歌

ありが_っう…

星乃さんは苦しそうに顔を歪めた

寧々

っ大丈夫?!

一歌

っ………苦し……ッ

寧々

ネネロボ、星乃さんを治療して

ネネロボ

了解シマシタ!

一歌

ぇ、治療って…そこまででm

ネネロボ

抱イテクダサイ!

一歌

え…でも…

ネネロボ

抱イテクダサイ!

一歌

わ、分かった

星乃さんは遠慮がちだったけど、 ネネロボを抱きかかえる

すると…

ピカッ

一歌

わっ

星乃さんの周りを 透明な緑色の光が包み込んだ

はぁ、これを 実際に見られる日が来るとは……

………いや、こんな形で 見たくなかったけど

一歌

……なんか、温かいね

星乃さんは静かに木に 背中を預ける形で寄りかかった

寧々

…よかった

わたしも隣に座った

一歌

ありがとう

寧々

う、うん。……………さっきのって…

一歌

あー……えっと……

一歌

囲まれちゃって。小さめの2体と、さっきの大きいのに

…………………え?

囲まれた?

そんなことあるんだ……

一歌

それで小さい方を倒した後、振り返った瞬間に蹴られて…

寧々

……………………

……ん?まって?

星乃さんの武器、どこ?

一歌

……草薙さん?どうかした?

寧々

え?っあ、ううん。なんでもない

シュゥゥン

ネネロボ

完了シマシタ!

寧々

!?

……もう、驚かせないでよね

一歌

ありがとう。楽になったよ

ネネロボ

ドウイタシマシテ!

星乃さんは、ネネロボを 地面に下ろして立ち上がった

歩き出すのだと思って、 わたしも立ち上がる

ネネロボ

ネネハ大丈夫デスカ?

寧々

…わたし、特になにもしてないよ?

ネネロボ

大丈夫デスカ?

寧々

大丈夫

食い気味に答えると、 星乃さんが苦笑いした

寧々

…そろそろ行こっか

もうこれ以上ネネロボに 質問されたくなくて、 わたしから提案した

一歌

そうだね

ネネロボ

何カアッタラ、イツデモ言ッテクダサイネ!

寧々

うるさい。どんだけわたしのこと心配なの

寧々

もしかして、信用してない?

ネネロボ

違イマスヨ!タダ少シネネガ無理ヲシテイナイカ気ニナルダケデス!

寧々

…それ、信用してないじゃん

隣を歩くちょっと小さなわたしに 呆れ声で言う

一歌

ふふっ、なんかお笑い見てるみたい

寧々

え?

一歌

あっごめん

ネネロボ

気ニシナイデクダサイ!

寧々

ネネロボがそれ言わないで

一歌

……ふふっ

はぁ、疲れる

寧々

……そういえば、星乃さんの武器は?

先程の疑問をそのまま口に出す

一歌

あるよ

寧々

え………?

寧々

えっと、……どこに?

一歌

えぇっと…__

ネネロボ

危険ヲ察知シマシタ

一歌·寧々

ぇ?

ネネロボ

パワーヲ蓄積シテイマス

一歌

_!

一歌

ッ危ない!!

寧々

きゃっ!?

わたしは星乃さんに 突き飛ばされた

__ガルルルッ!!

直後、わたしと星乃さんの間を ものすごいスピードで 獣が通り抜けた

寧々

……………ぇ

一歌

……ッ!

星乃さんが右手を握った

その瞬間__

星乃さんの右手が光り、 剣が現れた

寧々

!?

こんなゲームのような ワンシーンをリアルで 見れるなんて…!

一歌

やっ!!

星乃さんは私の心の奥の感動を 気にするはずもなく、 獣をすかさず切った

?

ガッ!?

切られた獣は一瞬にして消えた

一歌

ごめん草薙さん!大丈夫だった?!

星乃さんは剣を 光に包んで消したあと、 振り返ってわたしに問う

寧々

う、うん……ありがt

ネネロボ

ネネヨケテ!

寧々

わたしの真後ろの草が カサッと音を立てた

__ア"ア"ア"ァァッ!

寧々

っきゃあッ!?

音の鳴った方から飛び出して来た 気持ち悪い怪物

咄嗟にわたしはしゃがんだ

………………………………あっ

一歌

ッ!?

ダンッ!

寧々

星乃さんッ!!

____

ネネロボ

完了シマシタ!

一歌

……………ごめん

寧々

星乃さんが謝ることじゃないよ

寧々

…むしろ、わたしがしゃがんだからで……ごめん

一歌

でもあれは、私が草薙さんの立場でも避けてたと思うし……。…私が気づけていたら……

寧々

ううん、星乃さんからだとわたしがいたから見えてなかったと思うから……

ネネロボ

__二人トモ!

一歌·寧々

!?

ネネロボ

マイナス発言デノ譲リ合イハ、周リノ空気マデマイナスニシテイマスヨ!

一歌·寧々

………………!

わたし達は顔を見合わせた

一歌·寧々

……………ふふっ

一歌

そうだね。…草薙さん、ネネロボ…ありがとう

寧々

……うん。こちらこそ、ありがとう

ネネロボ

周リガ笑顔デ溢レテイテ、気持チガヨイデスネ!

寧々

ネネロボ、うるさい

一歌

…………あはは…

星乃さんが苦笑いを漏らした

はぁ……

……………笑顔、か

えむ……類も司も、 みんな大丈夫かな

………いや、司とかは 心配するだけ無駄か

…………でも

やっぱり心配だ

特にえむは、 無理して笑ってないといいけど

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